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スレンダーマン

 前回から引き続き、海外のオカルトについて紹介しよう。

 今回紹介するのは「スレンダーマン」だ。


 日本だと、スレンダーマンから逃げつつ、八枚の紙を探し出すというゲームによって、スレンダーマンを知ったという人が多いかと思う。

 その後、某有名ゲームでスレンダーマンを意識したようなキャラが登場したので、そこで知ったという人も多いかもしれない。


 スレンダーマンは、海外の画像投稿掲示板のようなところで生み出されたもので、言い換えれば創作された存在だ。

 子供達が遊んでいる写真に、細身で異様に背が高く、黒い背広を着た男の画像を加えて、それを掲示板に投稿したのが発端だそうだ。

 その後、子供達が誘拐されるのを見たといった架空の証言を追加して、この存在に「スレンダーマン」という名前を付けると、他の投稿者もそれに乗って、スレンダーマンにまつわる噂を追加していった。

 そうして、誰か(子供が多いらしい)をストーカーのように追いかけ回す恐怖の存在であり、さらに見続けてはいけないといった設定も加えられ、スレンダーマンという怪異が創作されたわけだ。


 先述したとおり、スレンダーマンをモチーフにしたゲームにおいて、スレンダーマンは時にワープしながら執拗に追いかけてくる存在として描かれ、それによって創作された存在であるにも関わらず、どんな動きをするのかといったところまで多くの人に周知されることになった。

 そうして周知されると、以前紹介した「嘘が作り出した怪異」と同様のことが起こり始めた。

 それは、スレンダーマンを実際に見たといった真偽不明の投稿がいくつか出てきたのをきっかけに、ドンドンと目撃情報が増えていくというものだ。


 スレンダーマンは前回紹介したブラッディ・マリーよりも、より実体のある妖怪といった印象があり、日本だとあまり出てこない呼び方だけど、怪物やモンスターの一種とされている。

 単に不気味なだけでなく、特徴的な体格を持ち、ワープといった超能力のようなものも駆使する怪物という、どこか魅力すら感じる様々な設定。

 スレンダーマンに関する目撃証言を、実際にあったことを語っているかのように演出するだけでなく、断片的なものにすることで、それを見た人にさらなる想像をさせること。

 これだけ様々な要素があるわけだから、このスレンダーマンという怪異も、もしかしたら現実のものになっているかもしれない。


 なお、日本では怪物やモンスターといったものの存在があまり定着していないし、ゲームをきっかけに広まったことから創作された存在だと認識する人が多いのだろう。

 少なくとも、スレンダーマンを目撃したといった話を私は聞いたことがない。

 ただ、よく似た怪異は日本にもいる。

 もしかしたら、多くの人が思っていることかもしれないけど、「八尺様」という某掲示板発祥の怪異は、スレンダーマンによく似ている。


 八尺様は、身長が八尺(2メートル40センチ)もある大女と言われている。ここでまず、背が高いという、スレンダーマンとの共通点があるわけだ。

 恰好は帽子を被り、白いワンピースを着ているとのことだ。

 八尺様を見てしまうと、その人に八尺様が付きまとってくるようになり、何の対策もしないと、その人は数日のうちに八尺様に殺されてしまうと言われている。

 最初に某掲示板にあった投稿では、部屋に閉じこもることで夜をやり過ごし、朝になったら血縁関係のある人と共にその場を離れたことで難を逃れたとされている。

 この時、八尺様が来ても決して見るなといった注意があり、見てはいけないというところでもスレンダーマンとの共通点がある。


 この八尺様も創作されたものだろうといった見方が強い。

 元々、某掲示板に投稿されたというのもそうだし、物語の舞台となった村を誰も特定できないことや、インターネットがある程度普及した時代なのに八尺様の伝承を誰一人知らないことなど、そうした理由で創作されたものだろうと考えた人が多いようだ。

 実際、八尺様を目撃したといった話も聞かない。

 とはいえ、八尺様を見た多くの人は命を落とすことになるので、私のところに話が来る前に亡くなっている可能性は一応ある。


 スレンダーマンの噂と八尺様の噂、広まったのはどちらが先なのかと調べてみると、なかなか興味深い情報を見つけた。

 スレンダーマンの噂の発端である、先述した画像が投稿されたのは2009年。

 一方、八尺様の噂が某掲示板に投稿されたのは2008年だ。

 つまり、八尺様の方が少し先なだけで、どちらも比較的近い時期に噂が広まり出したようだ。

 もしかしたら、日本の情報を何かしらかの理由で追っていた海外の人が八尺様の話を面白いと感じて、それを友人などに話して噂になった結果、スレンダーマンが生まれたなんて経緯があるのかもしれない。

 そうなると、スレンダーマンは日本発祥の噂から生まれてしまった、海外の怪異というわけだ。

 実際にスレンダーマンが海外で怪異になっているとしたら、日本はとんでもない国際問題を引き起こしたことに……はさすがにならないと思いたい。


 ちなみに、日本においてスレンダーマンの噂が広まる前から、スレンダーマンらしきものを見たといった話は存在している。

 せっかくなので、そちらも紹介しよう。


 その日、中学生のYは友人と自転車で買い物していた。

 その時は冬で、日が暮れるのが早く、いつの間にか辺りは暗くなり始めていた。

 自転車を走らせていると、不意に友人が妙なことを聞いてきた。


「今、ミラーに映ったの見た?」


 Yは友人が何を言っているのかわからなくて、何を言っているんだといった態度を取った。

 それを受けて、友人は、


「じゃあ、さっきの大きな男は幽霊か」


 なんてことを言った。

 何のことかと詳しく聞いてみると、黒い服を着た、異様に背の高い男性がカーブミラーに映っていたそうだ。


 この友人は霊感があるそうで、みんなと一緒にいる時に激しく壁を叩く音を聞いて、何の音かと周りに聞いたら、周りの人は誰一人聞いていなかったこと。

 何の前触れもなく、「何か危ない」と言って足を止めた後、目の前で交通事故が起こったこと。

 そうしたことがあったので、この時もYは友人が何か幽霊でも見たのかなと思ったらしい。


 それから数日後、その友人が川で溺死した。

 一応、川の近くで遊んでいて、足を滑らせたんじゃないかといった話になったそうだけど、詳しい真相は不明だった。

 でも、もしかしたら、友人は何かから逃げようとして、川に落ちてしまったのかもしれない。理由はわからないけど、何となくYはそんな風に感じたそうだ。


 これは、先述したとおり、スレンダーマンの噂が広まる前に起こった話だ。

 でも、起こった事象としては、スレンダーマンや八尺様の噂に近いものがある。

 Yの友人は偶然スレンダーマンを見てしまい、それを理由に命を狙われ、必死に逃げたものの、結局逃げ切れずに亡くなってしまった。

 そんな解釈ができないこともない。


 果たして、スレンダーマンという怪異は海外発祥の創作された怪異なのか、実は以前から日本に存在していた怪異なのか。

 その答えについては私自身、答えを見つけられないので、皆さんの解釈にお任せしたいと思う。


 そんな雑話でした。

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