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11-12 新ダンジョンに行ってきます。

短いです。


「あー、やっと着いたーっ」


 船から下りて大きく伸びをするキイさん。

 広くない船で揺られっぱなしでしたからね。ご苦労様です。


 あのあと無事にボスを倒し、帰りの道中もトラブルなく帰ってくることが出来ました。

 ちなみにエレメントゴーレムにトドメを刺したのはプルストさんです。

 ロロさんがもう少しで穴を開けるところだったので、本当にギリギリでした。


『新ボスを倒すところは何度か見たことあるんですけど、実質初回でこんなにタコ殴りにされる新ボスは見たことないですね。……しかも最前衛で死にそうになりながらなんて』


『ホントにな。発狂してからのほうが弱かったんじゃないか?』


『ロケットパンチは全部弾かれるし連続攻撃で炎が弱まるから接触ダメージもほとんど意味ないし。見てて可哀想でしたよ。……足下から見てたので、余計に』


『発狂前からしても何度も膝カックンされる姿は凹んでるようにしか見えなかったしな。ホント可哀想なやつだ』


『前衛が危ないのは変わらなかったですけどねー。……私、なんで死んでないんだろ……』


 倒し終わったあと、微妙な顔で感想を言っていたメグルさんとマスグレイブさん。

 どうもいつもはあんな感じではないようですが……他のボスも経験していけばわかるでしょうか?


「まぁいろいろあったが攻略は成功した。全員ご苦労さん」


「「「「お疲れ様でしたっ!!」」」」


 マスグレイブさんの言葉にビシッと敬礼するナイツオブラウンドの皆さん。最後まで真面目な人たちでした。

 二体目のボスはほとんど横取りするような形になりましたが、ナイツオブラウンドの皆さんは一カ所に固まって波状攻撃をするように戦法を変えてたんですよね。

 大きく動くことはなかったので派手さはありませんでしたが、続けざまに与えるダメージにエレメントゴーレムもかなり参っていたようでした。

 訓練された戦い方というのは、やっぱり凄いですね。


「エスとメグルとロロさんもお疲れ。協力助かった」


「いえいえ。こっちもものすごーく情報集まりました。編集したらすぐアップしますんで。命がけで集めた情報を!」


「素材、ありがとう」


 収穫あったと嬉しそうなロロさんとメグルさん。


「こっちこそサンキューな。目当てのもんは手に入ったし」


「おおきになーっ」


 そしてプルストさんの言葉通り、【火精霊の封石】も無事手に入りました。

 おかげでアヤメさんはずっとご機嫌です。


 ボスは二体だったので【火精霊の封石】も二個手に入ったんですが、手に入れたのはナイツオブラウンドに一つ、ロロさんに一つでした。

 ナイツオブラウンドの物は約束通り譲って頂き、ロロさんも特に必要ないようで素材と交換だったらいよと言ってくれましたが、レイチェルさんは欲しがりそうですし結局そのままということになりました。

