第2話
校門を出た二人は、他愛もない話をしながら駅までゆっくりと歩いて行った。
「あっ、そういえば、今日明の家に行ってもいい?」
思い出した様に、美咲が言ってきた。
「別にいいけど……何で?」
「だって忙しくなる前に、また葵さんに会っておきたいしー、入学式の日にそのまま帰るのも寂しいじゃん?」
ちなみに、葵というのは明の姉で、明の二歳年上で今高校三年生だ。なぜか美咲は異様なほどに葵になついており、葵目当てでよく家に来るのだ。
「そうか〜?にしても、突然過ぎだろ。連絡くらい寄越せっつーの。」
「いいじゃんいいじゃん。それに明なら許してくれるって、思ってたし。」
そんなことを笑顔で言われたら、怒る気にもなれないじゃーん…
「しょうがねぇ〜な〜」
「さっすが〜!!明は話が分かる〜!」
「ったく、調子がいい奴だな〜。」
苦笑いしながら、許してしまう明だった。
「ただいま〜」
「おじゃましまーす。」
二人は入学式の格好のまま、明の家にやって来た。
「おかえりー。あら、美咲ちゃんいらっしゃい。」
「あ、こんにちは由起子さん!!遊びに来ました。」
「ゆっくりしていってね。あ、でも葵なら今日は午後にならないと帰って来ないって言ってたわ…。」
「あ…そうなんですか…。」
「じゃあお昼でも食べながら待つことにしたら?」
「はい!!そうします!わざわざありがとうございます!」
「いいのよ気にしないで。美咲ちゃんならいつでも歓迎だわ。……じゃあお昼まで多少時間があるから、明の部屋で時間を潰してて。」
美咲と母さんの会話を聞きながら、明は蚊帳の外にいる思いだった。……まぁ、美咲が来る時は、しばしばこのように取り残されるので、今じゃほとんど馴れたが。
明と美咲は明の部屋がある2階に上がった。2階には明の部屋だけでなく、守や葵、さらに両親の部屋がある。言わば2階には個人のプライベートな空間が存在するのだ。
二人が二階の廊下に着くと、守がちょうど部屋から出てきたところだった。
「お帰り〜兄ちゃん。あれ?美咲姉ちゃんも一緒?」
「そうよ〜。明がどうしても一緒にいたいって言うからさ〜。」
ポカッッ!!
「いったーい!!何も叩くことないじゃん!!」
「お前がしょーもない嘘をつくからだろっ。」
「二人とも、相変わらず仲いいね〜。」
「ったく。家に来させなきゃよかった。」
と、明は再びため息をついた。
「あ、そーいえば兄ちゃん。あとで時間ある?わかんない英語の問題、あるんだけど……」
「ん?別にいーよ。」
「ありがとー。んじゃまた後でね〜。」
と言い残して、守は自分の部屋へ戻って言った。
「明に教えられるの〜?明って別に頭良くなかったよね〜?」
「うっさいわ。ともかく、そんなこと美咲に言われたくないわ。」
「なによー。別に私の方が明より頭いいはず……。」
「ほー。じゃあ中3の最後のテストの点数と順位を言ってみ?」
「うっ……。…143点で、172番…」
ちなみに、そのテストは学校で行われたもので、英数国の3教科だ。ゆえに、300点満点で、受けた人数はだいたい200人である。
これを聞いた明は……驚いていた。
「な、なによ!?」
「……美咲ってバカなんだな…。俺一応100位以内なんだが…。」
ニヤニヤしながら、明は言った。
「う、うるさーい!じゃあ、次のテストで勝負しなさい!」
………いや、結果見えてるだろ…
「別にいいけど、何を賭ける?」
美咲は少しの間思案すると、いいことを思いついたかのように顔を輝かせながら、言ってきた。
「負けたほうが、勝ったほうに食堂のご飯を奢るってどう??」
「その勝負、乗った!」
これで昼食代が一回分減った!早くテスト来ね〜かな〜、などと考えている明であった。
ちょっと変なところで区切ってしまいました。
なるべく早く更新したいと思います。




