Epilogue4 ―ホムンクルス―
あたしは『フラスコ』のなかで育った。
いつ、自分が生まれたのかなんて覚えてない。
気づいたときには、そうなっていた。
残っている最初の記憶は、殴られているときのことだった。とても痛かったからはやく殴り終わってくれるように、身体を丸めてじっと動かなかった。悲鳴のような奇声のような言葉を発しながら殴りかかってくるモノがただ怖かったことを覚えている。
つぎに覚えているのは、『むこう側』と『こちら側』を意識したとき。
あたしはどこか建物のなかに造られた透明の部屋に住まわされていた。壁も天井も、トイレも風呂も寝室もすべてが透明で丸見えの部屋に、あたしを含めて五人が住んでいた。
研究所のようなものだったのだろう。
透明な部屋のまわりにはいつも白衣を着た人たちがいた。彼らはあたしたちに食事を与え、透明な部屋で生活するあたしたちをいつも観察していた。彼らはその部屋を『フラスコ』と呼び、冷たいような熱いような視線でこちらを眺めていた。
あたしは〝7式〟と呼ばれていた。
七番目に生まれたからだろう。その部屋には2式、4式、6式、7式、9式と呼ばれる少女が集っていた。
年齢はみな違う。
でも、顔は同じだった。
2式はかなり大人びていた。ときどき奇声を発してあたしを殴ってくる怖いひと。
4式もすこし大人。部屋の隅でずっと黙っている暗いひと。害はないけど、話したこともない。
6式は年上のお姉さんだった。いつも優しくて大好きなひと。
9式はいちばん年下だけどいちばん賢くて、研究者たちとよく難しい話をしていた。
あたしにとって『フラスコ』の中が『こちら側』、外が『あちら側』だった。
ほとんど『あちら側』には出ない。その研究所のなかには『フラスコ』以外に部屋がいくつかあったけど、体の検査以外であたしはそこから出たことがなかった。
ただ『フラスコ』のなかで観察されながら、言われるがままに生きている。
それがあたしにとっての日常だった。
自分がなんのために生まれたかなんて、あたしにわかるはずもない。
物心がついてきたころから、あたしにとって楽しいことはひとつだけだった。6式――お姉ちゃんと話すことだ。お姉ちゃんはいつもあたしを可愛がってくれた。
あたしはほとんど笑ったり泣いたりしない不愛想な子どもだったけど、お姉ちゃんは感情豊かだった。2式がいきなり殴ってきたら怒って殴り返す。嫌いな食べ物が皿に入っていたら唇をとがらせる。あたしが意地悪したら「ダメだよ」と悲しそうな顔をしてぎゅっと抱きしめてくる。
あたしは、そんなお姉ちゃんのことが大好きだった。
あたしが十歳になった――らしい――ときは、お姉ちゃんはもう十四歳くらいだったと思う。胸もすこし膨らんでいて、一緒にお風呂に入ってるときなんかは、綺麗な体つきだなと思ったことがある。
すこしずつ女の体になっていた彼女は、そのあたりから『フラスコ』の外に呼び出される機会が多くなっていた。
大人になれば『フラスコ』の外でなにかさせられることは、2式と4式を見ていてわかっていたから、とくに不思議でもなかった。
自分の立場くらい、嫌でもわかる。
おそらく『こちら側』は『あちら側』の好奇心を満たすだけのものなんだ、とあたしは幼いながらも理解していた。『フラスコ』の外に連れ出されていく2式、4式、お姉ちゃんを見ながら、あたしはいつも怯えていた。
いつか自分も、怖いところに連れ出されるんじゃないかって思っていた。
「大丈夫よ。意地悪されたりしないから」
連れ出されたお姉ちゃんが『フラスコ』に帰ってくると、あたしはいつも胸のなかの不安を伝えていた。そのたびにお姉ちゃんはそう言って頭を撫でてあたしを怖がらせないようにしてくれていた。
