第8話『義妹、兄のテスト勉強すらサバイバルにする』
テスト週間――それは高校生にとって、最も静かに過ごしたい期間である。
なのに――
「お兄ちゃん、今日から“サバイバル式テスト対策”を始めるよ!」
朝から義妹――篠原咲良の声がリビングに響いた。
……予想はしてたけど、心のどこかで「まさかやらないよな?」って思ってた自分を殴りたい。
◇
「咲良、頼むから静かに勉強させてくれ」
「ダメだよ、お兄ちゃん。テスト勉強こそ、生き残りをかけた戦いなんだから!」
「普通に問題集解くだけでいいんだよ……」
「だから今日は、“知識のダンジョン”を用意しました!」
またダンジョンかよ!!!
◇
こうして、俺の部屋が
・机の上に【謎解きエリア】
・ベッド周りに【記憶の間(英単語カードが散乱)】
・窓際に【数学の塔(計算プリントを積み上げただけ)】
と、いつもどおりカオスな状況になった。
しかも、正解しないと
・スモークマシン発動
・水鉄砲攻撃(室内なのに)
・クッション弾(ただの投げつけ)
など、罰ゲームが待っている鬼仕様。
「これ、勉強どころかサバイバル訓練だろ!!」
「間違いないね!!(満面の笑み)」
◇
だが、不思議なことに。
スモークの中で問題を解く、
クッションを避けながら暗記する――
という修羅場を何度も経験していくうちに、
なぜか集中力だけは爆上がりしていった。
そして夜。
模擬問題を解いてみると……
「……おい、満点取れた」
「やったじゃん、お兄ちゃん! やっぱりサバイバルは最高の学習法なんだよ!」
「いやこれ、別にオススメできるやり方じゃねーからな」
◇
「で、明日は何するんだ?」
「“実技テストサバイバル”!」
「いや、実技テストは普通にやらせろ!!」
どうやら、次は体育とか家庭科でもサバイバルが発動するらしい。
――俺の学校生活、テスト中も休まらない。
(つづく)
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