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子曰く  作者: 神秋路
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巫女双子 ②

「どうせ行先は一緒ですわ。その方があなたも寒くないし、早くに出勤できますわ」

「いや、だから俺は…」

「良いから乗るんですのよ!わたくし、もう寒くて仕方ありませんの!面倒な事は嫌いですから、早く乗ってくださらない?」


 沸点が低い少女は、寒くて面倒くさいというだけで怒った。その上車の中を見てみると黒いスーツに黒いサングラスといういかにもな男が二、三人こちらを睨んでおり、孔は大人しく言う事を聞くしか無かった。

 少女の向かいの座席に縮こまっていると、機嫌を良くした少女は良い笑顔で話しかけてくる。


「良かったですわ、あなたが素直に言う事を聞いてくれて」

「…いや、後ろの人ガン飛ばして来たじゃん……」

「それに、あなたも運が良かったですわね、こうしてわたくしの車にわたくしと乗ることが出来るんですもの」

「いや、別に嬉しくない……」


 余計なことを言うと、黒い人がまた少女の後ろから威圧して来る。孔はまだ死にたくない、と更に縮こまった。


「何をそんなに怖がっているんですの?」

「別に…死にたくないと思って」

「まあ、失礼な事を言いますわね。別に取って食ったりはしませんわ。わたくしはあなたとお話がしたいだけなんです。ですから、言葉のキャッチボール、してもらえます?」

「ええ…何を話したいわけ?つうかお前誰だよ」

「ああ、名乗るのを忘れていましたわ。ごめんあそばせ」


 すると少女は座ったまま、どこかの国のお姫様がするような、スカートの裾をつまんでちょこんとお辞儀をした。


「わたくし、長谷川千代(はせがわ ちよ)と申します。ご挨拶が遅れて申し訳ありませんが、この度はわたくしの姉がお世話になりましたわ。」

「長谷川…って、あの八千代の妹か?」

「ええ。わたくしたち双子なんですわ」

「はあ…。双子の割には似てないんだな」

「二卵性双生児を知らないのですか?」

「よく知ってるとも。何なら三つ子も四つ子も知ってるけど」

「そうなんですの?…ともかく、わたくしたちは双子で、同じ学校に通っているのですわ。わたくしはしばらく留学をしていましたの」

「は~だからお前の顔、見覚え無かったのか」

「ええ、そうでしょうね。でもつい先週にやっと帰って来られたので、姉が言っていたあなたにさっそくご挨拶にと伺いましたの」

「そんならもう少しちゃんとした挨拶の仕方学ぼうな」


 …黒い人の鋭い視線を先ほどより強く感じた。

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