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Happy life!!  作者: 夏月
10/18

第10話

 

放課後。


明は帰り支度をしていると、美咲が近寄ってきた。

 

「今日は、私、テニス部の見学していくから、先帰ってて~」

 

「あぁ」

 

「なんか言い方が淡白だね~。他に言うことないの??“待っててあげるよ”とかさ~」

 

美咲が睨んできた。返事が不満なようだ。

 

「別に中学の時一緒に帰ってたわけじゃないだろ~??それに、帰れって言ったの美咲じゃん」

 

「そうだけどさぁー……。もっと……こう、紳士的に」

 

「んなもん知るか。ほらほら、さっさと見学行った行った」

 

そう言って、手で追い払う仕草をすると、美咲は頬を膨らませた。

 「いいよーだ!!今度明のお母さんに言っちゃうもん!!」 

「それは卑怯だろ!!」

 

「何て言おっかな~♪」

 

「う………」

 

美咲はにやにやしている。勝ち目はなさそうだ。

 

「ほら、なんか言うことあるじゃないの、明君?」

 

「………テニス部の見学にいってらっしゃいませ。ここでお待ちしましょうか、美咲様?」

 

悔しそうに明が言うと、美咲の顔が勝利で笑顔になった。

 

「よろしいっ!!先に帰ってよし!!」

 

そう言って、美咲は荷物を持って、教室を後にした。


 

 

「はぁーー」

 

「明と松井さんって仲良いねー」

 

真平が話しかけてきた。前の席だから、一部始終聞いていたのだ。ただ、真平だけでなく、多くのクラスメートも二人のやり取りを見ていた。みんなまだ知り合いが少なく、教室は比較的静かなので、いやでも目についたのだろう。

 

「カップルみたいだよね」

 

由美も今の会話を聞いていて、真平と似たようなことを言った。

 

「ただの幼馴染みなんだけどなぁ、あいつは」

 

こう言ってみたものの、明は内心ではショックを受けていた。自分の好きな人に平然とそう言われたのだ。由美に間接的に、好意はない、と言われたようなものだ。

 

客観的に見れば、由美とはまだ知り合ったばかりだから当たり前ではあった。


 

気を取り直して、明は言った。

 

「真平ってどこ住んでるの?」

 

「俺?俺は大沢(おおさわ)駅からバスに乗るんだ。ドアトゥドアで約30分くらいかな」

 

大沢(おおさわ)っていうのは、ここら辺で一番発展しているところであり、学校から4駅で着く。ただし、明や美咲の最寄り駅である久住公園(くずみこうえん)や、由美の最寄り駅である東久住(ひがしくずみ)とは、逆方向にあたる。


ちなみに、学校の最寄り駅は、風華(ふうか)駅であり、学校の名前の“風華学園(ふうかがくえん)”と一致している。

 

「え~、お前、大沢なんかに住んでるの!?いいな~」

 

「別にいいことなんかねぇって」

 

「そんなことないだろ~。・・・まぁいいや。俺は逆方向だけど、駅までは一緒だし。帰ろうぜ」

 

「おぅ」

 

明は真平と帰ろうとしたが、横に立っていた由美に気付いた。

明は迷った。昨日、一緒に帰ったのだから、今日も一緒に帰っても不思議ではない。むしろ、ここで由美を無視して帰る方が不自然だ。

だが、由美に話しかけるのは緊張するし、そもそも男二人と帰るのなんて、嫌がるのではないか。明はそう思っていた。

 

迷うこと約5秒。

真平に“どうした?”と声をかけられ、つい流れで口に出していた。

 

「白井さん、一緒に帰らない?」

 

由美は一瞬驚くような表情を見せたが、すぐに、うんっ!、と笑顔で答えた。

 

明はほっと胸を撫で下ろした。

 

 

 


寒いっ。


寒いっ。


外に出ると、必ず歯がガチガチなります。


春来ないかなぁ

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