まりさ虐待 挑発
カートの上に四匹のまりさ共を乗せ、俺はある一室に入った。
この部屋は、通常の人間の居住空間になっており、
家具や調度が一通り揃っていた。
実際に、俺はここで寝泊まりをすることになる。
八畳ほどのこの部屋には、
冷蔵庫や布団をはじめ、必要な生活用品が揃っている。
特殊なのは、壁のうちある一面が全面鏡張りになっていることだった。
そして、部屋の一角には頑丈なケージがあり、
およそ2m余り四方を区切っている。
この部屋に、まりさ種の四匹を放した。
カートの籠から持ち上げ、部屋の真ん中に投げだしてやる。
「ゆぎゅっ!」
顔面から板張りの床に叩きつけられ、呻く親まりさ。
俺を見上げて悪態をつく。
「ゆゆっ!!なにやってるんだぜごみくず!!
このまりささまをいたいめにあわせて、ぶじですむとおもってるのかだぜ?!」
無視して、今度はバスケットボール大の子まりさを出す。
こちらはケージの中に放り込む。
「ゆぎゃ!」
「なにしやがるんだぜ!?」
「あやまったってゆるしてやらないんだぜ!どげざするんだぜ!!」
少しの間喚いていたが、
やがて部屋全体を見渡し、様子を見てとると、
親まりさが予想通りの言葉を吐いた。
「ゆゆっ!!ここはまりささまのゆっくりぷれいすにするんだぜ!!
おい、ごみくず!!しごとをめぐんでやるんだぜ?
はやくあまあまをよういするんだぜ!!」
「はやくするんだぜごみくず!!」
「ここでもどれいにしてかいごろししてやるんだぜ!!
まずはかんしゃのどげざをするんだぜ!!」
「あまあま!!あまあま!!
もってきたらしーしーをのませてやるんだぜ!!」
相変わらずの罵詈雑言を聞き届けると俺は息をついた。
早速始めることにする。
まず、ケージの中の三匹の子まりさ。
その後に親まりさの順で、おれは手早く帽子を取り上げた。
「ゆっ!!?なんのつもりなんだぜ?!」
「まりささまのおぼうしがああああ!!」
「ごみくずううううう!!かえせええええええ!!」
「ごみくずはじぶんのたちばがわかってないんだぜええ?!
しつけなおしてやるからぼうしをかえすんだぜえ!!」
「返してほしければ、俺から奪い返してみろ」
「ゆっ?」
俺の前にいる親まりさが、小馬鹿にした笑みを浮かべた。
「じぶんがなにをいっているのかわかってるんだぜ?
まりささまにけんかをうっているんだぜ!?
もしかしてまりささまにかてるとおもっちゃったんだぜ?
ばかはすくいようがないんだぜ!!ゲラゲラゲラゲラ!!」
子まりさともどもひとしきり嘲笑した後、
真顔に戻ってまりさは侮蔑の視線を送ってきた。
「ぼうしをかえすんだぜ、ごみくず。
こうかいしないうちにかえしたほうがいいんだぜ。
いまならはんごろしでゆるしてやらないこともないのぜ?」
俺は手に握った帽子をぐしゃぐしゃに握り潰し、ズボンの裾に突っ込んだ。
まりさの目が怒りに燃え上がる。
「ごみくず……
くそのやくにもたたないおまえを、
まりささまはきょうまでがまんしてかってきてやったんだぜ?
それはまりささまのなさけだったんだぜ。
そのまりささまにたいして、おまえはそんなたいどをとるんだぜ?」
「おとうさん!!そいつをころすんだぜ!!」
「こわれたどれいはようずみなんだぜ!!
たっぷりいじめころしてやるんだぜ!!」
「はじめておとうさんのけんかがみられるんだぜ!!わくわくだぜ!!」
子まりさ共が口々に叫ぶ中、親まりさは宣告した。
「もうあやまってもゆるさないんだぜ。
いくらないても、あやまっても、まりささまはゆるさない。
じっくりとなぶりごろしてやるんだぜ。
ごみくずはたっぷりこうかいしながらしぬんだぜ!!」
親まりさが跳び、俺の足に体当たりをしてきた。
直径50cmの饅頭の体当たりは、さすがにそれなりの質量がある。
不意打ちで喰らえば、尻餅をついてしまいそうだ。
しかし正面から向かってくる今、まるでダメージにはならない。
親まりさは何度も何度も体当たりを繰り返してきた。
俺はそれを見下ろしながら黙っていた。
十分ほどそうしていた後、
ぜえぜえと息をつきながら、親まりさはこちらの顔色を伺っていた。
なぜ倒れないのか不思議そうな顔だ。
「痛くない」
俺がそう言うと、愕然として口を半開きにした。
子まりさ共が、おかしいとばかりに口々に叫ぶ。
「おとうさん!おあそびはもうおわりにするんだぜ!!」
「そろそろとどめをさしてやるんだぜ!!」
「ゆ、と、とどめなんだぜ!!」
親まりさは数歩下がってから、
助走をつけて全力で体当たりをしてきた。
俺は少しばかり腰を落として構えただけで、小揺るぎもしなかった。
ぜひ、ぜひ、息をつくまりさの前に屈み込み、その顔を覗き込む。
「な、なんでなんだぜ……?」
その左頬を、右腕で力を込めて殴りつける。
これだけ成長した饅頭なら、
そう慎重に手加減しなくても、そうそう死ぬことはないだろう。