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第二十一話

総合アクセス数が五千を超えました!

読んでくださっている皆様、本当にありがとうございます!!

また、気が付いたらブックマークの方も増えており嬉しいを通り越して興奮しています!

今後とも頑張って書いていきますので、引き続き楽しんで行って下さい!


 ドでかい(ミナーレイソン)と、爆発するクモ(ムーベン)を倒した後、グングニルを囮にするのをやめて、三階層の探索を再開させた。


 四階層へと続く階段を探すのと、レベル上げをメインにした探索ではあるが、グングニルにはこのダンジョンへと入ってきた人間の方にも注意してもらっていた。


 石化というかなり便利なスキルを取得できたので、どういった魔物が現れようとも、そう簡単には負けないという自信が生まれていた。石化効果の出る確率がわからないが、連続して使ったり霧状にして相手を包み込めばほぼ確実だろう。


 レベルが上がったおかげなのか、魔力探知で魔物が隠れているかもしれないという違和感程度ならば感じられるようになっており、何度か魔物を見つけて倒していた。


 『さっき思ったんだけど、君は全く眠たそうな素振りを見せないよね。多分睡眠は必要ない魔物だと思うんだ。』

 洞窟内を歩いている時に突然グングニルは話し始めた。


 俺は元が人間なので、フロック種が寝なくともよかったとしても、眠たくはなると思う。実際、グングニルに出会うまではずっと眠っていたのだから。


 ああ、そう言えば、グングニルと出会ってからは一睡もしていなかったな。いや、まだそれほどの時間が経っていないのかもしれない。


 「体が疲れたとかそう言ったことはないね。精神的に疲れるなんてことはあったけど。」


 『そっか、疲れちゃうよね。僕が追われているから、休む時間もあんまり取れていないんだよね。ごめんね。』

 精神的に疲れはするも、グングニルと探索するのは楽しいし、強くなっていくのも楽しい。体が疲れることを知らないというのもあるし、前世の俺だったら最悪な環境だと嘆くだろうけど、今の俺には全くそうは思えない。


 そうか。これが寝落ちるまで遊びたがる子供の気持ちか。それに、勉強をしなくてもいいし。


 「全然大丈夫だよ。そもそも、こんな起きてても死にそうになる場所で睡眠なんかとれないよ。」


 『あはは、それもそうだね。それでね、ここは日の光も入ってこないし、他の魔物も眠っているところは見たことが無いし、今が夜なのか朝なのかがわからなくてね。夜だったら、人間は眠たくなるだろうし、眠たくなったら一階層の階段付近にいれば安全だと思ってそこで野宿をすると思うんだよね。』

 寝ているところを襲える。それに、眠っているところに石化の霧でも発生させられれば確実に勝てる。

 俺は、グングニルの言いたいことを察したと言わんばかりのドヤ顔で、彼の方を向いた。


 「今から体内で石化の霧を作っておくよ。」


 『石化の毒霧の作成を開始します。』

 行動は早い方がいい。正面から戦って勝てる自信が無いのだから仕方がない。


 『それにはまず、時間を知ることが必要なんだ。』

 大事なところが不明なままだった。


 「いったん外に出るとかそんなことはできないし、とりあえずレベルを上げようよ。」

 結局はレベル上げになる。


 『そうだね……せめて、時間がわかったらいいんだけどね。よし、気を取り直してレベルを上げるか!』

 そうしてまた魔物を探し始め、すぐに出会えた。



 確かに俺は、魔物を探していた。しかし、誰でもいいというわけでもなかった。蛇やクモが理想だった。

 

 『確かにいるってことは分かっていたんだけど……』

 グングニルも、嫌そうな顔をしていた。

 


 俺たちの前に現れた魔物は、あのゴーレムだった。

 硬いし、でかいし、幅広い攻撃方法持ってるし、正直厄介極まりない魔物だ。おまけに石化も効かない。


 「こいつは面倒だし、逃げちゃう?」

 勝てない訳ではない。ただ厄介なのだ。

 グングニルだって、確かなダメージを与えることはかなわないんだ。ここは逃げるのが得策だろう。

 運よく、ゴーレムとの距離も十数メートル離れているし、すぐに引き返せる。


 『あ、待って。君、ムーベン食べてたよね?あれを飛ばしてみて。』

 

