第三話 魔法なるもの
転生してからはや数か月。
別世界? に転生したという事実もようやく飲み込め、私は現実を受け入れ始めていた。
私の赤ちゃんの体はやはり動きにくく、たまについお漏らしをしてしまうぐらい(しょうがない)。
あと赤ちゃん限定のアレも飲めるようになり、特に不自由なく暮らしている。
いやあ、アレになれるのには時間がかかった。
でも飲まないとお腹がすくんだから、しょうがないよね! ね!
で、話を戻すけど、この世界のことがほんの少し分かってきた。
ちなみに何個かある。順を追って説明していこう。
一つ目。あまり文明は進化していないっぽいこと。
私の家だけかもしれないけど、ここはどこを見ても木造だった。もちろんお皿も(泣)
テーブルとかの家具も粗末だし、これならそこらの一般人が想像する方が断然きれいだ。
まあ、そんなこと言ってもしょうがないんだけどね。改善されるわけないし。だって私赤ちゃんなんだから。
で、二つ目。どうやらここは異世界だということ。
やっぱりね、最初は半信半疑だったんだよ。
異世界っていうのは本当に存在しない、架空のものと思っていたんだから。
でも、ある日それは分かってしまった。
それはまだ一か月も経っていない日……。
私はとにかくこの世界のことを知るために、本を読むことにした。
どうせ文字は分からないけど、まあ絵から何となく世界の状況がつかめるのではないか、と考えて。
私がいる部屋には、本棚が一応とばかりにちょこんと置いてある。ホントに申し訳程度に。
なので、私は馬鹿の一つ覚えのようではないけれど、なぜかそこに向かって手を伸ばした。
きっと私は取ろうとしたんだよ。盗ろうとしたんじゃあない。
そして、案の定落っこちた。
ベビーカーらしきものから落っこちたため、頭部を強打。さらに大きな音というおまけまでついてくる始末。
ママが飛んできたよ。
そしたらあら不思議。ママが私の様態を見て、頭に手を当てて何かを言ったのだ!
そう、なんちゃらなんちゃらと。
すると私の頭にガンガン響いていた痛みは消え、ママがほっとした様子になる。
そしてそれを見て私は思った。これ回復魔法だ、と。
直感でそう思った。普通手を当てただけで痛みが引くなんてことはないからね!
で、私はテンションが上がって、今度はママの腕の中から、また落っこちたわけだ。
とまあ、こんなことがあったんだよ。
魔法っていうのは、地球にはない。つまり、ここは異世界だということ!
今そう思うだけでもテンションが上がってくる。
うれぴーなー。私も魔法使えんのかなー。
私はこれから来る未来に、さらに思いをはせたのである。
感想やアドバイスなど待っております。
また、雑談という名の小説ではない何かを投稿いたしました。
興味がある方は、ぜひ読んでみてください。