打開策
最も読みやすい構成とは何なのでしょうね。
聖堂の破壊された壁から砂交じりの風が吹き込んできた。ギラファという男は少々俯き言った。
「それは無理だねー」
そして徐に右手を掲げた。胸に掛けてある透明な青色のペンダントが淡く光り始めた。それとともに右手の掌の前には光粒子が集中していき、徐々にエネルギーをため込む。
「まずい。 早く逃げるわよ!!」
急いで僕らは聖堂から抜け出す。その数秒後、ビーム状の光線が僕らのいた地点を焼いた。必死に背後を気にしながら両足を動かす。だが、何かの小石に躓き僕は前に倒れた。
「もう!何してんのよ!!このバカ!」
少女が僕を罵る声を聞きながら、僕はある考えが浮かんでいた。それを口にする。
「なぁ……僕と一緒に闘ってくれないか?」
「はぁ!?話聞いてた?あんたと私じゃ勝てないって言ってるのよ!」
「いやそれでも逃げているよりは幾分かはましだろ?」
少女は煮え切らない態度を示した。追手はゆっくりと歩みを進めている。
「……何で敵であるお前と一緒に」
「もうこの状況で敵も味方もないだろう!?そうだ。 この僕のペンダントをあげるから」
それを聞いて少女はすんなりと理解を示した。なんて現金なんだ。
「ほんと!?じゃあいいわ」
ギラファは微笑を浮かべた。
「話し合いは終わったのかい?……じゃあ死んでもらうよ」
ギラファは掲げた右手にエネルギーを収縮させ、刹那それを放った。
ここだ。僕はペンダントに視線を向け、それを掴んだ。少女との一方的な戦いで現れたバリア状のフィールド。あれを出現させれば防ぐこともできるはずだ。ペンダントは淡い光を発光させて目の前にバリアを出現させた。眩いビームは僕らの前で展開されたバリアに妨げられ、衝突を起こした。衝撃がもろに伝わる。
「今だ!」
少女は瞬時に持っている緋刀をギラファに向かって投げた。その刀は槍のように速度を増し、ビームを放っているために無防備な態勢を強いられているギラファの左胸に突き刺ささるはずだった。だが、その刀はギラファが左手でかざしたバリアによってあえなくはじかれてしまった。
「そんな!!あいつもバリアが使えるなんて!」
「威力が足りなすぎるわ……せめてもう少し貫通力のあるウェポンがあれば」
少女は歯を噛み締めた。……確かにそうだ。奴の盾によってこちらの攻撃は防がれてしまう。ところで、そろそろ僕の盾が限界に近づいてきたようだ。徐々にペンダントの輝きが失われ、盾の面積が小さくなっている。……ん?そうか。この手があったか。
「なぁ。 一時的に攻撃を受けてもらうことはできるか?」
僕は隣にいる彼女に話しかける。その間も盾の効力は着実に失いつつある。あと1分も持たないだろう。
「はぁ?……まぁいいけど、ちょっとしか持たないわよ」
「OK。 じゃあちょっとばっかしスイッチしよう」
僕と彼女は入れ替わるようにして、彼女は一刀の刀でビームを受け止める姿勢に転じた。ビームが刀と衝突し、耳障りな音を生じさせた。僕は急いでペンダントを再び握りしめた。どうしてもっと早く気づかなかったんだ。そしてある試みを実行に移した。
読んで頂きありがとうございました。