第7話『義妹、兄の学校に潜入して“学校ダンジョン”を作る』
「今日こそは、平和な学校生活を送る……」
そう心に誓い、俺――篠原悠真は学校の正門をくぐった。
昨日までは、家と義妹だけがサバイバルエリアだった。
学校は俺にとって、最後の安全地帯――だった。
「お兄ちゃーん! おはよう!」
その幻想は、朝イチで破壊された。
◇
「……咲良、なんでお前が俺の学校にいるんだよ」
「今日は“兄の学校サバイバル作戦”の日だから!」
当然のように言うな。
俺たち、別の高校だよな? お前、登校日どうした?
「うち、今日は自宅学習日なんだ♪」
「その学習内容、完全に間違ってるからな」
◇
そして、
気がつけば俺の教室が――
・黒板に「クエスト受付所」
・廊下に「魔物出現注意」
・机と机の間に「トラップゾーン(ただのビニールテープ)」
――まるでRPGの世界に。
「咲良、何してんのほんとに……」
「お兄ちゃんの学校生活も、もっと冒険感あった方が楽しいかなって♪」
いや、俺は普通の授業受けたいんだけど。
◇
周囲の友人たちはと言えば――
「篠原、妹さんって、めっちゃ元気だな……」
「むしろ、お前がなんで普通に生活できてんのか不思議だわ」
「てかこれ、先生に怒られないか?」
完全に呆れていた。
だが――
「ふむ、面白い。久々に授業じゃなくて冒険でもしてみるか」
なぜか**担任の数学教師(独身・30代男性・ゲーマー)**が乗った。
「先生!!?」
◇
こうして、
1時間目の数学の時間は「魔法数学テスト(ただの計算問題)」
2時間目の英語は「謎解き英語クエスト」
昼休みには「昼食争奪サバイバル」
完全に義妹プロデュースの学校RPG化してしまった。
「お兄ちゃん、意外とリーダー向いてるよ!」
「向いてねぇよ! 俺は静かに生きたいんだよ!!」
◇
結局、午後の授業前に副担任が
「こんな茶番、即刻中止!!」
と全力で怒鳴り、やっと平穏が戻った。
咲良はというと――
「じゃ、次は体育祭前に“兄のクラスをダンジョン改造”しに来るね!」
と元気に帰っていった。
……俺の学校生活、もう守れる気がしない。
(つづく)
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