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何でも屋?  作者: ufoltu
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 誰かの視線を感じる…そんな時がある。

 

俺の名前は只野幸一(ただのこういち)、今年20才になった健全な男子である。高校卒業後大学に進学せず、バイトでいいから働こうと決心していた。友人や先生からは「生活していけないぞ」と口を酸っぱくして言われ続けたが俺はそこまで頭も良くなく家も裕福ではなかったので大学は諦めていた。

 

 アルバイト募集のコンビニがあったので早速申し込んだところ、面接日を指定された。当日コンビニで面接を受けると店長らしき方が


「現在人手不足で困っていたところですのでこの際正社員で働いていきませんか?」


と、笑顔で聞いてきた。俺はそこまで不審に思わず


「え、いいんですか!?是非働かせてください!!」


と大喜びしてこの話を受けた。

 

 しかしこの不況のご時世、正社員というのはなりたくてもなれないものである、ましてや高卒の俺が、だ。


 視線を感じ始めたのは働き出して数日後だった。常に誰かに見られている感じがしたのである。初めは慣れない仕事で疲れているのだろうと思い込んでいたが、三か月続いたある日、俺は耐え切れなくなり辞表を提出してこのコンビニを去った。コンビニをやめる際、店長が「お願いだ、辞めるなんて言わないでくれ!」と悲鳴に似た声で俺を引き止めたが、俺も精神的に参っていたので振り切った。

 

 しばらくの間実家で療養したが、これ以上家族に迷惑をかけるのも忍びなく、新しいバイトを探した。今度こそ続けてみせると誓った俺は、以前とは違うコンビニでアルバイトを申し込んだ。面接当日、やっぱり前回の正社員をやめたのはもったいなかったかなと今更ながら後悔しながら指定場所に向かうと、


「現在人手不足で困っていたところですのでこの際正社員で働いていきませんか?」


 現在正社員が空いているはずもないくらい不況であり、それが二度も続いたのだから俺は驚愕した。さすがに今回ばかりは不審に思ったが、逆に「なんて幸運なんだ」と内心ガッツポーズを決めこの話を受けた。

 

 初日、あの視線を感じた。

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