11-1 新ダンジョンに行ってきます。
大変お待たせいたしました。
か、感想見て慌てて更新したわけじゃないですよ?
今日は日曜日です。
私が手伝う必要があるほど仕事は増えてないので、午前中は家事、午後はゲームです。
最近ゲームをしてる時間が増えましたので、少し念入りに掃除をします。
隣が工場なので埃が溜まりやすいんですよね……あ、ラーメン屋の割引券です。
お父さん、貰っても忘れちゃって使わないんですよね。お店に行くのに。
財布の小銭入れの中に押し込んどきましょう。
……よし、すっきりです。
綺麗に掃除した家で食べるご飯は美味しいです。
掃除直後で多少埃が舞ってるのなんて気にしません。
ごちそうさまでした。
それではゲームを始めましょうか。
「碧、話がある」
「お父さん邪魔です」
「碧が反抗期だ……」
折角ゲームを始めようと思ったのに、通路を塞ぐように立ってるからです。
「わかりましたから話をどうぞ」
「……最近、ゲームやりすぎじゃないのか」
そんなことでしたか……。
「お父さんも、少しは遊べと言ってたはずですが」
「『少しは』と言ったが、やりすぎじゃないかと言ってるんだ」
「どうやりすぎなんですか?」
「どうって……こないだのテストは」
「まだ全部返ってきてませんが、前回より平均は上になりそうです」
私の平均は上がりましたが全体の平均は下がってたので、もしかしたら百番以内に入るかもしれません。
「……家のことは」
「掃除も買い物も洗濯も終わってます。回覧板も回しときました」
「……そうか。だがそれは遊ぶために急いでやったんだよな」
「そうですね」
方向を変えてきましたね。
「つまり碧にも遊ぶということの必要性が理解できたわけだ」
「そうですね」
成長したなぁ、とでも言いそうな笑顔です。
「ということは、俺だって遊ぶ必要があるということも理解できるはずだ」
「そうですね」
いつも遊んでると思いますけど一応同意します。
「であればだ、俺が」「だからって、お父さんがシャコチョーを買う理由にはなりません」
「頼むよぉぉぉぉぉぉ……」
そんな事だろうと思いました……。
「昨日お客さんと話してて俺も買うって言っちゃったんだよぉぉぉ……」
娘にねだらないでください……。
お客さんとの話の流れで、多分こうなるだろうなと思ってました。
お客さんが買うと自分も欲しがるんですよね……。
「頼むっ! シャコチョー買ってもホイール欲しがったりしないからっ!」
当たり前です。
「風呂掃除だって忘れないしトイレ掃除だって真面目にやるから!」
そっちも当たり前です。小学生みたいなこと言わないでください……。
……まぁ、でも。
「当分、飲みに行く回数を減らしてください」
「もちろん!」
「代行を使わないでください。自分の車で行くなら絶対飲まないでください」
「約束する!」
「七月の予定、まだ空いてるので点検の仕事取ってきてください」
「必ず!」
「車検も増やしてください」
「わかった!」
「追加は五件ずつですよ」
「ぜ、絶対に増やす!」
こんなところでしょうか……。
母から、『向こうが何か要求してきたときは、お願いを聞いてあげるフリしてこっちの要求を飲ませるチャンスです。でも無理を言うと最初から無視する場合もあるから、ギリギリ可能な範囲が理想です』と言われてますし。
「……今回だけですよ」
「よっしゃーっ、さすが俺の娘! マジ感謝!」
本当に小学生みたいです……。
母は『そこが可愛いんです』と言ってましたっけ。
子供みたいで可愛いのはわかりますが、そこが魅力かと言われると……私にはまだわかりません……。
「ごきげんようですの。……どうしてそんな嬉しそうなんですの」
「ぐりちゃんは可愛いなぁと」
「な、なんですの突然。……でもありがとうございますわ」
照れるぐりちゃんが可愛いです……やっぱりこういう可愛いのほうがいいですね……。
可愛いと言えば、今日はマリーシャとシーラさんの新装備受け取りの日です。
『けっこー可愛くなるはずだから見てのお楽しみ!』とメールが入ってましたが……一体どうなるんでしょう……。
