海
わたしは海に漂っているのだろうか。
漂いながら、どこか遠くへ流されてしまうのだろうか。
一人ぽつんと存在するわたしの脇を、
いるかやくじらは優雅に通り抜けてゆく。
魚や小さなプランクトンでさえ、
わたしを置いて、先へと進んでゆく。
わたしは独り、大きな大きな海に取り残され、
このまま独りでここを生きていくのだろうか。
海は怖い。
最初は穏やかに流れていると思えば、
時に大波を起こし、荒れ狂うこともある。
それを予測することはできないし、
まして予知することも許そうとはしない。
時の流れで海は、
表情を明るくも暗くも変幻自在に変化するのだ。
だからわたしは海が、
広大な世界が広がる海が好きにはなれない。
けれども、
最近のわたしは、海を好きになりたいと思うようになり始めた。
確かに海には荒れることが何度もある。
自分が弱音を吐きたくなるくらいに、何度だってある。
でも、海は自分が思うほど嫌なことばかりではないんじゃないだろうか。
たとえ海に雷が落ちたとしても、その後平穏を取り戻し、
楽園にたどり着けるかもしれないのだ。
案外、海は悪いものじゃあない。
そう、わたしは信じてみたい。
だからわたしは行動するのだ。
海にただ漂うのではなく、
自らの意志を持って、自分の行く先へ向かうために。
海とは一体なんだろう。
私も未だ答えが出せないままです。