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ゆっくり虐待  作者: システム
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しかし、ついに別れのときがやってきた。

俺が就職し、なかなか広いアパートに住むことも決まった。

子供が生まれたら、最初は自分たちの家に迎えたい。

そういう俺の希望で、出産の前に引越しの手続きを済ませることになった。

一応、出産前後は由美の母がアパートに通っていろいろ手伝ってくれる。


由美のお腹の子は五か月になっていた。

お腹の膨らみもはっきりとわかる。

俺の宝だ。


引っ越し前日の夜になって、

由美はあのゲス共に別れの挨拶をしてくると言った。

俺は挨拶などする気も起らず、寝室で由美を見送った。



俺はずっと疑問だった。


身体能力や耐久性はあまりに弱いゆっくり。

しかし、その自意識は身の丈をはるかに超え、

危険な場所やより強大な敵に、自分から飛びこんでいく。

その構造は一体なんなのだろう。

生物として、全く理にかなっていない。

何度考えても、生物学的にまったく説明がつかなかった。


ゆっくりとは一体なんなのか?



由美はいつまでも帰ってこなかった。


十二時時を過ぎて深夜になっても、由美は二人の寝室に戻ってこなかった。

由美がゲス共に会いに行ってからすでに三時間。

いくらなんでも別れを惜しみすぎではないのか。


俺は立ち上がり、ゲス共の部屋に向かった。


「由美。俺だ。いるのか?」


ドアをノックしたが、返答はなかった。

しかし気配はあった。

中でわめき声が聞こえている。ゆっくり共が騒いでいるのだ。

いつもの事だった。

しかし、その声に俺はどこかいつもと違う空気を感じた。

なんだ?

俺はドアを開けた。



「ゆっ!!ゆっ!!ゆっ!!ゆっ!!ゆっ!!」

「んほぉおおおおおおおおすっきりいいーーーーーーーーーっ!!!」

「ゆっくりするなだぜぇ!!さっさとおきるんだぜぇ!!!」


由美と娘はそこにいた。


「ゆっ!!ごみくずがやってきたんだぜ!!」

「ゆゆっ!?いまごろきてもおそいよ!!げらげらげらげら!!」

「んっほぉぉぉぉおおお!!!きもちいいわああああああ!!!」


俺は膝をついた。

言葉が出なかった。

脳が思考を放棄し、体が震えて動かなかった。


「ゆっ!!ゆっ!!ゆっ!!ゆっ!!」


執拗に飛び跳ね、踏みつけていたれいむは、

俺を認めると、そこに乗ったままで罵ってきた。


「くそじじいのあかちゃんはしんだよ!!

れいむだっておちびちゃんをころされたんだからね!!

ゆっくりりかいしてくるしんでね!!ざまぁ!!」


まりさ共が、由美の体に体当たりを繰り返している。


「まりささまのゆっくりベッドでゆっくりするんじゃないんだぜぇ!!

くそどれいにそのふかふかはもったいないのぜ!!おきるんだぜえぇ!!」


由美は動かなかった。

頭をまりさ用の天蓋つきベッドに突っ込んだまま、ぴくりともしなかった。

天蓋は一部の骨組が折れ、由美の頭の下に敷かれている。


「あかちゃんのおはだすべすべよぉぉぉぉぉ!!

なんかいでもいけるわあああああんほおおおぉぉぉすっきりいいいいいーーーーっ!!!」


ありす共が粘液にまみれながら絶叫している。

親子五匹のありす共が、それにまとわりついて蠢いていた。


地獄。

無間地獄。

こいつらは。


俺は泣きながら這いずっていった。

震える喉からやっとのことで絞り出したのは、次の問いかけだった。


「どうして」


それは、このゲス共に向けた質問ではなかった。

俺は何に向かって問いかけたのだろうか。

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