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Happy life!!  作者: 夏月
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第4話

 

昼食を食べ終えた明は、自分の部屋で本を読んでいた。美咲は葵の部屋へ、二人で引っ込んでしまったからだ。


一時間ちょっと読書していた後、本を読み終わったので本を横に置いて、ごろりとベッドに寝転んだ。


…明日の学校の準備でもするか…


そんなことを思い、自分の鞄に手を伸ばした時、部屋のドアがノックされた。

 「兄ちゃん〜ちょっといい〜?」


「守かー?入って来いよー。」


ドアが開く音がした後、守が入って来る。手には本とペンが握られていた。


「あのさ…さっき言った英語の問題なんだけど……今聞いていい…かな?」


わ、忘れてた…。


「お、おう。いいよ。」


そう言って守の手元を見ると、本だと思っていた物は問題集だった。


「……どうせだったら、守の部屋でやろうぜ?勉強してる途中だったんだろ?」


「あ、うん!ありがと!」


そう言いながら、満面の笑顔を向けてくる守。


……かわいい…!


…いやいや、自分の弟を変な目で見てる訳じゃないですよ?…ただ、こう、子犬がすりよってくる様な、何とも言えない愛くるしさがあるんですよ…。


そんなふうに考えながら、ぼうっと守の顔を眺めている明。

確かに守は可愛いが、それは仕草などだけではなく、顔立ちが整っているからでもある。女装すれば、普通に女性と思ってしまうくらいなのだ。

その分、体つきは華奢で、筋肉もほとんどついてない。身長も約150cmと小柄で、部活もチェス部に入っている。

だが、男っぽさとか荒々しさがないのに、守はよくモテる。本当にモテる。中学に入ってから一年間で5人には告白されたらしい。

趣味のチェスも強く県大会に進むほどであり、それも女子にとっては長所らしい。女子に言わせれば、普段の守の優しい顔と、チェスしてる守の真剣な顔のギャップがいい、とかなんとか。まったくもって、羨ましい限りである。 


「兄ちゃん〜?どしたの?僕の部屋に行くんでしょ?」


座ったまま動こうとしない明を、不思議そうに見ている。


「…あ、そうだな。ごめん、ちょっと考え事してた。」


そう言うと、明と守は、守の部屋に移動していった。 




「ここが――なるから、こっちが―――なって、で、答えは――になるってこと。」


「……あ、そうか。なるほど。」


守の部屋に移動してから小一時間、明は守の勉強を見ていた。だが、さすがに小一時間ずっと教えていた訳じゃない。明は守の部屋で雑誌読んだり守のノート見たりして、のんびり過ごしていて、守は勉強してて分からない所があれば明を呼ぶ、っていう形で勉強していた。


ふと思いついた様に、明は言った。


「なあ守?それって学校の宿題?春休みは今日で終わりだろ?」


「ん?いや塾の宿題だよ。それに学年とクラスが変わるから、春休みは宿題がないんだ。」


ああそれもそうか、と納得して、手に持っていた雑誌に目を向けた時、廊下で明を呼ぶ声がした。


「明〜?どこにいんの〜?」 

葵の声だった。

明は、守の部屋から顔を出しながら答えた。


「姉ちゃん何?そんなでけー声出さなくても聞こえるつーの。」


「何だ守の部屋か。……なんか、もう美咲ちゃんが帰るらしいから、あんた送ってってやんな。」


「……まだ3時じゃん。別に外暗くないんだから、わざわざ送る必要ないだろ。しかも家もそんな遠くないし。」


「いいから送ってきなさい!!レディに対する礼儀でしょ!?」 



うぇーー。めんどくさー。

どーにかして、逃げれないかなー。



「い、いや、でも、俺今、守の勉強見てるしさ、手が離せそうにないなーって……。」


「兄ちゃ〜ん?僕、ちょうど今、宿題終わったから、もう大丈夫だよ〜?」



ぬぅ、守め。タイミングいいんだか悪いんだか。



「お、俺も宿題やらなきゃいけないから……。」


「入学式に宿題出る訳ないでしょ!」


くそう、結構手強いな。


と、そこへ、母さんが2階に上がって来た。


「あら。廊下で何してるの?」


「ねぇ母さん。明が美咲ちゃんを送らないって言ってるんだけど〜?」


姉ちゃんが勝ち誇った顔で、こっちを見ていた。……ダメだ。母さんを使われたら、勝ち目がない…。



葵の言葉を聞いた母さんは、微笑みながら明に言ってきた。 


「…明?送ってきなさい?」 


「ハイっ!」 


潔い返事を残して、明は自分の部屋へと退散した。






5分後、外に出る準備ができた明は、1階のリビングに降りていった。そこにはすでに帰る支度をした美咲がいた。


「おまたせ美咲。」


「じゃあ行こっか。」


そうして二人は家を出て、美咲の家へ向かう。


向かう途中、明はふと、美咲に問いかけた。 


「……なぁ美咲…。今日は帰るの早くないか?もっと葵と話さなくていいのか?」


そう、いつも美咲が葵に会いに来る時は少なくとも2時間は話していて、多い時は4〜5時間話していることもある。弟が二人いる葵にとって、妹みたいな美咲は貴重な存在なのだ。


「……うん。……葵さんももう受験生だしさ、あんまり付きまとうのも、邪魔だろうし……。」


そう言って、美咲は寂しそうに微笑んだ。



「……そうか?葵のやつ、お前が来るのいつも楽しみにしてるぞ?」


「……ありがと。」


やはり、美咲の顔は寂しげだった───。






いつの間にか、二人は美咲の家に着いていた。


「送ってくれてありがと!!」


いつもの笑顔で美咲が言う。まぁ、葵に少し会えないからってへこたれる美咲ではないだろう。


「ん。いいって。気にすんな。どーせいつもの事だし。」


「えへへっ!ドンマイっ、アッシー君っ!」


今どきアッシー君って……。しかも、車じゃないんだから、少し違くね?


内心でそんなことを思いつつ、スルーしながら明は口を開く。


「あ!あの勝負、忘れるなよ?」 


「??あの勝負って?」


「ほら、昼飯を賭けた試験の話。………まぁ結果は見えてるけど。」


「う、うるさいっ!ぜ〜ったいっ、勝ってやるんだから!!」


けらけら笑いながら、明は言った。


「まぁ頑張ってねー。じゃあまた明日。」


「もー……。じゃあね。ばいば〜い!!」



そう言って、二人は別れた。

 

少し書き方変えました。


それより、まだまだ登場人物少ない…ってことで、次話から学校の話になります。


応援よろしくお願いします。

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