「あ、イオンも今来たところだったんだ」
「こんにちはキイさん」
丁度キイさんもログインしてきたとこだったらしく、私が部屋を出たのと同じタイミングでドアが開きました。
「今日はマリーシャたちの装備受け取りだよね。聞いてるかもだけど私たちも付いていくことになってるから」
私が居ないあいだにすっかり仲良くなったみたいです。
キイさんたちも装備の受け取りがあるはずですが、受け取りのないアヤメさんも付いてくるそうですし。
「こんにちは」
「こんにちわ~」
「ようイオン、キイ」
「こんにちは、お二人とも」
「おはようさーん」
今日は全員揃ってました。
「でアヤメ、俺にも……」
「ではアヤメさん。確かにこの金額で」
「ええでー」
「無視しないでくれ……」
挨拶もそこそこにアヤメさんに向き直り、あっさりスルーされるプルストさん。
アヤメさんとバルガスさんのやりとりに入り込みたいようですが……あぁ、【鉄鉱石:一級】の件ですね。
「こないだ作った剣だって結構性能良かったでしょ、なのにまだ欲しいの?」
「そうなんだけどなー、やっぱまだまだ上があるって思うと欲しくなっちまうんだよ……」
父と同じく、欲しい物が尽きないようです……。
「……あたし籠手しか作らないから、結構余るはずだけど……」
「本当かっ! パフェは何個にする!」
ものすごい食いつきですね……。
「わかったから、心配しなくてもあげるからがっつかない。それとパフェは昨日食べたし無しでいいから」
「マジかサンキュー! 昨日のパフェが高すぎたから本気で助かる!」
「アレね、なんかレアなチョコ素材が大量に手に入ったらしくて、チョコパフェに変更したついでに値上げしたんだって」
「前回に比べてかなり値上がったと思ったらそれでか……」
レアな素材が……大量に……。
――どこかで聞いた話ですの。
気のせいです。きっと気のせいです。
「とにかくキイマジ感謝!! よっしゃー!」
プルストさんの喜ぶ様子を見て、仕方がないなぁといった感じで苦笑いするキイさん。
……見たことはありませんが、父と母もこんな感じなんでしょうか?
ただ仕方ないといった感じではなく、その嬉しい姿を見る自分も嬉しいようです。
そう考えると、こんな可愛さがいいというのも少しわかります。
ところでアヤメさんはこのためにスルーしてたんですね。
なんとなく、二人を見ていたい気分になるので。
「よーしそうと決まったら早速行こうぜっ」
「すぐはダメ。これからマリーシャ……イオンの友達の装備受け渡しがあるから」
「そうなのか? でも俺も行ってたほうがその場で余った分の受け取りが……」
「あんた、女子だけの新装備お披露目に混ざるつもり?」
「いや外で待ってれば……」
「い・い・か・ら。あたしが帰ってくるまで大人しくここで待ってなさい」
「はい……」
女性の、しかも初対面の方の着替えをいつまでも待っている男性……。
いくら私でも遠慮してほしいです……。
拠点を出てバトルデイズへ。
今日もお店の前で待ち合わせですが……二人が居ませんね。
「いらっしゃいませー。待ち合わせのお二人ならレイチェルさんに引っ張り込まれてましたよ」
それででしたか。
「やっぱりかー。結構テンション高かったでしょ」
「猫の子とノリノリでしたよ。というわけで皆さんも奥へどうぞ」
やっぱりレイチェルさんとも仲良くなったようです。
きっとこないだのテンションのままなんでしょうね……。
「いらっしゃい。丁度いいタイミングだったわね」
迎えてくれたレイチェルさんはいつもの笑顔……のようですが、大きな兎の耳がピコピコ動いてます。
確かにテンション高そうです。
でも二人が居ませんが……あ、試着室のカーテンが閉まってますね。
「ほらみんな来ちゃったよー往生際の悪いー」
「そう言われてもね……」
「決めるときはシーラだって乗り気だったじゃん」
「場の空気にあてられてたのよ……」
何やら躊躇してるようですが……そんなに変わった装備なんでしょうか?
