まりさ虐待 食べれない
踏みつけた子まりさにオレンジジュースを軽く注入してから、
親まりさ共に言ってやる。
「さて、その前に、飯の時間にしようか」
「ゆゆっ!?」
まりさ共の目が輝く。
オレンジジュースを注射器で注入されてはいても、
口からではないので味は楽しめないし、満腹感もない。
人間でも、栄養剤をいくら注入されても腹は膨れないのと同じことだ。
すでに丸一日、こいつらには何も食わせていない。
さんざん甘やかされてきたこいつらにとって、空腹は耐えがたいだろう。
口には出さずとも、軽く飛び跳ねて催促するまりさ共。
通信機で連絡をつけると、ほどなくして食事は運ばれてきた。
食事が、隣のゆっくりプレイスに運ばれる。
そこに運ばれてきたのは、信じられぬようなごちそうだった。
大皿に盛られたケーキ、プリン、フルーツ。
数多のトッピングがちりばめられたあまあまだ。
かつてこのゲス共が食べていたものとは比べものにならない高級品である。
「ゆっ!!ゆっくりできるごはんだよ!!」
「あまあま~、あまあま~!!」
「あわてなくてもたくさんあるからね!!なかよくゆっくりたべようね!!」
隣のゆっくり共の声が聞こえてくる。
マジックミラーで遮ってはいても、
スピーカーによって、こちらによく声が通るようにしてある。
「あまあま……あまあまたべたいぃ……」
「おなかすいたぁぁ……」
涎を垂れ流しながら、マジックミラーにへばりつくまりさ共。
向こうのゆっくり共は一心不乱に食べている。
「うっめ!めっちゃうっめまじうっめ!うっめ!ぱねぇ!!」
「むーちゃ、むーちゃ……しあわせえぇぇぇ!!」
「ちちちちちちあわちぇええええ!!」
「すっっごくゆっくりしてるよぉぉ……」
「ゆっくりしたいよぉぉぉ………」
「おにいさん……まりさにも、まりさにもあまあま……」
「お前らの飯はない」
俺の言葉に愕然とするまりさ共。
「ゆゆっ!ご、ごはんのじかんだよ?」
「向こうのゆっくり共のことだ。お前らに関係ない」
「おねがいします!ごはん!ごはんくださいぃぃぃ!!」
要求してきた子まりさの顔面を爪先で蹴る。
「びぃゆううう!!」
「さっき言ったはずだ。
お前らは俺に負け、奴隷になった。
もう飯はやらない。ましてあまあまは一生食べられない」
「ぞんな………ぞんな………」
「ゆっぐり、でぎだい………」
「何度でも言う。お前らはもう一生ゆっくりできない」
絶望と悲しみに大口を開けて震えるまりさ共。
子まりさが一匹失禁した。
「ちちちちあわちぇー♪」
「む~ちゃ!む~ちゃ!ゆっきゅりできりゅよぉぉぉ!」
ゆっくりプレイスの赤ゆっくりの歌が響く中、
まりさ共は絶望の淵にいた。
しかし、まだまだこいつらには余裕がある。
今後しっかりと、さらなる絶望を堪能してもらわなければならない。
とりあえず、少しずつ段階を踏んでいく。
この部屋にまりさ共と共に寝泊まりしながら、
最初のうちは手を下さず、餌を与えずに放置した。
ゆっくりという生物(と呼ぶべきなのかどうか)は、
非常に脆い反面、おそろしく頑丈な面もある。
どれだけ傷をつけられようと、
体内の中心部にある中枢餡が破壊されるか、
もしくは中の餡子があらかた漏れ出さないかぎり死なない。
餓死や病死という死因もあるが、
適当に室内で世話していれば、よほどのことがないかぎり病気にはならない。
餌は、一月ほど与えなくても大丈夫らしいが、
食欲はおそろしく旺盛なので、
一日抜いただけでも天地がひっくり返ったように暴れる。
まずは食からだ。
三日目にして、すでにまりさ達はこの世の終わりのような表情で、
だらしなく床に寝そべっていた。
初め、三匹の子まりさは親まりさを罵っていた。
「おまえのせいだ!!おまえがまけたせいでゆっくりできないんだ!!」
「さんざんいばってたくせにぜんぜんよわかったんだぜ!!
くそまりさのうそつき!!ぺてん!!さぎ!!」
「やかましいんだぜええ!!
