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白神さんの八十神語り  作者: 松戸京
第一神
10/200

異変

 ウシロガミ様の話が終わると、白神さんは一仕事終えたと言わんばかりに大きく伸びをした。


「終わり……ですか?」


「ああ、どうだった? 怖かったかい?」


「え……いや、まぁ……黒田さんは……黒田さん?」


 と、話が終わってから気付いた。


 黒田さんは顔面蒼白で、ガタガタと歯を鳴らして震えていた。


「ちょ……黒田さん、大丈夫?」


「……これを……これを狙っていたんですか……アナタは……」


 黒田さんは信じられないという顔で白神さんを見る。


 白神さんはいつもののんびりとした表情で黒田さんを見る。


「ん? 何がだい?」


「と、とぼけないで下さい! こ、これは……お爺ちゃんが言っていたのとは格が全然違う……私なんかじゃ……ううん、違う。これじゃあ、私が……」


 と、そうブツブツと言った後で、黒田さんはいきなり後ろを振り返った。


 そして、怯えた様子で周囲を見る。


「く、黒田さん?」


「い、今誰かが……私のことを……」


「え? だ、誰もいないって……ねぇ、白神さん?」


 そういって白神さんを見る。


 白神さんはニコニコしながら黒田さんを見ていた。


「どうやらそっちの子にとっては随分と怖い話だったみたいだね。とりあえず、今日はお終いだ。次の神様の話は10日後……黒須君。そっちの子もちゃんと連れてきてね」


「あ……はい」


 そういって僕は黒田さんを見る。


 黒田さんはその話の間も、落ち着かない様子で周囲をキョロキョロと見回していたのだった。

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