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8-8 初めてのイベントです!【実況】

二つ同時投稿になるように予約してみました。

お好きなほうからどうぞ。

(前書き後書きは同一です)


『さぁリレーも大詰めに差し掛かってきました。現在一位のホースメンは第二ゾーンチェックポイントに入ろうかというところ。二位以下との差はほぼ一ゾーン分にまで広がっています。ここまで一方的になる状況、誰が予想しましたでしょうかっ』


『元々足が速くて持久力もある連中だからな。むしろ前回が悪すぎただけってことか』


『このイベントに限って言えば、右に出るものは居ないといったところですね』


『そうだな。敢えて欠点を挙げるならまだまだ荒さが目立つってくらいか。要所要所で他のチームに負けてるからな。まだ改革が完了しきってないってことだろうが……』


『それって、次回はもっと強くなってる可能性があるってことですよね』


『そういうことだな。真剣に対策考えないと勝負にならなくなるぞ』


『末恐ろしいことです! さぁ新しいチームがゴールに入ってきました。エスのリーダー、プルスト選手です。ってなんでリーダーがアンカーじゃないんでしょうか? プルスト選手と言えばとんでもない剣の使い手で、一対一なら大抵の魔物を切り捨てるとまで言われていますが』


『レッサーマンティコアもあっさり瞬殺してたな。アンカーにそれだけ自身あるのか?』


『しかも最終走者は新メンバーのイオン選手です。まさか最終走者とは思いませんでしたっ。頑張ってくださーい! ……それにしてもエスの皆さんって、なんであんなに外見の偏差値が高い人ばかりなんですか?』


『俺が知るか。大体そう言うあんたも十分高いだろうが。それに比べてうちのクランはむさいのばっかで……』


『褒められたのを喜んだらいいんでしょうか慰めたらいいんでしょうか……こほんっ、それはともかくエスもバトンタッチです。さぁイオン選手のスタートでず……が……………………ぇぇぇええええええええええええ!!!!』


『マジかよ…………』


『ちょーーーーーーーーーーー!! えぇーーーーーーーーーーー!! 私幻覚見てませんよね!! 寝てませんよね!!』


『俺にも見えるから安心しろ……まだ信じらんねーけどな……』


『みんな見えるよね!! 実況席だけじゃないよねっ!! バグってないですよね!!』


『観客も呆然としてそれどころじゃねーってよ……。あとバグはないだろ。公式イベントやっといて監視ない運営は居ないだろ』


『そうですよねっ、運営仕事してますよね!! ってことは本物な訳で…………うわああああああああああああ!! ついにっ、ついに現れましたあああああああああああ!! ゲーム発売から約半年っ、ついに空を飛ぶプレイヤーが現れましたっ!! うわああああああああああああああ!!』


『気持ちはわかるが落ち着け、それかもっと盛り上げろ実況』


『実況の前に鳥族なんですから叫ばせてくださいよ! さっきは目立ちたいから選んだとか言いましたけどホントは空を飛びたくて選んだんですよ!! ついにこの日がきたあああああああああああああ!!!!』


『叫んでるうちに第一ゾーン終わったじゃねぇか。チェックポイントも当然のようにノーペナだし』


『状況説明ありがとうございます! チェックポイントで一人抜いて五位に浮上したイオン選手、第二ゾーンではどんな飛び方を見せてくれるのか!!』


『いや飛べるのかそれ以前に。しかも最短ルート行ったぞ』


『最短ルートは結構なプレイヤーが岩に潰されましたからねーいくらなんでも途中で、ってうわー!! ちょっ、危ない危なーーーーーいっ!!』


『すげぇなおい……』


『転がってくる岩を避ける避けるっ、岩の間を縫うように飛び続ける! しかも体を大きく傾けて岩を撫でるかのごとくギリギリを飛んでいるのにスピードは全然落としません! 見てるほうが怖い!!』


『ああいうギリギリのほうが避けやすいんだろうな。翼を広げると横幅が大きいから、体を垂直に近くなるほど傾けて岩に寄せないと、岩と岩の隙間に入り込めなくて逆に危ないんだろ。それにそんな飛び方だと下手にスピードを下げると持ち直すのも大変だから、スピードも落とせないだろうし』