「別に露出が多いわけでもないのに。ていうかゲームじゃなくても恥ずかしくないでしょそれなら」
「そうなんだけど、その現実でも大丈夫っていうのが、ゲームに合わない気がして……」
突飛な装備というわけではないようです。
「そんなことないのにー。……しょうががないなー」
「……そう言いつつ逃げられないように抑えてるのは何かしら」
「キイさーん、そっちお願いしまーす」
「おっけー」
「え、ちょっと」
こないだはキイさんがされた側ですからね。ノリノリでカーテンを開こうとしてます。
「それではどうぞー!」
マリーシャの声に合わせて、キイさんがバッ、と一息にカーテンを開きました。
「「「「「おぉ~」」」」」
そして出てくるのは、当然二人の女の子。
パッと見た印象は、美人でお淑やかなお姉さんと元気印の幼なじみ、といった感じでしょうか。
「二人ともいいじゃなーい。シーラだって全然変じゃないってー」
「現実でもゲームでも、やっぱり着物はいいですね~」
「うち、ええ妹持ったなぁ」
「とてもお似合いですわ」
「素敵ですよ、シーラさん」
「……あ、ありがとうございます」
全員でベタ褒めです。だって本当に似合ってますし。
エリスさんも言ってますが着物です。浴衣のような軽い着物といった感じではなく、余所行き用のしっかりした感じのする着物です。
真っ白な生地に大きな花の模様。ただそれだけの本当に普通の着物。
白に近い金色の髪と白い着物が合わさって、どこか神秘的というか、神話とか昔話に出てくる登場人物のようです。
さらにローブの時には隠れていた尻尾も見えています。ふさふさで気持ちよさそうですね……。
狐に化かされた、なんて話がありますが、こんな狐が居たら化かされて当たり前です……。
「ところであたしはどーですかっ」
シーラさんが抵抗しなくなったので、今度は自分の番とマリーシャが前に。
「うん、可愛い」
「邪道と言われるかもしれませんけど~可愛いのは正義ですよね~」
「うちと被っとるけどこれならええわ」
「マリーシャさんらしくていいですわね」
マリーシャも着物……と言っていいんでしょうか。袴の形に近いですね。
前合わせは着物のようですが、袴の部分は膝丈のスカートみたいになってます。
シーラさんのと違ってかなりアレンジされてますね。形だけならアヤメさんに近いです。
上下ともに明るい色の生地。花柄が散らされてフリルやリボンがあしらわれた、和服と洋服を混ぜたような着物。
こういうの形の着物も現実でも見たことありますが、テレビで見るお祭り会場とかそういったことでしか見たことない形です。
そんなあまり見たことない形ですが、でも元気そうなマリーシャにはとてもよく似合ってます。
「とても可愛いですよ、マリーシャ」
「ありがとーっ」
嬉しそうに抱きついてくるマリーシャ。
こういうのを可愛いって言うんですよ、やっぱり。
「ノリで決めちゃったから細かいとこ大変だったけど、苦労した甲斐あったわぁ」
「レイチェルさん無理言ってすいませんでしたっ。でもありがとうございますっ」
「その、まだ慣れませんけどとても気に入りました。素敵な装備をありがとうございます」
「こういう依頼なら大歓迎よ。気が向いたら次もよろしくね」
レイチェルさんも満足そうです。
「でも二人とも着物にするとは思いませんでした。マリーシャのことなので、わざと違うのにするかと思ったんですけど」
人とは違うものを選ぶ、というわけではなく、違うものを選べば両方楽しめると言うと思ったので。
「あたしもそう思ったんだけどね、たまにはと思って今回は二人で揃えてみたんだー。猫はメイドさんのイメージがあるけど、でも日本にも猫又の話があるしいいかなーって。二人で揃ってるといろいろ二倍っぽいしっ」
猫はメイドさんのイメージなんですか……。
でも二倍というのはなんとなくわかります。
全然違う二人を見比べる、ではないですが、つい何度も見てしまいますし。
確かに外国の雰囲気の強いゲームでこの格好は違和感があるかもしれませんが、でも決してマイナスではないと思います。
何にしても、揃えたのは正解だったと思います。
「それじゃあとは二人の武器とキイとエリスね。はいこれ」
そう言ってテーブルに並べられた武器。
端の黒いのはキイさんの籠手みたいですね。
「キイのはやっぱり魔物素材をベースにして、補強に鉄鉱石使うことになったわ。どうしても重くなりすぎるのよ」
「その辺はしょうがないね。でも防御力は上がってるんでしょ?」
「そこは保証するわ。取り回しもね」
なんでもうまいようにはいきませんよね。
多分作った人も悔しいんじゃないでしょうか。その分、使いやすさにこだわってると思いますけど。
「逆にエリスのは結構重くなったから、頑張って慣れてね」
「わかりました~」
エリスさんの鈍器……ではなくメイスは、先端の尖り方がより鋭角になった気がします……。
「で、これが二人の武器」
シーラさんは今まで同様に杖です。前回の物よりシンプルになってますね。ほとんど木の棒といった感じです。
そしてマリーシャは……。
「やっぱり着物って言ったらこれだよね!」
日本刀です。
小豆色の鞘に銀色の刀身。防具と違って、こちらは至って普通の日本刀です。