「大丈夫だからね。ナナちゃんが良い子にしてたら怖いことなんかないだからね」
「……おねえちゃん……」
そんなはずないって、わかってたけど。
口調は平然としながらも、お姉ちゃんはいつも震えていたから。
あたしが『フラスコ』の外に呼び出されるようになったのは、それからしばらくしてからだった。
「まだ体が充分に成長してないから、本当ならもっと後にする予定だったんだ」
と研究者のひとりが話しながら、あたしの体をベッドに縛り付けたのは忘れようもない。
手も、足も、口すらも動かないように猿ぐつわを噛まされて、あたしは小さな狭い部屋のベッドに横にされた。
もちろん服はすべて剥ぎ取られていた。
「でも、もう2式は使い物にならないから」
研究者の男が笑みを浮かべる。
背筋がゾッとする感覚を初めて感じた。
なにか怖いことをされようとしていたのはわかった。それがなにか理解するよりも先に、ただ逃げたい気持ちが強く膨れ上がった。『フラスコ』のなかへ帰ってお姉ちゃんに会いたい。抱きしめてもらって眠りたい。そう強く思って、縛られたままお姉ちゃんを呼んだ。
抵抗に意味はない。
あたしは薬のようなものを嗅がされ、すこしずつ体に力が入らなくなっていく。
どうしようもなかった。
研究者の男はあたしの体を見下ろして、小さなナイフのような刃物を取り出した。
「7式……君は頑丈かな?」
ずにゅう、とあたしの足に刺さるナイフ。
痛みはない。
でも、嫌悪感はあった。
「んんっ! ん~!」
「ほら、暴れない暴れない」
切り開かれる大腿部。
血がにじみ出てくる。
「君たちが生きていられるのは僕らのおかげなんだ。だから恩返しくらいしてくれないと困るんだよ」
膝の上の部分もぱっくりと開く。
脛の部分も、足首の部分も、足の甲までも刃物で皮膚を切り開いて、筋と肉と骨を露出させる。
「しばらくの間は生活に不便がでるだろうけど……どうせ君は『フラスコ』でしか生きられないんだ。たいした問題でもないだろう?」
なすがまま、されるがままに。
あたしは自分の足をいじられていくのを、ただ眺めているしかなかった。
「歩ける?」
「……まだちょっと痛い」
それからあたしの足は重たくなった。
研究者たちは、あたしの骨を何かの金属へと少しずつ取り替えていった。手術のたびにあたしは歩けなくなり、トイレにいくにも風呂に入るにも、お姉ちゃんに支えてもらうしかなくなっていた。
あたしが十三歳になったころ『フラスコ』のなかには、お姉ちゃんとあたしと、9式しかいなくなっていた。
あたしたちは、ただの実験体。
ここが〝中央協会〟と呼ばれる魔法研究施設だということも、そのころにはもう知っていた。
2式は頭をイジられて壊れてしまって、ある日自分の手で心臓を貫いて死んだ。
4式はなにかの手術に失敗して死んでしまったらしい。
あたしは足をイジられるけど、命に別状はない。
あと数年もしたら9式も『フラスコ』の外に連れ出されるだろう。9式は頭がいいからとっくに勘付いていて、自分がどういった改造をされるのか、その方法や効果まで研究者と話しているようだった。自分の体をいじくりまわされるというのに9式は楽しみにしているようだった。
「――6式、こい」
あたしがお姉ちゃんと歩く練習をしていたら、研究者がお姉ちゃんを呼びつける。
「ごめんね、ナナちゃん」
悲しそうな顔をして、お姉ちゃんはまた『フラスコ』の外に連れていかれる。
そういえば、お姉ちゃんはなにをしてるのだろう。
見た目に変化はない。あたしみたいに手術されることもないようだった。
