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『義妹、今日も家の中でサバイバルしてるんだけど』  作者: AQUARIUM【RIKUYA】
第一章:『家の中がダンジョンになった日常』
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第6話『義妹、家の中を本格RPGダンジョンにする(レベル99まで上げさせる気か?)』




 


日曜日の朝。

久しぶりに、今日は平和に過ごせると思っていた俺――篠原悠真は、

甘かった。


 


「お兄ちゃん、今日のクエストは“自宅ダンジョン踏破”だよ!」


起き抜けに叩き起こされ、そう宣言された。


「……ちょっと待て。ダンジョンて、あのRPGの?」


「うん! 家全体がRPGの世界って最高じゃない?」


「最低だよ」


なのに、義妹・咲良は満面の笑みだった。


 



 


リビングには、

【ダンジョン入口】の札。

玄関には、

【セーブポイント】の張り紙。

洗面所には、

【毒の沼地ゾーン】と書かれたバスマット。

そしてキッチンには、

【ボスエリア】――


「やりすぎだろ!!」


「いやぁ、朝から2時間かけて作り込んだからさ!」


……努力の方向性を間違えてる。


 



 


「で、俺は何すればいいんだ?」


「まずは、1階から“スライム”討伐してきて!」


「スライム?」


「ほら、そこに落ちてる風船たち!」


部屋の隅には、水色の風船が転がっていた。

――風船かよ!!


「剣(=新聞紙丸めたやつ)で、全部倒してきてね!」


「俺、高校生だぞ!? なんで休日に風船斬ってんだよ!!」


「さあ、冒険の始まりだー!!」


 



 


仕方なく風船をひとしきり叩き潰すと、

次は階段ゾーン。


「ここは“落とし穴回避地帯”だから慎重にね!」


……ただのクッション敷き詰めゾーンじゃねえか!!

しかも途中に「トラップ発動!」とか言いながら水鉄砲撃ってくるし。


「やめろ、水しぶきが冷たいんだよ!」


「これぞ臨場感!」


お前の臨場感のために俺が犠牲になってるんだけど。


 



 


そしていよいよ、最終ステージ:キッチンのボス戦。


「ここのボス、超強いよ! 準備はいい?」


「……誰がボスなんだ?」


「私だよ!」


「知ってた」


 


咲良はなぜか鍋のフタを盾に、泡立て器を剣にして構えていた。


「いざ、勝負!!」


「やれやれ……」


結局、兄妹で10分ほど鍋フタバトルを繰り広げ、

母さんに「うるさい! キッチンで暴れない!!」と怒られて終了。


 



 


その日の夜。

ようやく布団に倒れ込んだ俺は、天井を見上げて思った。


「俺、レベル上がった気がする……」


現実世界のレベルアップに、なんの意味があるんだろうな……。


 


――だが、明日も義妹ダンジョンは続く気がしてならない。


 


(つづく)



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