 「グングニル、あなたは天才か!!」

 その手があったか!と、俺は感心しながら口を開く。

 俺の持っているムーベンは、最初に倒した五体とその後に倒した四体の計九個だ。流石のゴーレムでも全部は使わなくてもいいだろう。

 

 ムーベンを一つ、バレットを使って撃ってみる。

 姿を現して、まだこちらを敵とみなしていない内に手を打つ。


 撃ち放ったムーベンは、一瞬で距離を詰めた。


 ただぶつけるなんて馬鹿な真似はしない。俺のバレット以上に衝撃を与えてくれると踏んでいるので、体勢を崩させて転がせ、弱点である上半身の裏側を露出させる。また、ビームを放つ頭部を破壊できれば理想的だ。

 俺の狙いは頭部だ。しかし、当たる面積も小さいので綺麗に頭部に当たるとは思えない。なので、上部の上の方、人間でいうところの鎖骨辺りを狙って撃ったのだ。

 

 

 カンッ!



 軽い音が鳴る。

 ムーベン自体柔らかいので、ぶつけた時のダメージに期待はしていない。

 

 『あのさ、あれって……石化したまんまじゃない?』

 それを聞いて、俺の動きが止まる。

 

 「だったら、逃げた方がいいよね……?」

 顔を合わせ、頷きあう。

 

 ゴーレムはゆっくりと両手を俺たちの方へ向けた。頭部の魔石が光っている。

 俺たちは、急いで走り出す。ビームの速さは経験済みで、いくら俺が全力で走ろうとも一瞬で追いつかれる。両手もビームほどではないにしても一瞬で追い詰めてくる。


 手には対処し辛いが、ビームの場合は変則的な動きをすれば何とか避けられる。直線状の攻撃は早いが横への動きが遅いのがゴーレムのビームの弱点だ。



 しかし、ビームや両手が発射されることはなかった。



 ドガァァアアアアアアアアアンッッ!!!!!!!!!!



 巨大な爆発音と共にやってきた爆風によって、俺たちは背中を押され、逃げていた前方の方へと飛んでしまう。

 なんとか地面に着地し、ゴーレムの方を見る。

 砂煙で見え辛いが、ゴーレムと思しき影は見えなかった。おまけに目の光も見えない。


 「えっと、爆発するまでに時間がかかるってことかな。」

 また顔を見合わせた。

 様子を見に行こうと、右手をいつでも殴りこめるようにと構えた状態で、ゴーレムの方へと向かって行った。

 すると、何かに気づいたようにグングニルが、


 『気を付けて!まだ生きてる!!』

 そういって、ゴーレムの方を睨みつける。

 経験値が入ってこなかったので、まだ生きているとは思っていたが、もしかしたら距離が離れすぎた、他の魔物の力を使ったとかで単に入ってこなかったという可能性も感じていた。

 

 「グングニルは構えてて!俺も、何時でも右手を撃ちこめるように構えておくけど、今から少しだけ手が空くと思う!」

 全力で転がり、ゴーレムの許へ向かう。砂煙でうっすらとした影しか見えない。

 俺は飛び上がり、空中で口を開く。


 『砂煙の捕食を行います。』

 頭の中に響く声と共に、渦を巻くようにして俺の口の中に砂煙が入っていく。


 『なんか見覚えのある光景だなー。』

 グングニルが呆れたような棒読みで言う。

 フロックの子この体は、あまりにも便利すぎる。毒霧も爆弾も、砂煙でさえも食べられてしまうのだから。


 『ゴーレムは……うん。まだ生きてはいるみたいだけど、余裕はないみたいだよ!!』

 グングニルの言葉通り、ゴーレムは生きていた。上部の裏側にある魔石や、頭部の魔石はまだ輝いている。爆弾により、ゴーレムの体は粉々に砕けてはいるが、手と思しき物は動いていた。

 浮き上がった小さな両手は、圧縮だか濃縮だか知らないがそうされた物ではなく、ただ砕けて小さくなった物だった。つまり、それほどの脅威とは思えない。


 「魔石を砕くから、その動ける破片をどうにかしてもらえるかな?」

 