いつもいつも、お姉ちゃんは行ったときと同じ様子で帰ってくる。
もしかしてお姉ちゃんはなにもされてないんじゃないか。
そう考えるとすごく羨ましくて、すこし憎いとすら思っていた。もしかしてお姉ちゃんは『あちら側』の人間なんじゃないかとすら、感じるようになっていた。
鈍感なあたしは、お姉ちゃんがされてる事にまったく気づきもせず、そんな見当違いなことを考えていたんだ。
それが間違いと知ったのはその数か月後。
お姉ちゃんのお腹が、膨らみ始めているのに気づいたときだった。
お姉ちゃんは数年間、研究者の男たちに犯され続けていた。
2式は脳の研究のために。
4式は内臓の研究のために。
あたしは足の研究のために。
そしてお姉ちゃんは、遺伝の研究のために。
あたしたちにはもともと親がいない。
ただひとりの女性から複製された、人造人間だから。
そんなマガイモノでも子孫を残すことができるのか――ただそれを知るためだけに、お姉ちゃんは数年間ものあいだ蹂躙されつづけた結果、誰かの子どもをお腹に宿したのだ。
……気味が悪いと思った。
性知識は教えられている。自分がそうなるとは思ったことはないし、異性なんて研究者たちしか見たこともない。自分の体のなかから別の生き物が出てくるなんて、ただ気味が悪いとしか思えなかった。
なのに。
「ちゃんと育ってね~」
お姉ちゃんは膨らんできたお腹を愛しそうに撫でながら、いつもそうつぶやいていた。
わけがわからない。
なんでお姉ちゃんは、そうやって自分のお腹の子を楽しみにしてるのだろう。
自分が望んだものでもないのに。
自分が選んだものでもないのに。
あたしにはまったく理解できなかった。
「6式は嫌い。バカだから嫌い」
そう言うのは9式。
9式はお姉ちゃんをあきらかに見下していた。
いまかいまかと自分を待つ実験を楽しみにしながら、彼女はお姉ちゃんをバカにしていた。
「わたしたちなんて所詮は偽物なんだから、偽物が本物を産めるわけないじゃん。実験? そんなことあるわけないでしょ。ただ研究詰めで溜まった男たちの性欲の捌け口になってたってこともわからずにさ、バカなんじゃないの? それくらい7式もわかってるんじゃないの?」
あたしは言い返せなかった。
お姉ちゃんのことは好きだ。物心ついたときから一緒にいて、優しくて温かかった。
だけど『あちら側』の男の子どもを宿したお姉ちゃんには、触れたいとは思えなかった。
それから数か月が経った。
あたしは相変わらず足を改造されている。見た目はふつうの足だけど、中に入っているのは骨によく似た魔法金属で、そのおかげか魔法を使うこともでき始めていた。ただひたすらに速く走るだけの魔法だったけど、練習すればするほどあたしは速くなっていった。いつのまにか、研究者たちはあたしの足に〝神速〟と名付けていた。
あたしの実験は、おおむね良好だった。
人間の足を魔法道具として改造するこの実験には実用性があったのだろう。実験体としてあたしが成功すれば、本当の人間すら改造することができるのだ。だから実験がひとつうまくいくと、そのたびにすごく褒められた。
あたしはすこし得意げになっていた。
ただ性欲をぶつけられるだけのお姉ちゃんよりも、ずっとすごいことをしてるんだ――なんてことを思ってた。
だから罰が当たったんだ。
ある日、お姉ちゃんが流産した。
『フラスコ』で一緒に寝ているお姉ちゃんの様子がおかしくなったと思ったときには、もう破水していた。もうすぐ生まれてくるはずだった子がお姉ちゃんのお腹のなかで死んでいたのにはだれも気付かなかったのだ。
大量の液体と血に混じっ小さな赤子は、お姉ちゃんの体のなかから死んだまま生まれてきたのだ。
