第二話 これは来ちゃったね……異世界に。
二話投稿です。
目が覚める。
本来ありえないはずなのに。死んでない?
取りえず名前確認。私は……日夏。記憶は残っているな。
じゃあここはどこ?まさか生き返ったんじゃあるまいし。
うーん、考えてもきりがない。とりあえず周りの情報を収集するのが先か。
もしかしたら死後の世界かもしれない。
それだったら嫌だけどなあ。
まあ、目覚めたんだし良しとしよう。あと人格も残っているからとりあえずそれも良しとしよう。
さて。辺りを見回す。
木でできている天井に、同じく木でできているがしっかりしている壁。
どうやらここは私の家ではないっぽい。まあ当たり前だな。家で目覚めたら驚きだ。
というかこれ、日本でもなさそうだな。
……ん? 日本でも、なさそう!?
じゃあここって、どこ!?
ここが日本ではないって考えると、私は死んだという可能性が高くなる。
まああの状況だから仕方ないかもしれないけど……。
うむ、日本ではないということは、外国に運ばれたとか?
いや、ないない。それこそヘリとか使わなきゃならんだろうし、第一、家にそんなお金はない。
となると、やっぱり死んだっぽいかー……。うわー……。
もう家に戻ることはできないんだろう。
で、だ。
ここが日本ではなくて、さらに死んでいる可能性が高いとなると、残りの道はあと一つ。
……転生だよね? あのネットで超流行っている、異世界転生っぽいよね!?
えー、どうなのか。正直に言えばこの事実は認めたくない。
だがしかし、認めなければいけない。この非現実的な現象を。
というわけで、確認の最終儀式を行う。
これは代々なろう系主人公がやっている、王道であり、必然的であるものだ。
必要になるのは視界、体。
さあ、手順は簡単。もう誰でもできちゃう、すっごく簡単なもの。
今現在見えている視界を、私の手と思われるところに落とすと……。
赤ちゃんの手だった。
で、ですよねー。赤ちゃんですよねー。
……あああ! 嘘だ! マジでそんなことがあったなんて!
私は、赤ちゃんに転生した。転生してしまった。
まじかー……。悲し。
てことは、人生やり直し的な? そういうことなのか!?
そうだよねー。
まあ、この際どうにもならないんだから認めてしまおう。
私は赤ちゃんに転生したらしい。うむ。
と、私がそんなことを考えていると、私の部屋? の扉が開かれた。
「****? **、****」
と、そこにはべっぴんさんが。
ていうか、何かを喋っている。もしかして異世界語?
服装も見たことないし、やっぱりここは地球じゃないのかもしれない。
これは異世界語を覚えないといけないなんて。
神様不公平です! 何でご都合主義を発動してくれないんですか!
……文句言っても仕方ないよな。
すると、その女の人は私を抱き上げる。
ん? もしかしてこの人、私のお母さん的な存在の人かな?
そうだとしたら、まさか……。
「**、********」
胸元の服をするりとどけ、そこには……。
いかん、これは直視しちゃいかん。私は純粋たる女子高生なのだ!
急いで顔を背ける。前世だったら顔が真っ赤になっていただろう。
するとそんな赤ちゃんの私を見かねたのか、私のほっぺに柔らかい感触が。
あ、あわわ……。これは避けては通れない道なのか……!!
まだ転生したての私には早かったため、大声で泣いた。
するとお母さんはちゃんとしまってくれた。回避成功……。
でもいつかこの時が来るのか。まあ、それはしょうがないことなんだろうな。
はあ……、これから先、気が重い。
魔法とかがあるといいのにね。
少しだけ、期待させてもらおう。