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ある占い師が占いをやめた理由

 皆さんは占いを信じているだろうか?

 当たるも八卦当たらぬも八卦なんて言葉があるけど、毎日ある星座占いの結果に一喜一憂したり、気になる人との相性を占ってみたり、そんなことをする人は一定数いる。

 今回は、そんな占いに関する話を紹介する。


 オカルトライターとして占い師に取材する機会をもらい、何人かの占い師に直接会って話を聞いたことがある。

 ただ、先に言っておくと、私はあまり占い師を信用していない。

 以前、「信用できる霊能力者はいないのか?」という雑話で信用できない自称霊能力者の話を紹介したけど、そうした人が占い師も語るケースが多く、結果として自称占い師も増えているのが現状だからだ。

 芸能人が占い師に騙されて……なんてニュースを見たことがある人も多いだろう。


 私が取材した時、せっかくなので会った占い師全員に私のことを占ってもらった。でも、結果はバラバラだった。

 占いの方法も水晶だったり、タロットカードだったり、様々あったけど、素人の私からすると何をしているのか、ちんぷんかんぷんだった。

 むしろ、結果が出たうえで色々と質問されるし、何だかカウンセリングを受けているような気分になった。

 ただ、こうして話を聞いてもらうことで、心が落ち着く人もいるんだろうなといった印象は持った。こう考えると、占い師というのは、ある意味カウンセラーに近い職業なのかもしれない。


 そんな中、ある元占い師の噂を色々な人から聞くことができた。

 その人の占いは、かなり正確に当たるようで、占い師として活動していた時は常に行列ができていたそうだ。

 元占い師ということは既に辞めているわけで、当然取材をする予定はなかったけど、こちらから色々と無理を言って、何とか話だけでも聞かせてもらう機会を得た。

 そうして会った元占い師は、とてもキレイな女性だった。以前、私はホステスをしていたけど、そこでもこんなキレイな女性はいなかったと思えるほど、本当にキレイだった。

 そんな彼女の容姿に驚きつつ、私はなぜ占い師をやめてしまったのか質問した。

 すると、彼女はこんな話をしてくれた。


 彼女は昔から占いが好きで、学生時代は休み時間に色々な人を占ったそうだ。

 彼女の占い方法は少々特殊で、自作のカードを使った占いが特に得意だった。それは誰かに習ったものでもなく、彼女独自のやり方だったけど、かなり具体的なところまで占うことができた。

 噂が広まり、他のクラスの生徒からも占ってほしいとお願いされたり、高校の文化祭で占い部屋をやったり、彼女は色々な人の運勢を見てきたそうだ。


 それから大人になって、本格的に占い師の仕事を始めたところで、彼女は気付いてしまった。

 占いをお願いする人は、基本的に何か悩んでいる人なわけで、当然その中にはどうにもできない状況になっている人も多かった。

 そうしたことから、彼女の占いは、何のアドバイスもできないほど悪い結果しか出なかった。


 結局、彼女は占った結果をそのまま伝えていたけど、その通りになったという人達がクレームをつけてくるようになり、いつの間にか「彼女に占われた人は不幸になる」だなんてレッテルを貼られてしまった。

 そうしたことが嫌になり、彼女は占い師をやめてしまった。

 でも、彼女の占いがかなり当たるというのは今でも有名で、多くの占い師にとって、彼女は伝説のようになっている。


 最後に、私は彼女に占ってほしいとお願いしてみたけど、当然のごとく断られた。

 でも、今考えてみると、それで良かったと思っている。

 この先、自分がどうなるかなんて誰もわからない。それが普通だ。

 あらゆる未来を予測できてしまう特殊な能力を持ちながら、彼女は普通になることを選んだ。

 だから、私も不明な未来を目指す普通でいたいと思う。


 そんな雑話でした。

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