 『このくらいだったら任せてよ!』

 緑に光ったグングニルは高速で飛んで行った。それに呼応するように破片もついて行くが、その破片を掴むと、他に着いてきた物に投げてぶつけていた。

 グングニルが攻撃をするよりも、ゴーレム自身の手を利用した方がダメージが通ると考えたんだろう。器用な戦い方だ。


 それに見惚れている余裕はない。早く魔石を破壊しないと、外れた頭部からビームがやってきてしまう。


 大きかった上部も砕けて小さくなってしまっていたので、右手で押して壁に当てる。そして、いつも通り加速させたバレットを連打する。


 疲れも知らないし、筋肉も無いこの体は、慣れるというだけで結構簡単に次のステージへと進むことができる。

 俺の連打は、打てば打つほど早くなっていく。超高速のバレットに目が慣れていく。


 俺の全身がそれに対応できるというわけではないが、俺の右手は、バレットの動作限定だが爆発的な速度を出せてしまう。


 それだけではなく、俺の右手はそれほど頑丈ではない。進化していく速度に対応できるほどに出来た右手でもない。それに対応できるのが修復で、その修復の速度もまた加速していっている。それは俺の意思ではなく、神の声的な物のおかげだ。


 連続で、何度も何度も殴り続けていると、弱点に当たる魔石が砕け散った。


 『相手のゴーレムを倒しました。経験値を取得しました。レベルが上がりました。レベルが二十五になりました。』


 「終わったよ!」

 そう言って、グングニルの方を見ると、周りに浮かんでいた十数個の手の破片が一斉に落ちて行った。


 「あれ、二つしかなかったよね?なんか、増えてない?」

 洞窟の道いっぱいに大きくなった右手でさえ、俺と同じくらいの速度だった。今は少しは成長しているだろうから余裕はあると思うが。

 グングニルに任せた破片の元の手は、そんなに大きいものではなかった。

 

 スピード特化のグングニル。彼の圧倒的な力に改めて思い知らされた。

 なんというか、すごい。早さだけでなく、テクニックもあって、なんかすごい。


 『あの勢いだと、まだまだ数が増えそうだったから怖かったんだ。案外早く終わってよかったよ。』

 「ふうっ」とため息をついていた。流石にあの数は疲れたんだろう。

 

 レベルが二十五になった。それえdも、進化条件が達成されたという声が聞こえなかった。十分に岩を食べていた筈なのだが、足りなかったのだろうか。


 とりあえず、砕けたゴーレムの体を食べる。

 掃除と、進化条件を満たすためだ。


 食べ終わると、それを待っていたと言うように、頭の中に声が聞こえた。俺もそれを待っていた。


 『進化条件を達成しました。進化しますか?』

 やっと来た!!もちろん進化するぞ!!


 『どうしたの?』

 

 「進化するよ!」

 そう言うと、俺の体が勝手に浮き上がり、どこからか発生した光に包まれていく。

 

 『場所が狭すぎます。岩の圧縮を並行させることで進化は可能ですが、通常以上に時間がかかります。』

 ……進化中止で、進化に必要な分の岩を圧縮しておいて。全部できたら言って。


 『岩の圧縮を開始します。完了まで約十分かかります。』

 結構早いじゃん。

 ああ、でも圧縮と進化を並行させて行ったら、十分はかかりすぎになるか。


 俺を包み込んでいた光はばったりと消え去り、地面に下されてしまった。


 『ど、どうしたの?』


 「……岩の量が多すぎて、ここでは厳しいんだって。だから、圧縮させて数を減らすことにしたんだ。だから、もう少し時間がかかるんだ。」

 

 『そっか、もう少しの辛抱だね。どうなるのか、楽しみだよ!』


 二十一話もお読みいただき、ありがとうございます!


 さて、ようやく主人公の進化ができる準備が整いました!二階層ではまだ経験値が足りず、三階層でようやく!

 タイタンナックル。ただ単に私が、拳を使う戦闘が好きなので生まれてしまった強そうな拳の魔物。その名前を思いついた時は、フロックの上に両腕が浮いているというものでしたが、今は違います!

 想像してください。体は岩で、中身は男の子。岩で......


 次回、十月二十九日の十二時に二十二話を投稿します。

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