3-7 おやつのために空を飛びます。【幕間】
短いです。
特に内容はありませんのでスルーしても大丈夫です。
※とある街。とある食堂にて。
「よー聞いたか。セカ村のクエスト、クリアした奴が出たってよ」
「マジかよ」
「むしろ今までクリアされてなかったのか」
「見つかったの結構前だよな。そういえば何で誰もクリアしなかったんだ?」
「だってワイバーンだぜ? しかもレッサーじゃないし」
「は? あんなところでもうワイバーン出んの? 」
「だから放置されてたんだよ。森抜けてすぐワイバーンとか、普通に進めてたらレベル足りないしな」
「普通じゃなくても足りないだろあんな所じゃ」
「あの村の周りってあんまポップしないから効率悪いんだよな」
「しかもイベント扱いでもないのに発狂するんだぜ?」
「うわひでー」
「普通に進めてたらレベル30にも届いてないのに、そんなところで発狂ワイバーンとか無理無理」
「一撃食らったらアウトだろ。せめて火耐性の防具持ってこないと」
「そんなん手に入るのまだ先だから無視されたんだろ」
「戦闘序盤は羽を狙って地上に落とすのに苦労して、後半は発狂対策に苦労するとか」
「でもそんなとこでワイバーン出てくるってことは、クリア報酬結構いいものなんじゃねーの?」
「詳細不明なんだよなそれが」
「はぁ?」
「宿屋に話聞きに行くと薬草取ってこいとしか言わないんだよ。んで薬草取ってくるから代わりになんかくれるのかって聞いたら用意するとしか言わないんだよ」
「なんだそれ」
「詐欺じゃね?」
「いや実際倒れてるNPCが居るから本当に詐欺って訳じゃないんだろうけどな。でも何くれるのか絶対言わないんだよ」
「ワイバーン相手にするんだからそれなりに良い物もらえそうな気もするけどなー」
「でもエリア的にはまだ前線ってほどでもないだろ? だからゴミしか貰えないい可能性もあるんだよな」
「そういやオレストであったな。無暗に強い魔物倒したのに貰えたのはルフォートで買えるようなもんだったこと」
「アレはへこんだ……」
「村に着いた直後はワイバーンを倒せない。倒せる頃には報酬は微妙な可能性……」
「だろ? だから誰も警戒してやらなかったんだよな」
「なるほどなー」
「で結局クリア報酬は何だったんだ?」
「分かんないんだよそれが」
「なんでさ」
「誰もクリア報告上げてねーんだよ」
「じゃなんでクリアしたって分かったんだよ」
「その宿の店主が変わってて、薬草の件は何とかなったって言ってたらしい」
「ちょ、なんで店主変わってんだよ」
「知らねーよ」
「実は時間制限式で彼氏が犠牲になって薬草取ってきたっていう設定なんじゃね?」
「あー季節イベントとかあるし、ありえるかもな」
「それってクリアされてねーじゃん」
「まぁ絶対にクリア報告が出るわけでもないしな」
「知らない間にやってたクエストとかもあるだろうしな」
「クエストポイントの出ないサブクエ多すぎんだよこのゲーム」
「それを探すのが面白いわけだが」
「そこは否定しない」
「何気にいいもの貰えることがあるしな」
「そういやルフォートの市場に超絶可愛い鳥族のNPCが出たらしいぞ」
「マジか!」
「スクショはよ」
「すぐ居なくなったから無いんだとよ」
「勝手に撮ると即通報だからなー」
「NPCくらいいいじゃんなー」
「じゃ、俺明日から市場で偵察任務についてくる」
「今行くと漏れなく変質者扱いされるから頑張れ」
「行くだけで変質者とか厳し過ぎね?」
「そのNPCが出た時に屋台の連中が変なこと口走ってBBSにカキコされたらしい」
「マジかよ……」
「あ、あった。男の屋台は全てスルー徹底、女性客は絶対に近づかないよう注意……って」
「やべー……」
「何言ったらそんな事になるんだよ……」
「偵察任務乙」
「いや行かねーよやべーよ!」
「情けない奴め」
「女を敵に回すのは死を意味するからな」
「何気に女性プレイヤー多いしなこのゲーム」
「キャラ可愛いし、ステータスが曖昧だから数字に縛られてる感じしないし、何となくでやれるゲームだもんな」
「攻略する方からしたらマゾ仕様だけどな」
「検証班は半分投げてるしなー」
「ステータスが身体能力値と魔法能力値しか表示が無いゲームで何検証しろって言うんだよ」
「レベルとスキルレベルもあるけどアレも人によって性能差激しいから結構あてにならないよなー」
「“エス”の連中とか化け物ぞろいだしな」
「あそこはおかしい」
「同じスキル使ってるとは思えん」
「エスの前線復帰まだかなー」
「今どこにいるんだ?」
「知らね。最後に聞いた時は魚釣りしてるって聞いたけど」
「やっぱクレイジーだ」
「お、クエスト時間になったし行こうぜ」
「おー」
「一番ダメ食らったやつ飯奢りな」
「それ盾の俺が一番不利だよな!」
「どこで食う?」
「コメの気分だな」
「俺麺類がいい」
「ルフォートにできたラーメン屋でいいんじゃね」
「聞けよ!」