『それはわかりましたが見てるほうは精神的にきついです! あっ、呆然とするプレイヤーが岩に潰されています!』


『かわいそうにな……』


『そうこうするうちにチェックポイント! お願いだからスピード落としてください!!』


『さすがに矢は警戒してるな。さっきまでが岩と岩の隙間を狙うように斜めに飛ぶルートだったら、今度は真っ直ぐ岩に向かって行ってギリギリで岩を避ける直線的なルートか』


『矢は警戒しても岩に突っ込んでるようで、うわー!! やっぱり見てるほうが怖いですよ今度も!!』


『それより俺には、今度は矢も避けたように見えたんだが』


『私にも見えましたよ! なんで避けられるんですかなんで当たらないんですか! 他にも避けるプレイヤーは居ましたけど、避けに徹したプレイヤーでも数本は当たってましたよ!!』


『何でって言われてもなぁ……鳥の目って遠くまで見えるだろ。普段から空を飛んでれば自然と遠くを見るだろうから、視界のスキルレベルが上がりやすいんだろ。だから発射直後の矢が見えるんじゃないか? 見えれば避けられるってものじゃないんだが、早く視認できればすぐに回避に入れる。それにしてもこのままだと、本当に被弾ゼロ達成しそうだな』


『特性とスキルの組み合わせですか。耳や鼻のいい人が、察知系スキルが上がりやすいのと一緒ということですね。と納得したところでチェックポイント終了! 回避オンリーで初めての被弾ゼロ達成です!』


『間違いなく最初で最後だな』


『しかも気がつけばチェックポイントで黒帯を抜いていたので早くも三位! そのまま第三ゾーンに入ってまずは着地、アイテムを入手です。いやー地面に足がついてるって安心しますねー』


『本人じゃないんだが、何故か安心するなぁ』


『このゾーンでは木が邪魔で飛べませんからね。安心して実況できますっ。さぁコンパスを確認し走り出したイオン選手、目ひょうわああああああああ!!??』


『ここでも飛ぶのかよ……』


『いくら何でもここではやめしょうよ危ないですよ!! 翼が引っかかりそうで怖いですよ!!』


『さすがにスピードは落ちてるな。翼も広げきれてないし、羽ばたきも弱そうだ』


『いやそこはどうでもよくてですね!? 大体なんでそこまで飛ぼうとするんですかなんで走らないんですか!!」


『俺に言うな俺だって言いたい』


『第二ゾーンまでなら辛うじてわかりますけどいくら何でもここはないですよ! って言ってる側から倒木!! 倒木に正面からぶつか……らぁないぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!』


『すごい判断力だな、飛ぶことに固執せず必要だったらすぐに地面に下りるって。武器(長所)を持つ人間はついそれに頼って、なかなか手放せないもんだが』


『翼をたたんでギリギリ下をくぐり抜け着地っ、その直後懲りずに空へ! 泳がなきゃ死んじゃうマグロですか空を飛ばなきゃ死ぬんですか!! あーもうどうにでもしてー!!』


『こういう言い方は悪いが言わせてくれ。あれ頭のネジが二、三本吹っ飛んでるだろ』


『そもそもネジなんてあるんですかねと言いたくなりますよっ! さぁまず一匹目を確保、二匹目にむかいます!』


『見てると心臓に悪いから他見るか』


『そうですね。気がつけば一位のホースメン、ルドルフ選手は坑道に入っています。ルートは敵の少ない遠回りですね』


『手堅くいい選択だな。ペナルティがでかいと痛い目見るってのはさっき黒帯がやったしな』


『ボスを倒そうと無理しましたからね。その黒帯は現在四位。最終走者の巌選手は動物捕獲に苦戦してる模様です。さすがにあの巨体では動きにくいのでしょうかっ』


『対象はウサギか。パッと見、食事前の熊にしか見えないな』


『せめて雨に濡れた捨て猫を保護する寡黙な不良にしましょうよ! そのほか第三ゾーンに居るのは二位のナイツオブラウンド! こちらは三匹目を捕獲したところですね。若干ペースが遅いかもしれません!』