呆然とするあたしと9式を、『フラスコ』のなかに慌てて入ってきた研究者たちが押しのけて、お姉ちゃんの生命維持に努めた。
なにもできなかった。
お姉ちゃんがゆっくりと衰弱していくのを、あたしはただ黙って眺めているしかなかった。
それでもお姉ちゃんは無事だった。
外で治療を終え、『フラスコ』に戻ってきたお姉ちゃんはかなり痩せ細っていた。
大切にいていたお腹のなかの子どもを失い、体調も最悪。それなのにいつものような優しい笑顔を浮かべて「元気だから、心配しないで」とあたしの頭を撫でてきた。
ただ単に強がっているだけのか、それともほんとうに強いのか、あたしにはもうわからなかった。
お姉ちゃんはしばらく安静にするように研究者たちが指示をしてきた。人造人間としてはかなり頑丈な体を持っているらしく、研究者たちは「6式は人間並みの生命力だな」と口々に褒めてたたえていた。
お姉ちゃんがしばらく実験に参加できないと聞いて、すぐに動いたのは9式だった。
まだ実験されてなかった9式は、ついに自分から望んで実験体となることを申し出たのだ。
知能は優れていたが、まだ十歳とすこしの幼い娘だ。
研究者たちは迷ったようだったけど、結局実験を行うことにしたようだった。
彼らがなんの実験をしたかったのか、あたしにはわからない。
いま考えてもわからない。
ただ9式が『フラスコ』の外に出て行ってから一時間もしないうちに、あたしたちの運命は大きく変わってしまった。
はじめは地震かと思った。
ずん、という大きな揺れが『フラスコ』を襲った。
手術したばかりでろくに歩けなかったあたしは、ベッドでお姉ちゃんと抱き合いながら何事かと周りを見回していた。『フラスコ』の外にいる研究者たちが顔を青くしながら、建物の出口に殺到しようとして走っているのを見つけたのはその直後。
建物の奥から壁を壊して、巨大な怪物が姿を現した。
大きな肉の塊のような化け物だった。
その化け物は天井にも届くような巨大な図体でまわりのものを破壊しながら暴れていた。
『フラスコ』が揺れる。
研究者の何人かが魔法で攻撃するも、すべて肉に弾かれていた。跳ねかえった魔法が施設を破壊し、さらに混乱を生む。
あたしはただ愕然としているしかなかった。
その化け物は逃げようとする研究者を捕まえては、肉でぶくぶくに太った手で握りつぶしていた。
いとも簡単に、人間たちが死んでいく。
化け物は暴れながらこちらに近づいていた。『フラスコ』は透明だ。隠れるような場所はどこにもない。
すぐにあたしたちを見つけると、その肉の化け物はゆっくりと口のような空洞を開いて、
「……バァ……ガァ……ィィ……」
まるでうめくような低い音でなにか言った。
7式。
あたしには、そう聞こえた。
「まさか……9式なの……?」
お姉ちゃんにも聞こえたらしい。
その問いかけに、化け物はゆっくりとこちらに手を伸ばし、透明な天井に触れる。
ミシリ。
と、『フラスコ』にヒビが入った。
「……イ……エ……エェ……」
逃げて、と化け物がうめく。
バキンと『フラスコ』に亀裂が走った。
壊れる。
そう思っても、あたしはどうしようもなかった。手術で動かない足。体調の悪いお姉ちゃん。そして出入り口はひとつ――化け物のそばにしかない。
逃げられるはずもなく、『フラスコ』はすぐに崩壊した。
「あっ」
降り注いでくる建物の破片。
生まれてからずっと住んでいたあたしたちの『家』が、瓦礫となって落ちてくる。
あたしは死ぬことを悟った。
ここで助かっても、あたしたちは9式のなれの果てに殺されるだろう。
所詮、あたしたちは偽物だ。
