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ゆっくり虐待  作者: システム
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5/20

計画

俺の顔を見てから、長浜氏はゆっくりとページをめくった。

彼は眼を見開いた。

ノート一冊分にびっしりと書き込まれたそれは、俺の計画書だった。


「これは……」

「あの日から書き続けていました。まだ未完成ですが」


眉をひそめてそのノートを食い入るように見つめていた長浜氏は、

自分の頬を掴みながら呻いて言った。


「……わたしはかまわない。

しかし君は……それでいいのか」

「はい」

「君にはまだまだ先の人生が残っている。

こんなことに……こんなことで……人間を捨てることはない」

「僕はこれから先の人生を、あのゆっくり共に捧げるつもりです」

「私がやる。これは私がやろう。しかし君は」

「これから先、同じ犠牲者を生まないためです。

そしてこれは、ゆっくり達のためでもあります」

「こんなことが?」


俺は頷いた。

狂人と思われようとかまわなかった。


「ゆっくりは苦しむために生まれてきたんですから」

「……それは」

「あの生物がどういう生き物なのか、ようやくわかったんです。

あいつらは弱い。痛みに弱く、耐久性もなく、ひどく簡単に苦しみ、壊れる。

そのくせ悪意や闘争心が強く、強い外敵に向かって無謀な喧嘩を売り、執拗に挑発する。

どこにも根付くことができないくせに、どこにでも入り込む。

そんなゆっくり共が生物として安定している状態は何か、ずっと考えていました。

そしてそれは、苦しんでいる状態でした」

「それは、君……いくらなんでも」

「そう考えれば、すべてにつじつまがあいました。

やつらの行動はすべて、苦しむというただそのことに向けられている。

生まれては死に続け、憎まれ虐げられつづけるゆっくり共は、

そのことですでに生物としての目的を達しているんですよ」

「………」

「僕は残りの一生を、やつらのために捧げます。

今こそ僕は、苦しむために生まれてきたやつらの奴隷になりましょう。

人間のために、ゆっくりのために、お互いの種の安定を目指そうと思います」

「圭一君」


力なくうなだれ、長浜氏は言った。


「君は変わったな」

「変わりました」


俺は答えた。



計画は実行されることになった。



計画には長浜氏が全面的に尽力してくれることになり、

さらに二か月間が準備期間にあてられた。

都心からそう遠くない、しかし奥まった山奥の廃墟が選ばれ、

目的のために改築された。


その間、ゲスどもはあの個室で贅を尽くしていた。

長浜氏や俺の指示に従い、使用人たちは毎日やつらの面倒を見ていた。



実行の日。


今、俺は改築された建物の中で、

大きなテーブルの前に立っている。

テーブルの上には、睡眠薬を食事にまぜられた十三匹のゆっくりが眠っている。


「ゆぴぃ……ゆぴぃ……ゆぴぃ……ゆぴぃ……」


あの日、俺の部屋に侵入してきたまりさとれいむ。

まりさが外から連れ込んできたありす。

それぞれが50cmのバランスボール大だった。


そしてその子供、子れいむが三匹、子まりさが三匹、子ありすが四匹。

十匹とも30cm大のバスケットボール大。


テーブルを囲むのは、計画の実行に関わる人々。

長浜邸の使用人やゆっくりの研究者たち。


計画のリーダーは俺だ。

俺の計画を、これからこの手で実地に行うことになる。

こいつらのために、持てるすべてを捧げよう。


涎を垂らしながら泥のように眠りこむゆっくり共に向かって、

俺は静かに声をかけてやった。


「ゆっくりしていってね」


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