恩恵〈ギフト〉
す、すみません。もう、2ヶ月以上放置していたです‼︎
次はなるべく早く戻って来る…よていです。
((((;゜Д゜)))))))
2話
恩恵
【ふむふむ、皆安定したようじゃの。では次の……】
神様の説明によるとどの次元の世界でも魂(精神)は共通で、肉体(入れ物)はその世界の諸々の状況と宿る魂の相性位で変わってくるとか。それによると、
威→薄い金色の髪、鮮やかな緑の瞳、爽やかイケメン(人族・ヒューマン)
美玲→濃い金髪、青い瞳、お嬢様風(上に同じ)
心→白髪・紅い瞳のいわゆるアルビノの女の子(上に同じ)
樹里→銀髪、濃い紫の瞳、ナイスバディの美女(妖精族・エルフ)
美遊→栗色の髪、水色の瞳、小学生の女の子みたいな小さな体(妖精族・こびと)
私→黒髪、金色の瞳、健康的な肌色の細マッチョなイケメン(人族・ハイヒューマン)
……男だよ。確かに《リンちゃんが男の子だったら良かったのに》とか《男前ね》とかって、言われてきたよ。極めつけが、高校でのアダ名「ラストサムライ」だった…。男兄弟に囲まれて育ったからか、けして何時も男の子と遊んでいたとかガキ大将だった訳でもないのになぁー。
「リンちゃん、〈かっこいい〉《ステキ》似合ってるよ。」
樹里と美遊が、私を見上げって言う。だいぶ、身長差があるなぁ。今の姿は、下着姿(モン○ンの初期設定みたいだ)もともと一緒に着替えたり、お風呂に入ったこともあるからか、そんな恥ずかしさはない。
いろいろ変わっても、やっぱり友達だってことかな。異世界だし、男だし、何があるかわからんけど……
「ま、いっか。愉しんでこう、な?」『そうね。「…うん。」』
腹ぁ、括りますか。そうと決まれば、準備は念入りにしておかねば。
そうこうしているうちに、威・美玲・心の準備が整ったようだ。
正直、この3人に関して言えばなんの心配もしていない。私と3人はいわゆる幼馴染みだ。威は同じ道場の門下生として5歳からのつき合いだし、美玲はお隣さん、心は何故か小中高ずっと同じクラス。
威はまさしく「ヒーロー気質」悪く言えば「暑苦しい熱血暴走野郎」だが、可愛い顔して「腹黒女王様」な美玲、腐女子で厨二なところが目立つも「頭の回転が速く、転んでもタダでは起きない」がモットーの心がついていれば、何処でだって生きていけるだろう。
「じゃ、元気でな。俺たち先に行くな。」「ああ、達者でな。」
「せいぜい、頑張りなさい。…困ったら、声を掛けなさいよ。」「くくっ、ツンデレか。〔笑〕」
「いい体しとるやん…「元気でな。あんまり本音だし過ぎて、ひかれないようにな。」
三者三様なあいさつが済み、ほかの2人とも言葉を交わすとスッと姿が消えていった。あいつ等ならだいじょうぶ。
【だいぶ待たせてしまったの。】
疲れた様子の神様は、新しい世界についての説明として[生活は中世ヨーロッパくらいの水準・生活文化で、魔法が存在すること。私たちのような存在は過去にもいたこと、総じて魔力が高く身体能力も高いこと、あと記憶は持ったままでも構わないこと、新しい世界に合わせた身分が存在することを告げた。
【其の外は世界に影響がない程度には、希望をかなえてやろう。何か有るかの?】
ギフトってやつか(チートともいう)。
「では、お言葉に甘えてお願いします。」
それぞれが希望を告げていくと、ひとつひとつ叶えられて能力や持ち物となっていく。
樹里は音楽家の家に育ち、自身も数多の楽器を弾きこなす天才肌だ。けして家族仲が悪いわけではないが、お互いの世界観を持っているためか家族への思いはうすく、彼女が望んだのは〈異世界の音楽史と両世界の楽譜、愛用のシターン〉。
美遊は物静かな性格で共働きの両親より祖父母と過ごした時間が多く、二人が相次いて他界した為町屋の一軒家で待つ子どもの頃から側にいた愛犬・狼犬のリュウの事が何より心配だった。リュウも高齢で両親には世話が期待できないため、どうしても一緒にいたいと望んだ。
そして私は、残された家族については兄2人弟1人に任せておけば心配はない。もしかしたら、勘のいい彼らのことだ、私が異世界で生活していること感じているかも…とも思っている。ペットも数年前に亡くなっている。だから異世界で生活するのにもきっと役立つ、道具セットと大切にしていた皮製のシステム手帳とガラスの万年筆を選んだ。
私はこう見えてもアクセサリー作りが趣味で、将来本格的に学びたいと思っていたから、道具セットははっきり言って玄人ばりに揃え、かつ使いこなしていた。システム手帳には様々なメモが残されている。小さい頃から田舎の祖母に教えてもらった薬草や食べ物のこと、アクセサリー作りに役立つあれこれ。自他ともに認める’’メモ魔’’の私の知識が詰まった宝。
「……と、コレが希望です。」
【これだけで、いいのか?伝説の武器や鎧、アイテムは?魔法についての知識は?】
あいつ等、だいぶ無理いったな…。そりゃあ、アイテムだって魔法についてだっていろいろあるが、まあおいおい身につけていかなければと思う。
【なんと健気な…。よかろう、ワシからの贈り物じゃ、受け取るがよい】
3人の希望は叶えられた。さあ、いよいよ異世界へ旅立つ時だ。