7
「う~ん、そろそろいい時間帯だな。今日はこれで切り上げるとしよう」
「「「「ラジャ」」」」
「お、いい返事だな。もう慣れてきたか」
「はい!みなさん優しくてとても居心地がいいです!」
火柱さんとエジソソさんはおもしろい、同じ男性として共感が持てる(性的な意味で)
闇咲さんは冷たいけど、まだ初日だしな。
「ふむ、それはいいことだな。明日からはちょっとやってもらうことがあるからよく体を休めておくように」
え、なに?死亡フラグ?
「ここが俺たちの部屋だ。よろしくな只野!」
その部屋は地獄だった。異臭を放つティッシュが散乱しており、俺は悟った。
「てめー、今俺たちのことを軽蔑しただろ」
「いや、してませんしてません」
「まぁ落ち着きたまえ君たち、ワタシの秘蔵2次コレクションをともに鑑賞しようではないか」
「「おおおおおおぉぉぉ!!!」」
☆ 事後 ☆
「「「ふぅ…」」」
「エジソソさんもいい趣味してますね(尊敬)」
「ワタシは二次にしか興味がないからな」
「おい、只野。お前闇咲に惚れただろ、どうだおら」
火柱さんが肘でつついてくる。
「え、やっぱわかっちゃいます」
やばい、ニヤニヤが止まらん。
「わかるわかる、ただし社長は譲らねぇぞ」
「火柱さんは木下社長狙いですか…」
「「……」」
ガッ、腕を組み合い同盟完了。
「三次には興味ないから寝るわ」
ワイワイと楽しんだ俺だったが、俺はまだ何も知らなかった。
この『何でも屋』という組織が何をやっているのか…
☆ ☆ ☆
「おい起きろ只野、社長がお呼びだ」
「ん…火柱さん?」
「起きろおおおおおぉ!!」
「は、はいすみませんでしたあああぁ!!」
☆ ☆ ☆
「来たか、渡していきたいものがあってな」
「渡しておきたいもの?」
スッと封筒を差し出されたので中身を覗いてみると、1万円札が入っていた。
「これは?」
「いつ死ぬかわからんからな、毎日この時間に日給を渡すことにする。電子マネーでもいいが昨日お前が300万も札で持ってきたからな」
「24万も入ってるんですが間違いでは?」
「初日給のボーナスだ、受け取れ」
「あ、ありがとうございます!」
「気にするな、言っただろう、いつ死ぬかわからないからな」
「あの…それってつまりどういうことでしょうか?」
社長たち4人がアイコンタクトをとると、付いてこい、と一言言った。
よくよく考えてみるとこの建物は結構な広さがあるようだ。
目的の場所にはすぐについた。
「入るぞ」
部屋に入った瞬間、俺は驚愕した。
「うすうす気が付いていたかもしれないが、私たちは社会のゴミ掃除をしている。ここにある武器を使ってね」
部屋にはぎっしりと銃やダイナマイトなど一目で危険とわかるようなものが並んでいた。
「ハ、ハハ、まさか本物なわけないですよね」
いや、本当はわかっていた。これは本物だと。ただほんの少しの可能性にかけたかった、違ってほしいと。
「残念ながらすべて本物だよ、これで人をぶっ殺すのが私たちの主な仕事」
「…そ、そんな、人殺しだなんて」
「バカは死ななきゃ治らねぇんだ、悪人は捕まっても反省なんてしねぇ」
オッサンがつぶやく。
「でも殺人ですよ!犯罪じゃないですか!?」
「ああ、わかってるさ」
女社長は悟ったような顔で続ける。
「もちろんむやみやたらに人を殺すわけじゃない。クライアントに依頼されたとき、報酬がその対象に見合ったものかちゃんと調べる。もちろん対象が本当に悪人かどうかもだ」
「……」
「怖気づいたか?」
「はい…もし『何でも屋』をやめたいって俺が言ったらどうします?」
「「「「殺す」」」」
だめだ、俺はもう逃げられない…
「只野、お前が思っているほど殺人の依頼なんて来ないぞ」
「エジソソさん、それはどういうことですか?」
「殺人の依頼なんてまだ一回も来たことがないってことだよ」
「じゃあこの武器の山はなんなんですか!?」
「これは正当防衛に必要な最低限の装備だよ」
「…ッ!?」
「殺人なんて依頼よりももっと物騒な依頼もあるってことさ。これはその時に使うんだ」
だめだ、頭が痛い…
「ということで自分の命は自分で守れるようにならなければならない。只野は体力には自信があるといっていたな。これから毎日実戦で使えるようになるまで特訓するぞ。早速準備するから朝食など摂っておくように」
そういうと女社長は向こうへ行ってしまった。
だめだ、やっていける気がしない。
そう思っていると女社長がひょこっと戻ってきて
「そうそう、特訓の指導者は闇咲だから」
やばい、ニヤニヤとまらない。