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黒い死神と、白い死神

 死神と聞いて、あなたはそれをどういった存在だと感じるだろうか。

 恐らく、人を死に誘う存在だと考えている人が多いと思う。

 実際、辞書なんかで調べても、人を死に誘う神と説明されている。


 死神の容姿は、黒を基本にしたものと言われている。

 黒いローブを着て、大きな鎌を持った骸骨の姿を想像する人も多いだろう。

 単に黒い服を着た男性や女性の姿といった話もある。


 死神の話としてよく聞くのは、死神の現れるところに死人が出るというものだ。

 だから、死神は人を死に誘う存在と言われ、人々から恐れられている。

 でも、こうした意見に対する反論も存在している。

 それは、死神が死者の魂を死後の世界へ案内する存在だというものだ。


 死者の魂が現世にとどまることは許されない。

 でも、突然死んで魂だけになったものが、死後の世界へ迷わずに行くのは困難だ。

 死神は、そうした魂の案内人なだけで、人を死に誘う存在ではない。

 こんな説を主張する者が少なからずいる。


 死神は、誰がいつ亡くなるかということをある程度わかったうえで、もうすぐ亡くなる可能性のある人のそばにいる。

 霊感のある者などが死神の姿を見て、その後すぐに身近な人が亡くなれば、死神が殺したんだと考えるのは自然だ。

 そうしたことから誤解があるだけで、実際の死神は単なる案内人に過ぎないというものだ。

 特に根拠はないものの、もしかしたらそうかもしれないと思わせる説だ。


 根拠の話をすると、死神が人を死に誘う存在だとする説も根拠のないものだ。

 人は何となくといった感覚で、黒=何か悪いものといった印象を受けやすい。

 だから、死神が人の死に何か関係しているのだろうと勝手に決め付けてしまいがちだ。

 ただ、死神が単なる案内人なんだとしたら、とんだ濡れ衣をかけていることになる。

 実際のところ、死神が直接人を殺しているということはなく、死の原因が単なる事故や病気というのがほとんどなので、死神そのものが危険な存在というわけではないのかもしれない。


 さて、ここまでの話は「黒い死神」についてだ。

 本題はここからで、最近「白い死神」と呼ばれる怪異について、色々と話を聞く機会があった。

 黒は何か悪いものといった印象があるのに対して、白は何か良いものといった印象が強い。

 天使や神様、さらにはウェディングドレスなど、白から連想できるものは良いものが多い。

 ただ、この白い死神は、明らかに悪いものと考えられる。

 こちらは具体的な話もいくつかあるので、そちらを紹介する。


 一つ目は、ある女子高生の話だ。

 彼女は霊感があるわけでもないし、怪異などもあまり信じない性格だった。

 そんな彼女の近くに、それは唐突に現れた。

 彼女の表現をそのままいうと、それは「白い塊」だった。

 宙に浮いた「白い塊」は、彼女に付きまとうような感じで、いつも近くにいたらしい。

 それが何なのかわからないまま、彼女は友人にどうすればいいかといった相談をしていた。

 とはいえ、周りの友人もどうしていいかわからず、彼女自身が怪異を信じていないこともあり、何の対策もしないまま放置する形になった。

 それから数日後、彼女は突然自殺してしまった。

 遺書などは残されていなくて、突発的な自殺だろうと言われているけど、特に悩みがあったようにも見えなかったそうで、友人達は「白い塊」の存在が原因ではないかと考えている。


 二つ目は、あるサラリーマンの話だ。

 彼は仕事が順調で、素敵な奥さんもいるし、さらに奥さんは妊娠中と、幸せそのものだった。

 彼は多少の霊感があったようで、時々不思議なものを見ることがあった。そんな彼の前に、ある日唐突にそれが現れた。

 彼が奥さんや同僚に言ったのは、「白い服を着た少女」が付きまとってくるというものだった。

 ただ、そこまで悪いものといった印象を彼は持たなかったようだ。周りの人も、今度生まれてくる子供が彼の前に現れているんじゃないかといった感じで、からかっていた。

 そんな彼が通り魔事件を起こし、見知らぬ二人の命を奪った後、自殺してしまったのは、数週間後のことだ。

 幸せそのものだった彼が何故そんな事件を起こしたのか。奥さんも同僚も答えを見つけられないでいる。


 二つの共通点として、白い何かを見た後、どちらも死を迎えてしまった。

 しかも、単なる事故や病気ではなく、何か邪悪な意思によって死に向かってしまったかのような印象を受ける。

 まだどういった存在なのか不明な点が多いものの、この「白い死神」は、人を死に誘う怪異だと思われる。

 もし、あなたや身近な人に「白い何か」が付きまとってくるようなことがあった場合は、お祓いを受けるなど、何かしらかの対処をしてほしい。


 そんな雑話でした。

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