第73話 ガールズ・トーキング・デッド
「店番もゾンビが来ないと暇ですねー」
「病院でも店番って言うの?」
「え、言わないんですか!?じゃあなんて言うの?院番?」
「そう言われると、なんて言うのか分かんないね」
「えー、メアリさん、大学生でも分かんないんですか?」
「う・・・悪かったわね・・・・。ニニカちゃんこそ受験勉強してないの?受験終わった大学生よりも、受験勉強してる高校生の方が頭いいのよ」
「私まだ高2ですよ?」
「もう秋だよ?高2でも塾行ったりしなくていいの?」
「そういう子もいるけど、ゾンビで忙しくて塾通いなんてしてる暇ないですって。塾行ってたらこの診療所のバイトも出来ないし」
「まあそりゃそうか」
「それにしてもゾンビ来ないですね」
「まあ、今来られても困るけど。もうすぐ出かけるのに」
「そうですけど、暇じゃないですか。ゾンビ映画でも見ます?」
「・・・何があるの?」
「ヴェルサイユのゾンビ」
「見たいような見たくないような・・・」
「・・・あのー、もうちょっと静かにしてくれないですか?集中できないんですけど」
「あ!アピリス先生もヴェルサイユのゾンビ見ます!?なかなかの怪作ですよ!」
「見ません。勉強してたのに、2人の話で集中できないんですけど」
「そんなにうるさかった?ごめんなさい。西通りのプリン食べます?」
「あ、いただきます。メアリさんいつも美味しいもの持って来てくれてありがとう」
「いやー、ルイが生きてるって分かったから心に余裕が出てきたんですかね。せっかく田舎から福岡に進学したんだから、美味しいもの色々食べたくなっちゃって!ニニカちゃんにも色々教えてもらってるんですよ」
「今度ラーメンの食べ歩きに行くんですよ。ゾンビの胃袋なら何杯まで食べられるかの実験も兼ねて!アピリス先生も行きません!?」
「そ、そうですか・・・。最初の1、2杯なら一緒に行きたいですね」
「いいですねー。じゃあ今度行きましょう!」
「仕事や勉強の息抜きにもなりますしね」
「そう言えば何の勉強してたんですか?株で儲ける勉強?」
「いや、今は医者の勉強。医師免許取れって財前マシロがうるさいし」
「ああ、あの天才外科医」
「何か知らないけど、課題を解けとかこの論文読めとか、色々言ってくるんですよね」
「将来有望な医者として期待されてるんじゃないですか?先輩風吹かしてると言うか」
「それか、アピリス先生美人だから純粋に気に入られたとか」
「やめてくださいよ。あんな偉そうな自信家。医者としては尊敬してますけど、性格はちょっと・・・」
「でも財前先生はモテるって、ヒナコちゃんが言ってましたよ」
「そうですよ、アピリス先生。財前先生は見た目がいいし、偉そうな事をのぞけば概ね常識人だし、優良物件じゃ?」
「そんなに言うならメアリさんがアプローチしたら?」
「いやいや、あんな頭のいい人、木っ端大学生なんかに興味ないでしょ」
「そうかなぁ。そう言えばメアリさんは付き合ってる人とかいないんですか?」
「残念ながら。大学に入ってそういう人見つかるかなと思ったけど、ゾンビになっちゃってそれどころじゃないし。ニニカちゃんは?」
「わたしもいないですねー。趣味の会う人が中々見つからなくて」
「ニニカさんの趣味に合う人を探すのは難しそうですね・・・」
「この前の野球ゾンビの鷹さんとジョージさんみたいに、趣味が合うと楽しそうなんですけどね」
「あ、野球と言えば!アピリス先生に相談したいことがあったんだった!これ、どうしたらいいですかね?」
「なに、この丸いの・・・」
「きゃあ!?これって!?」
「人間の目玉・・・!?ニニカさん、これどうしたんですか!?」
「これ私の目玉なんですけど」
「ええ!?今ニニカさん目玉2つともついてるじゃないですか」
「この前の野球対決の時に分身魔球にするために投げた目玉です。あの後、探して拾ってきたんですけど」
「あの時のか・・・」
「もう新しい目玉生やしてるから前のはいらないんですけど、どうやって捨てたらいいですかね。生ごみ?」
「目玉を生ごみに!?」
「ごみ回収の人が万が一見つけたら大騒ぎになりそう」
「でしょ?こういうのの捨て方、お医者さんなら知ってるかなって」
「ええと・・・確か日本だと、専用の回収業者があったはず」
「じゃあ財前先生にお願いしますかー」
「財前先生も腰抜かしそう」
「でもニニカさんの目玉って、新しいの生やしても前のも残ってるんですね。そう言えばダンテ・クリストフもニニカさんの目玉持ち歩いてましたね」
「ねー。ちゃんと捨てておいて欲しい」
「そういう問題・・・・?」
「あ、そろそろ時間じゃないですか。ジョージさんが帰ってきたら、店番変わってもらって出発でしょ」
「本当だ、そろそろですね。ヒナコちゃんの退院祝いのプレゼント、どこにありましたっけ」
「わたしが持ってますー。ヒナコちゃん、元気に退院できるようになってよかったですね」
「ねー。私たちのせいで大怪我おっちゃって心配してましたけど、怪我も病気もちゃんと治ってよかったです」
「ジョージさんが行けないのは残念でしたね」
「まあ、ジョージはヒナコちゃんとそんなに交流してないし。店番も残しといたほうがいいですからね」
「あ、そういえば、アピリス先生」
「なんですか?」
「病院でも『店番』って言うんですか?なんて言うのか分からないねって、2人で話してたんです」
「・・・・?確かに・・・・?なんて言うんですかね・・・・?」




