地球高官を懐柔せよ。
次の日、ポメラニアン王子が待ちに待った夕食である。愛子のママがラザニアを作ってくれた。
「愛ちゃん、ポメちゃんご飯よー」
「わー今日の夕食はラザニアねぇ。ポメちゃんラザニア好き?」
「ラザニアとはなんであろうか。」
「ポメちゃんラザニア初めてなの?」
「これがラザニア、いい匂いであるなぁ。いいただきます。うまい!これは食べたことない。クリーミーでトマトソースとチーズがとろけて最高であるな。」
「ポメちゃんラザニア好きみたい」
「気に入って頂いて、よかったーわぁ。ところでポメちゃんは遠い星の王子様なのよね。やっぱりお金持ちなの?」
「地球高官のママ殿、我は大大金持ちであるぞ。そうか、ここに住ませてもらう謝礼が欲しいのであるな」
「王子様が気に入って頂いたラザニアを作るには、相当なお金がかかるのでございますよ」
「ポメラニアン王子はラザニアが気に入ったである。ポメラニアン・ ラザニアン・ トレビィアンじゃ」
「王子様、お金といっても、地球で使えるお金じゃないですよね」
「我が星 ワンダフル星の通貨の単位はワオーンである」
「やっぱり、そうか・・・高価な鉱石みたいなものはありますか?」
愛子ママはスマフォでダイヤモンドの写真をポメラニアンに見せた。
「これはBーRORDじゃな。我が星でも大変高価で貴重な鉱石であるぞ」
「王子様、このBーRORDを、1年間、我が家に住む家賃として頂けないでしょうか?」
「おぬしも悪よのぉー我が星で豪邸が買えるほど価値のある。大きなBーRORDが欲しいのであるな。よかろう地球高官ママ殿、ラザニアを毎週、我に提供する約束で手をうとう」
「さすが王子様、毎週ラザニアをご提供させていただきます!!!」
愛子ママの目が◇◇(ダイヤモンドGET)
余談ではあるが後に、ポメラニアン王子から、巨大なB-RORDが愛子ママに進呈された。愛子ママは質屋に巨大なB-RORDを持って行った。
質屋の買取担当者と愛子ママはテーブル越しに向かい合っている。
「当店に買取査定をご依頼頂き誠にありがとうございます。」
「それで価値はどれくらいですか。」
「誠に申し訳ございませんが、こちらの品物は当店では買取ができかねます。」
「それっ!テレビで見たことがあるわ。あまりに高価すぎて凄い金持ちのオークションとかに出品しないと価値がわからないやつよね。あーやっぱり、すごい価値なのね。」
「いいえ、お客様こちらの品物は価値的にいうと5000円ほどでネットで買えるインテリア商品のガラス玉でございます。あまりに購入される方が限定的な為、当店で買取が不可ということになります。」
「ガラス玉・・・嘘でしょ。これは悪い夢よ。嘘よ嘘だわー」
「お客様取り乱さないでください。こちらの品物は間違いく、占い屋さんとかで使うガラス玉でございます。他店の質屋に行っても同じ結果でございます。」
その後、愛子ママは他の質屋にもB-ROADを鑑定してもらったがダイヤモンドではなく、ガラス玉だった。B-ROAD=ガラス玉だったことに大変なショックを受けたが本編の話とは何の関係もない。
=========================
数時間後に愛子のパパが仕事から帰ってきた。
「ただいまー」
「あっパパお帰りー」
「あなた、お帰りなさい」
「ワン、ワン、ワン、クゥーン」
「今日はポメちゃんにドックフードと首輪を買ってきたぞ。明日から早朝にパパとお外で散歩だな」
「あなた、ポメちゃんは王族の犬だからドックフードは食べないわラザニアを食べるのよ」
「ラザニアってお前、ポメちゃんは犬なんだからドックフード食べるにきまってるだろ。さぁ首をつけようなポメちゃん」
「ワーーンワン」(我は奴隷じゃないんだから首輪は嫌じゃー)
ポメラニアン王子は走って部屋を駆け回ったが愛子パパに追いつかれて首に首輪をされた。
もちろんポメラニアン王子は、ドックフードを食べることはなかった。
ポメラニアン王子はラザニアが大好き。
我は108銀河星から、遥々やって来た犬族のポメラニアン王子である。これより地球を侵略する。
つづく