おまえらだってまけたんだぜ!!ごみくず!!」
傷があらかた回復した親まりさは、子まりさに叫び散らしていた。
もはや威厳も何もないが、力だけはあり、
子まりさ共に襲いかかられても勝てる。
もはや暴力だけで、親まりさは子まりさ共を恫喝していた。
何度となく掴み合いの喧嘩、というか殺し合いを始めたが、
その度に俺が蹴りをくれたので、ほどなく罵り合うだけに留まった。
そして今、疲れきって体力もなく、
四匹とも力なく床に横たわるだけである。
一日中、獣じみた呻きを発するか、ぶつぶつと文句を言うばかりで、
暴れたり罵ったりする気力はないようだ。
最初の頃は俺に食事を懇願していたが、
その都度顔中が腫れあがるほど殴られたため、
いまではびくびくして俺に近づかないようにしている。
それでも、一日に五度の隣の食事が始まると、
全員でマジックミラーにへばりついた。
幸福にのたうちながら舌鼓をうつゆっくり共の姿を、
涙と涎を垂れ流しながら恨めしそうに眺めていた。
このゲスまりさ共は、かつて俺の部屋でずっと主として君臨していた。
他のゆっくり共を目下に従え、ふんぞり返って威張っていた。
そのプライドが、これまでまりさ共の口を閉じていたが、
ついに親まりさの心が折れた。
「おねがいです!まりさたちにもわけてください!!」
プライドをかなぐり捨て、向こうのゆっくり共に物乞いを始めたのだった。
それを皮切りに、子まりさ共も喚き始める。
「おねがいしますうう!!」
「おなかがすいてしにそうなんですううう!!」
「すこしだけでいいですから!!あまあまくださいいいい!!」
隣のゆっくり共がこちらを振り向いた。
その後、ゆっくり同士でひそひそと何事か囁いていたが、
やがてこちらを向いて言った。
「ひとごろしまりさにあげるあまあまはないよ!!」
「ゆっくりくるしんでね!!」
「そんなあああああ!!おねがいしますうううう!!」
「ば~きゃ!ば~きゃ!」
「よだれでべちょべちょ!みっともないね!!」
「おちびちゃんたちはあんなふうにならないよね!!」
「うん!あんなばかにはぜったいならないよ!!」
その時は、食事が残らず食べ尽くされるのをじっと見守るしかなかった。
その日、次の食事がやってきた時も、まりさ共は懇願した。
懇願するまりさ共を、始めのうちは罵っていた隣のゆっくり共だったが、
やがて、それまで部屋の中心で食べていた食事を、
まりさ共の鼻先にまで押しやってきた。
「あああああありがどうございまずううううう!!!」
「あまあま!!あまあまありがどうございまずううううう!!!」
分けてもらえると思い、嬉し涙を流して叫ぶまりさ共。
しかしそこまでだった。
まりさ共の目の前に積み上げられた食事を、ゆっくり共が食べ始めた。
マジックミラーに遮られて手を出すこともできず、
すぐ目の前で、まりさ共は食事を見せつけられることになった。
「む~ちゃ♪む~ちゃ♪しあわせぇ~♪」
「このくっきーあまあまだよぅ~♪ゆっくりぃぃぃぃ~~」
「たべないの?とぉ~~~ってもゆっくりできるよぉ~?
む~ちゃむ~ちゃ……しししししあわせぇぇ~~~~!!」
まりさ達の方を向きながら、ことさら美味そうに食べてみせるゆっくり共。
涙を流し、まりさ共はぎりぎりと歯噛みしていた。
ゆっくりという生物は、弱い者を苛めるのが大好きである。
どんなに性格がよさそうに見えるゆっくりでも、
自分より弱い者や無抵抗の者を見ると、たちまち嗜虐心を燃え上がらせる。
その陰湿さは、俺自身が体験してきてよく知っている。
「ゆぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎいいいいいいい!!!」
怒りと悔しさと空腹に歯ぎしりするまりさ共。
「ゆぎぎぎぎ~~~♪」
「おなきゃすいちゃ~♪あみゃあみゃくだしゃ~い♪」
マジックミラーごしに、赤ゆっくり共がまりさ共の顔真似をしてみせ、
大人ゆっくり共がそれを見て笑う。
親たちが喜ぶのを見て、赤ゆっくり共はあの手この手でまりさ共をからかう。
地獄だった。
その地獄が、食事のたびに繰り広げられた。