『こっちはうりぼうか。でかいの一匹のほうが楽なんだがなぁ』


『それは皆さん思ってるでしょうね。さて他のチームは、あっ、エスが二位に浮上! 第四ゾーンへむかっています!』


『もう抜かれたか……』


『相変わらずの飛びっぷりで第四ゾーンへ突入! そして当然のように飛んだまま坑道へ!』


『当たり前みたいに言うけど、間違ってるんだろうな……』


『一位のルドルフ選手は既にボスとの戦闘が始まりました! ボスはレッサーマンティコアの上位、マンティコアです!』


『攻撃パターンは変わらないがステータスが底上げされたタイプだな。一撃もらうと結構痛い』


『ルドルフ選手距離を取りつつも安定した戦い方です! 一方のイオン選手は相変わらず危なっかしい飛び方だ! 彼女には壁と天井が見えているんでしょうか!』


『壁じゃなくて全部地面に見えてるんじゃないか?』


『曲がりきれないかと思いきやそのまま壁を蹴って何事もなかったかのように飛んで行くイオン選手!! 壁走るのって何であんな格好良く見えるんですかね!!』


『やってみたくないか?』


『愚問ですねやってみたいに決まってるじゃないですか! さぁ今度は魔物が現れました、どうするイオン選手!』


『ガン無視だな。天井ギリギリを飛んで避けるのは良いが、一歩間違えたら思いっきり叩き付けられるぞ』


『速ささえあれば他は邪魔だと言わんばかりのイオン選手! BLFO最速の称号をあげるからもうちょっと安心させてほしいです!』


『でも最短ルートはどっかで魔物が壁作ってるはずだが、そいつはどうする気だ?』


『おかしいですね。何故か私には未来が見えるんですが』


『一応言ってみただけだ』


『ですよねー。そして現れた魔物の壁! イオン選手やはり速度を落とさない! そのまま突っ込んで……ボーンファイターを吹っ飛ばしてそのまま飛び去りました! 予想通りでしたが本当にやられると心臓に悪い!!』


『吹っ飛ばし耐性の弱いボーン系を狙ったのがよかったな。さすがに何も考えてないわけじゃないか』


『飛び方は無謀にしか見えないのにやってることは冷静です! そしてあっという間にボス部屋っ、そのままファーストアターーーーック!! マンティコアたまらず魔法をキャンセル!!』


『あのスピードだと相当ブーストかかってるからな、かなりダメージでかいぞ』


『距離を取ったイオン選手、そしてウィンドアーマー発動! さすがにボスは警戒するんですねっ、安心しました!』


『警戒は間違ってないと思うが……その分遠慮なく突っ込んでるように見えるな、あれ』


『より効率的に攻撃するための防御魔法ですか! 間違ってませんが考える方向は常に速さにしかむいてないということですね!!』


『マンティコア、かわいそうなほどやられっぱなしだな……』


『追いかけるように飛んでいくマンティコアッ、対するイオン選手は正面から迎え……魔法を当てて時間差で攻撃! 物理と空と魔法っ、マンティコアのお株を全て奪ったーーー!!』


『相手の誘いに乗るように近づいておきながら出鼻をくじくように魔法で隙を作り、威力のあるブーストで一撃。攻撃は物理一辺倒かと思えば、魔法の使いどころが的確だな』


『あっ、ホースメンのルドルフ選手マンティコア撃破っ! ラストはスキル二連撃でマンティコアを撃破です!』


『エスも終わりそうだな』


『こちらも既に瀕死の様子! スピードブーストかかりまくりだからって早すぎです! そしてイオン選手、天井付近まで高度あげて……マンティコアに向けて突撃ぃぃぃぃぃ!!』


『単純だけどあのスピードで正面から突っ込まれたら相当な威力になるな。だからってよくあんな無茶するなぁ……』


『マンティコア撃破ですっ、無謀な特攻ですが勝負に勝ちました!! 戦闘もとんでもないですね!!』


『しかもあれだけ無謀に見えて結局最後までノーダメノーペナだぞ。ホント無茶苦茶だな……』


『イオン選手すぐに出口へ! そしてホースメンは最後の通路から出ようとするところ! あーーーーーーー!! 抜きましたっ、抜きましたイオン選手! 最後の下り坂で、ついにトップに出たぁぁぁぁぁぁぁ!!』


『ちょっとホースメンがかわいそうな気がするが……ここまでやられるとな。いや本当にすごいわ。文句なしの完全勝利だろ』


『そのままイオン選手ゴーーーーーーール!! そしてかわいらしくお辞儀を一つ!! 最後の最後で大逆てぇぇぇぇん!! 優勝はエスだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!』


片方だけじゃ物足りないと思ったので二つまとめてという力業……。

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