「似合ってますけど大丈夫ですか? 今までのとかなり違いそうですけど」
これまでは片手で剣を振っていましたが、日本刀はどうしても両手で使うというイメージがあるので。
……でもどうしてでしょう? 西洋の剣のほうが重そうなイメージがあるんですが……いえ考えるのやめましょう。振り方がどうとか文化の違いがどうとか、そういうのですよね。深く考えたら歴史の授業になりそうです……。
「これから慣れるからだいじょーぶっ、何ともならなかったときに考えるよっ」
言葉自体は不安を煽る内容ですが、顔は笑顔なので多分大丈夫ですね。
好きこそ物の上手なれ、とも言いますしね。マリーシャの場合はやる気に任せたほうが一番です。
これで全員、新しい装備の受け渡しは完了ですね。
「これでみんなの新しい装備の受け渡しは完了したわね……うふふふ」
……言葉自体は同じ内容ですが、何やらレイチェルさんの笑顔が怖いような……。
「次はアレですねーオッケーでーっす」
「……本当にやるんですか」
「その約束だったでしょー、おかげで値引きしてもらったじゃーん。それに外部には漏れないんだしー」
「それはそうだけど……」
「大丈夫だいじょうぶー痛くしないからー」
ノリノリなマリーシャと、諦めたようなシーラさん……。
シーラさん引きずられてます……一体何が始まるんですか……。
「もうちょい右……そこそこ。はいこっち向いてねー……」
二人の位置を合わせて、レイチェルさんはカメラを構えるようなポーズを撮って……。
「はいおっけー。それじゃ撮るよー!」
スクリーンショットを撮り始めました……。
「いいよいいよー二人ともサイコーに可愛いよーっ!」
ひたすら撮り続けてます……。
ロロさんと話してた撮影という言葉も、きっとこのことですね……。
「マリーシャ視線ちょうだいねー……ハイそこで笑顔! あーやっぱストレートな可愛さっていいわね~。あ、もうちょっと足開いて。ストップッ、それサイコーッ!」
……えっと……。
「シーラこっち向いてっ。いいねぇその憂鬱そうな顔っ、和服美人はこういうのもいいわよね!」
もう何でもいいんじゃないですか……?
「こうなったら当分止まらないから、私たちは帰ろっか」
そうしましょう……。
「マリーシャ、シーラをかばうように立って……そうっ! 凜としつつも不安を隠せない親友を身を挺して守るっ、素晴らしいわっ! 刀を抜いて、ストップそのままっ! きたわああああ!!」
キイさんたちがレイチェルさんに違和感を持った理由が、よくわかりました……。
今回でレイチェルさんは三回目の変身(接客モード→素モード→暴走モード)をしたので、もうしないはず。
Q:十二ヶ月法定点検(一年点検)の案内が店から送られてくるんだけど、行かなくていいよね?
A:点検を受けるのは法律で定められた『義務』です。一応は。罰則なんて無いですが。自分で点検してもいいけど、そんな事が出来る人は限られるわけで。なので皆さんお店に行ってね! 売り上げのために!(コラ
Q:車検増やしてって言ってるけど、車検はできない工場じゃなかったっけ?
A:車検はできなくても、車検のための整備はできます。整備後は陸運支局に持ち込んで検査してもらう必要があるので、自社内で車検できる工場に比べ時間がかかりますが。
Q:わ
A:和服っていいですよね和服って。振り袖も浴衣も袴もどれも素晴らしいと思うんですよ。そりゃ確かに形状はどれも大して変わらないけど振り袖の模様とか華やかでいいし普段着の落ち着いた模様もいいよね。ずっと見てても飽きないですよ。模様は無くても巫女さんとかいいよね。初詣には巫女さんを眺めに行ってますが、何か?最近じゃ洋服っぽくアレンジされた着物も見る機会が増えてきたけどアレもいいよね。邪道?正道もよく知らないんで自分的にはオッケーです。丈が短いのはスカート状のもいいけどそのまま短くなったのもいいよね。名前知らないからなんて言っていいかわからないけど、子供が膝丈で着てるようなやつ。もう最高。ホント最高。大人が着たら変なお店にしか見えないけど。ひだ○り荘の沙○さんだって言ってたからそう見えるのは自分だけじゃないはず。それはそれでいいんだけど。ていうか割烹着で隠れても素晴らしいとかおかしくない?ア○バーな琥○さんとか。あと忘れちゃならないのはたすき掛け。普段見えない腕の部分が見えるとかもうどうしたらいいのか。そしてこんなことになってしまったのは垣野○成美先生の影響なのは疑いようがないわけです。私はどうして中二病全盛期に吸○姫なんて見てしまったのか。普通のから改造までよりどりみどり。殺す気なのかと。OVAから始まりマンガまで漁りまくりましたとも。最近はアニメーター業に復帰したっぽいし、もうあのシリーズは復活しないのかなー。まそれはそうと和服は至高。和服は究極。なので
Q:私が悪かったです。だからもう止まってくださいお願いします。
A;あ、言い忘れましたが後書きには非常にフェティシズムに満ちた見苦しい文章が記載されております。和服がお嫌いな方。変態フェチに拒絶反応のある方は読むのをお控えくださいますようお願いいたします。
Q:おせえよ。