 むしろボスとの戦いが微妙に不完全燃焼だったので、もう一度攻略する丁度いい理由になりますし。

 なので予定通りもう一度行きます。今度はエスだけで、です。


「それじゃあとは祭壇を探すだけか。前回みたいにこの辺にあるんだよな」


「ええ。アカデミアの調査で、祭壇はルフォートから東西南北の方向にあるとわかっています。恐らくこの近辺で間違いないでしょう」


 私は精霊さんから聞いていましたが、調査でもそこまでわかってるんですね。

 ルフォートの街が作られたのも便利だからというのが理由の一つだそうなので、歴史を調べればそういった記録が見つかっても不思議じゃありませんよね。


「それは間違いないな。うちの調査でもそれっぽい情報が出てきてたはずだ」


「そうなのか?」


「その辺はランドルフが担当してたはずだな。どこまで掴んでる?」


 話を向けられたランドルフさんですが……なんというか、随分微妙な表情です。


 ――はっきり言ったほうが良いですの。真面目そうにしててもニヤケ笑いが隠せてないと。


 その辺は話を聞いてからということで……。


「残念ながら、それをお話しすることは出来ません」


 言葉の内容とは違い、鷹揚な調子で言うランドルフさん。


 ――残念と言ってるのに残念そうに見えない辺りが残念ですわ。


 そこは否定できません……。


「どういうことだ。攻略情報はクランで独占せず、公開していく取り決めだったはずだが」


「それは承知しております。ですが今掴んでいるのはまだ攻略情報とはとても呼べるものではありませんので、間違っているかもしれない情報をお伝えするわけにはいきません」


「だったらわかってる範囲でいい」


「申し訳ございません。何が正しいのかどうか、まだ精査がすんでおりませんので」


「つまり、わかってることは何もないと」


「そうではありません。ただ、間違った情報で無駄な手間を取らせるわけにはいかないということです。それは、ナイツオブラウンドの信用問題にも関わることですから」


 なんだかんだ言って躱してますが、『いろいろ知ってるけどまだ確証持てないから言いたくない。間違ってたらクレームつけられるんで』というところでしょうか?

 ……一応、間違ったことを言ってるわけではないと思います。

 立場のある人の発言は、それ相応の責任が発生するものだと思いますし。


 いくら最初に『見積書通りにはならない可能性があります』と念押ししても、お客様から『話が違う』とか『そんな言い訳するな』とか苦情を言われてしまったことは、残念ながら経験したことがありますしね……。

 ランドルフさんもそういったことを警戒している、ということなのでしょう。


 建前上は、だと思いますが。


 ――あの顔は何か知ってるということと、それを教えないでいい正当な理由があることからくる愉快な気分に浸ったゲス顔ですの。


 ぐりちゃん言葉が乱れてますよ。今回は私も同意見ですが。


 ――失礼しましたの。お耳を汚してしまいましたわ。


 でも情報を掴めてないならそれでいいと思います。

 中途半端な情報を聞くより、一から調べたほうが確実だと思いますし。


「ま、知らないんならしょうがないわな。テキトーに調べるか」


「だね。まずは聞き込みかなー」


 皆さんも特に気にしてないようです。

 最初からそうするつもりでしたしね。


 ――あの男、調査を担当してたのに何の報告もできないほどしか進展していないという自分の無能ぶりを晒したこと、気付いているんですの?


 あの満足そうな顔は、気付いてないと思いますよ……。


 ――やれやれですの……。


 ダンジョンに入ってからは静かだったのでもしかしたら収まったのかなと思いましたが、こんな小さなイヤガラセで喜ぶなんて……。


 ――ある意味、幸せな男ですの。


 さ、人の悪口はこのくらいにしましょう。


 ――お姉様に変なこと考えさせましたわ。申し訳ございませんの。


 私は成人もしてないただの学生ですし、聖人君子でもありません。たまには愚痴を言いたいですから。


 それはそうと調査の開始ですね。

 パリカルスは昨日来たばかりでよくわかりませんし、どこら調べたらいいでしょうか。

 まずはその辺から相談を……。


「イオン」


 そんなことを考えていると、後ろから聞き覚えのある声が聞こえてきました。





やっと来たランドルフのター……ン?

短いので後でもう一本投稿します。



Q:見積書通りにならないって、なんでそんなことあるの?

A:分解してみないと中がどうなってるかわからないので、追加整備が発生する場合があるからです。簡単な分解だったら実際に開けて見積もりするけど、整備箇所によってはそうもいかないわけで……。

タイミングベルト交換(10万キロ走行で交換必須。最近のはベルトじゃなくてチェーンが増えてきたので交換が必要ない車種も多い)しようとしたらウォーターポンプから水漏れ始まってるとか、クラッチプレート交換しようとしてエンジンリヤオイルシールからオイル漏れしてるとか、経験したのはきっと私だけではないはず……。というか大体それを見越して最初にそれも込みで見積もり出すけど、


お客『それ交換必須?』

私『必須ではないですが、いずれ交換の必要があるので今のうちに……』

お客『じゃ外してよ。高いし』

私『やっぱり交換必要みたいなんで……』

お客『嘘つきやがって!』

私『(´・ω・`)』


いやもちろん快く『じゃそれもやっといて』と言ってくれる人のほうが多いんですが。あと言い回しで回避できるので、接客スキルがものすごく大事。お客さんだって(一部を除いて)怒りたいわけじゃないんですしね。


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