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何でも屋?  作者: ufoltu
3/8

3

 扉を開けると人が四人居た。男女二人ずつだ。


 社長席らしいところに座っているのはたぶん女性である。というのも胸がなかったからだ。健全な男子であるがゆえにこれはしょうがない。


 コンピューターの前に座っているのは不健康そうな男性と中年のオッサン。


 そして、刀を持った俺とそこまで歳の差がなさそうな女の子がいた。


 ん、刀!?俺は一瞬驚いたが本物なわけがないと一人で納得した。


「すみません、ここが『何でも屋』で間違いないでしょうか?」


「ああ、ここが『何でも屋』で間違いないよ」


そう社長らしい女性がぶっきらぼうに答えた。


(なんて愛想がない人だ…仮にも俺は客だぞっ…!!)


俺は心の中で毒づいたが、言葉を続けた。


「『何でも屋』ということはどんな依頼でも引き受けてくださるんですよね?」


「確かに、うちは『何でも屋』だがどんな依頼でも引き受けるわけがないよ。依頼内容、それに見合っ た報酬を客が用意できるかによる」


「あとはその依頼が面白いかどうかだな」中年のオッサンが付け加える。


 俺はその言葉を聞き、さらに言葉を続けた。








「じゃあ……俺をここで働かせてくれませんか!!?」








 しばしの静寂。息が詰まる。


 次の瞬間、どっと笑いが起きた。


「依頼内容が、ここ(・・)で働かせてくれだってよ!初めてだぜこんな奴!!」


 見ると周りの全員が笑っている。刀らしき物を持っている女の子もだ。


 …かわいい。俺はどうやら惚れてしまったのかもしれない。


 アーオホン、とわざとらしい咳が聞こえた。


「いきなり笑ってしまってすまなかったな、なにせ予想の斜め上過ぎてな」


 クックック、とまた思い出したのであろう笑い始める。そして急に真顔になり、


「その依頼、確かに面白いがうちはただの何でも屋じゃないんだ。命に保証ができない」


 ゴクリ。俺はそれが嘘じゃないのでは?と不安に感じてしまった。


 だがよく考えてみる。歳が変わらないような女の子もいるんだぞ、嘘に決まっている。


「体力には自信があります!最近はちょっとノイローゼでしたが…やる気はあるんです、どうかお願い します!」


「……よし、いいだろう。この依頼引き受けよう。依頼料は前金で300万だ。明日のこの時間までに用 意できないようならこの依頼は悪いがキャンセルさせてもらう、いいね?」


 …300万だって!?俺は耳を疑った。





 そんな金、あるはずなかった。

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