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5-9 ようやく現状認識しました……それとクランです。【幕間】

※ある飲み屋での二人


「珍しいなプルスト。お前が二日連続居酒屋来るのは」


「…………」


「返事が無い。ただの屍のようだ」


「……そのとおり……」


「一層重症だなオイ。生中と枝豆とたこわさ頼む」


「はーい生中と枝豆とたこわさですねーありがとうございまーす」


「……焼酎ロックで」


「はーい焼酎ロックですねーありがとうございまーす」


「飛ばしてんな。マジ何があった」


「……謝罪のつもりで自己満してたのを慰めてもらった感じだ……」


「完璧にボロッカスだな。そりゃ凹む」


「しかもさっきまで全員からメタクソに言われまくってた……」


「そいつはご愁傷さま。でもいいじゃねぇか、当人どころかメンバーにまで慰めてもらえるなんて愛されてる証拠だぞ?」


「愛は時に人を殺すんだぞー……」


「持てる者の嘆きってことだな」


「俺も贅沢なこと言うようになったもんだよ……冷ややっこ追加で」


「はーい冷ややっこですねーありがとうございまーす」


「んで攻略方法は? 慰められたんなら喧嘩別れしたわけでもないからいいだろ」


「まぁな……うち(エス)に入ったしな……」


「何だとっ? ……そっちの方も気になるがまずは攻略教えろ」


「……お前なら言っても大丈夫だろうけどな……」


「さっさと吐け。生中頼む」


「はーい生中ですねーありがとうございまーす」


「言っとくけどお前らには絶対無理だ」


「もったいぶるな」


「んじゃ飛べ」


「意味が分からん」


「だから飛ぶんだよ。あいきゃんふらーい」


「どうやってだよ。そんなスキルか魔法が……おいまさか」


「……イカ天」


「はーいイカ天ですねーありがとうございまーす」


「……念のため聞くが冗談とかなんかの間違いじゃないよな?」


「だったらよかったんだけどな……俺も最初NPCと間違えたし……」


「間違いなくプレイヤーなのか」


「アイテム取得してフレンド登録してクラン加入までできたからヒャクパー間違いない」


「……よくそんなプレイヤー見つけたな……まだ知られてない鳥族が残ってたことすら驚きだが……」


「見つけたっつーか偶然会っただけだしな。むこうもまだ新人で、そもそも飛べるのがどういうことかイマイチわかってなかったし」


「古参以外で鳥族使うような奴が何で知らないんだよ……。炙りゲソ頼む」


「はーい炙りゲソですねーありがとうございまーす」


「無知と天然と偶然の結果だな……。馬刺し追加」


「はーい馬刺しですねーありがとうございまーす」


「なんだその合体事故が起こりそうな組み合わせは」


「他に言い様ねーし」


「そうかよ……にしてもそれじゃ真似しようがねーな……。敵のガードを全部避けて急所にだけ魔法当てろとか、片手剣じゃダメージ足りないなら両手剣で多段ヒットさせろとか、敵が来る方向にピンポイントに拘束魔法展開してタコ殴りとか、今までのが楽に思えてくるぞ……」


「俺もそう思う」


「軽く言いやがって。そのプレイヤーうち(ナイツオブラウンド)にも協力してもらうことはできるか?」


「本人に聞いてくれ。多分嫌がるけどな」


「……報酬では動かないタイプか?」


「わかってるならいいだろ。冷酒」


「はーい冷酒ですねーありがとうございまーす」


「お前らのクランに入るような人間ならそうだろ。じゃあせめて飛んだ以外のこと教えろ。ゲイルファルコンの倒し方とか出現数とか」


「数は多分五十以上。ただし空にいた分余計に引っ掛けてる可能性はある。倒し方は近づいて切ってた」


「近づいて切るって、飛べるんなら出来るだろうがよく耐えれるな。あんな数で魔法飛ばしてくるのに。ハイボール頼む」


「はーいハイボールですねーありがとうございまーす」


「当たってないからな」


「……どうやってだよおい」


「避けて」


「……やっぱエスには化け物しかいないのか……」


「新人捕まえて失礼な奴だ」


「お前もだよアホ。でも気を付けろよ? 飛べるだけじゃなく技術もあるならどこもほっとかねぇ。しかも新人なら余計だ。お前らのとこにいるから一応は無理なことはされないだろうが……」


「なんかあったら潰れるまでクラン戦やるさー」


「マジで潰すからなお前ら……」


「乗ってくる方が悪い。冷酒追加ー」


「それもそうだ。炙り明太」


「はーい冷酒と炙り明太ですねーありがとうございまーす」


「それじゃ俺に一つ提案がある。うまくいったら紹介だけしてくれ。攻略抜きにしても知り合っときたい」


「それはいいが……提案って何だ?」


「新人が無理な勧誘されるのはまず本人に力が無い事。それと後ろ盾が無い事。あと知名度が無い事が真っ先に挙げられる。それはいいな?」


「そうなんだな」


「お前な……とりあえず後ろ盾はエスに入ってんなら問題ない。あとは知名度上げて本人の力量を示せば大概黙る。そして来週に丁度いい公式イベントがある」


「そんな都合のいいもんあったか……?」


「お前ら前回は出なかったからな。あの運動会には」


「運動会……そうかアレか。でもいいのか? 間違いなく勝つぞ」


「そこまで言い切るのかよ。こっちだってそう簡単に負ける気はないんだがな」


「どっちにしろ紹介するだけな。どうなっても知らんぞ」


「ダメだったら奢ってくれ。ハイボール追加」


「……悪いな。ごちそうさーん」


「はーいハイボールですねーありがとうございまーす。お会計少々お待ちくださーい」



更新再開ですが幕間から。

次から新しい話に入ります。

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