初めから生きてるなんて言えないような世界で、ただ生かされてただけ。
なんのために生まれてきたのかもわからずに。
なんのために死ぬかもわからずに。
ただ、死ぬんだろう。
でもお姉ちゃんと死ねるなら悪くない。
お姉ちゃんと一緒なら、あまり怖くない。
あたしはぼんやりとそう思いながら、落ちてくる透明で鋭い破片を眺め――
「ナナちゃん!」
視界をふさいだのは、お姉ちゃんだった。
ずしゃり、と硬いものが肉を裂く音がした。
同時に、体中に温かい何かがびちゃりと落ちてくる。
それがお姉ちゃんの血だと、あたしはすぐにわからなかった。
「……え?」
お姉ちゃんが、あたしの体を抱きかかえていた。
「……お姉ちゃん?」
「だい、じょうぶ?」
いつもより、力のない微笑みだった。
あたしの体に回す手にも力がない。
それはそうだろう。
お姉ちゃんの体を、大きな瓦礫が貫いていたから。
「お姉ちゃん……どうして!?」
「6番だから」
口からもたくさん血を流しながら、お姉ちゃんは笑っていた。
「わたしは6番だから……7番を守るのはあたりまえじゃない」
「そんな――」
「それにね、ナナちゃん、これはチャンスなの……この狭い世界に閉じ込められた偽物が、すこしでも自由になるチャンスなの……」
ずるり、とお姉ちゃんの手が滑った。
お姉ちゃんの体を支えてるのは、お腹を貫いている瓦礫だけになる。
「ナナちゃん……きっと、きっとこんなわたしたちでも、生きていける世界がどこかにあるわ……受け入れてくれるひとがいるわ……わたしは自分の子にそれを託そうとしたけれど、ダメだった……だからナナちゃんにお願い……」
あたしは動けない。
目の前のものを認めたくなくて、お姉ちゃんの言葉を聞きたくなくて、目も耳もぜんぶふさいでうずくまりたかった。
でも、できなかった。
「ナナちゃん…………逃げて」
もう、目も虚ろだった。
薄れていくお姉ちゃんの声。
お姉ちゃんの温度。
――イヤだ。
「イヤだ……イヤだよお姉ちゃん……」
お姉ちゃんがいない世界なんてイヤだ。
イヤだ。
「死なないでよお姉ちゃん……ひとりにしないでよお姉ちゃん……イヤだよ、お姉ちゃん!」
あたしはお姉ちゃんの頬に手を触れる。
反応がない。
動かないお姉ちゃん。
イヤだ……
ずむっ、と化け物がお姉ちゃんを掴んで、力を込める。
まるで熟れた果実を潰すように、お姉ちゃんの体はひしゃげて落ちた。
「あっ……」
化け物が、あたしにも手を伸ばす。
逃げることなんてできない。
足は動かない。
声も出ない。
涙だけが、とめどなく流れていく。
お姉ちゃんが死んだ。
あたしは生きている。
こんな理不尽な世界、もうイヤだ。
死んでもいい。
消えてもいい。
化け物が、あたしの体を掴む。
「――えろ」
でも、お姉ちゃんを殺したこの世界が憎い。
死んでもいい。消えてもいい。
でも、その前に。
……潰れてしまえ。
こんな世界なんて消えてしまえばいい。
「……消えろ」
消えろ。
消えろ。
化け物が、あたしの体を締め付ける。
肋骨が折れる音が聞こえた。
口から血が漏れた。
痛いけど、気にならない。
「消えろっ」
消えろ。
消えろ。
消えろ。
消えろ!
――こんな世界は、消えてしまえっ!
「うあああああああああああああああああああ!」
喉がちぎれるくらい、あたしは叫んだ。
その瞬間、足が燃えるように熱くなる。
体の奥底からなにかが溢れてくる感覚が襲ってきた。
身体中が、金色に輝き始める。
ただ強い破壊を求めた。
目の前の怪物を、消し去るために。
こんな理不尽を消し去るために。
こうしてあたしは、三体の魔物を呼び寄せた。
その瞬間から〝魔女〟になったのだ。




