表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
70/99

コインロッカー

 皆さんはコインロッカーを利用したことがあるだろうか。

 ちょっとした旅行や出張で遠出した時、荷物を持って街を回るのは大変だからと、コインロッカーを利用するという人は比較的多いと思う。

 ただ、そんなコインロッカーに怪異が憑くといった話は結構ある。今回はそうしたコインロッカーにまつわる話を紹介しよう。


 都市伝説のように語られることがあるけど、コインロッカーは時として事件の現場になることがある。

 有名なところとしては、生まれたばかりの子供をコインロッカーに遺棄するという事件がある。

 コインロッカーベイビーとも呼ばれるこの事件は、一件や二件だけ発生した珍しい事件というわけじゃない。実際は数十件も発生して、社会問題になったほどだ。

 こうした事件があったことから、コインロッカー付近で子供の幽霊を見たといった怪談が語られるようにもなった。

 この怪談自体は、都市伝説のように語られるので、これがそもそも遺棄事件があったことから都市伝説のように扱われている原因かと思う。

 ただ、前述したとおり、コインロッカーに子供が遺棄されたといった事件は実在する。


 また、危険な物の受け渡しにコインロッカーが使われるといったこともあるそうだ。

 あらかじめ、コインロッカーに渡したい物を入れれば、それを渡すために必要な物は小さな鍵になる。

 その後、物を渡す相手と会い、金を受け取るなどした後に鍵を渡す。

 そして、鍵を受け取った相手は、その鍵でコインロッカーを開け、依頼した物を受け取る。


 こんな面倒な手順を取るより、普通に直接会って物を渡せばいいじゃないかと私は思ってしまう。

 でも、この手順には、様々な利点があるそうだ。

 危険な物の受け渡しというのは、犯罪そのものだ。

 だから、そこに刑事がいて、物を抑えられた瞬間、渡す側も受け取る側も犯罪者として逮捕されてしまう。

 そう考えた時、コインロッカーを利用するのは、リスクを減らすという目的を叶えてくれるものになる。


 危険な物をコインロッカーに入れる時、元々その人が刑事に張られていたら、そこで捕まってしまうだろう。

 でも、受け取る相手はそこにいないので、捕まることなく、また別の人に同じ物を依頼すればいいということになる。


 渡す側と受け取る側が直接会った時、受け渡しに使われるのは、コインロッカーの鍵だ。

 コインロッカーの鍵そのものは危険な物じゃない。

 だから、ここで刑事が二人を抑えるというのは難しいそうだ。

 一応、鍵を抑えて、コインロッカーを開けて危険な物が出てくれば、それで二人を逮捕するということも可能だろう。

 ただ、そのためには、渡す側がどこのコインロッカーに危険な物を入れたかを知っておく必要があり、張り込みといったものを徹底する必要があるそうだ。


 最後、受け取る側が危険な物を受け取った時に逮捕するというのが、一番簡単かもしれない。

 でも、それはつまり渡す側を野放しにしてしまうということになり、危険な物が人から人へ渡っているのを止めることにはならない。

 渡した側はうまく逃げて、また別の誰かに同じ危険な物を渡してしまうだろう。


 こんな感じで、コインロッカーを利用した物の受け渡しは、刑事にとってかなり厄介だそうだ。

 実際はもっと複雑で、鍵を特定の場所に置くとかいったこともやるそうで、渡す側と受け取る側の両方を捕まえるというのは困難らしい。


 ちなみに、この辺の話は知り合いの刑事から聞いた話だ。

 というと、刑事が伝えるべきじゃない情報を私に伝えているということになり、大問題になってしまう。

 なので、その刑事が私に言ったことはすべて作り話だ。

 大事なことなのでもう一度言うと、その刑事が私に言ったことはすべて作り話だ。

 その刑事が私にそう言い、それを私も信じた。つまり、今私は皆さんに嘘を伝えているというわけだ。

 これだけいえば、きっと大丈夫だろう。


 話を戻して、コインロッカーには時として多くの人が想定していないものが入っている。

 その中には、怪異も存在するということで、こんな話を紹介しよう。


 その日、大学生のRは遠くで暮らす友人に会うのも兼ねて、旅行をしていた。

 夜にホテルを取っているものの、荷物を持ったまま友人と会うのは大変と考えて、Rは駅のコインロッカーを利用することにした。

 Rは特に何も考えず、適当に未使用のコインロッカーを開けた。

 そして、すぐに荷物を入れようとしたものの、Rはコインロッカーの中を見て、思わず固まってしまった。


 未使用のはずなのに、コインロッカーの中には何かが入っていた。

 何かと思い、Rが取り出してみると、それは釘の刺さった藁人形だった。

 さすがに驚き、そのままRは藁人形を落としてしまった。

 何でこんな物がコインロッカーに入っていたのかわからず、意味のわからない不気味さを感じたRは、藁人形をコインロッカーに戻して、別のコインロッカーを使うことにした。


 その後、Rは友人に会い、久しぶりの再会だからと喫茶店で近況報告などをした。

 それから少し会話が落ち着いたところで、Rはコインロッカーに藁人形が入っていたという話をした。

 すると、友人は何だか複雑な表情を見せた。


 友人は、この付近で暮らしていて、大学もすぐ近くだ。

 そして、最近大学である噂が流れているといった話を始めた。

 それは大学内で気に入らない人がいた時、その人を呪ってしまおうといった話があり、それに利用されているのが駅のコインロッカーとのことだった。

 手順は単純で、呪いたい人のことを思いながら藁人形に釘を刺し、それをコインロッカーに入れるというものだ。

 その際、コインロッカーをそのままにして、誰でも使用できる状態を維持するというのがポイントだそうだ。

 そして、一週間が経った後、藁人形がコインロッカーにそのまま残っていたら呪いは成功で、標的が不幸になるとのことだった。


 友人はこの話を聞いていたものの半信半疑だったそうだ。でも、Rから話を聞いて、実際に行っている人がいるんだなといった感じで驚いていた。

 Rも友人の話に驚きつつ、そもそも呪いというもの自体半信半疑だったので、そこまで気にすることなく、二人は別の話題に移った。

 それから友人と別れた後、Rは荷物を取りに問題のコインロッカーへ行ったけど、藁人形の存在を気にしつつ、特に触れない方がいいだろうとそのまま放置した。


 その後、友人が交通事故にあって亡くなったという知らせを受けたのは、Rが旅行を終えてすぐのことだった。

 もしかしたら、あのコインロッカーに入っていた藁人形は、友人を呪うために置かれたものだったのかもしれない。

 それを放置してしまったから、友人は亡くなってしまったのかもしれない。

 そんなことを思いつつも、真相はわからないと諦めに近い気持ちをRは持った。


 以前、紹介したとおり、呪いは成就するのが困難であればあるほど、大きな効果を発揮すると言われている。

 誰もが利用できるコインロッカーに藁人形を入れて、それが一週間も放置され続けるというのは、とても困難なものだ。

 だからこそ、大きな効果を発揮する呪いになっているのかもしれない。

 もしも皆さんがコインロッカーを利用する時、中に藁人形が入っていた際は、それを即刻処分することをおすすめする。


 そんな雑話でした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