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ありきたりな愛した話

作者: むきぶつ

3/8より3日前に振られた主がどこかに思いをぶつけたいけど、できなかったから書いた話です。 物語のような喋り方ですが、思ったままをぶつけたので暖かい目で見守ってください

第一章: 出会いと変化


「なんで俺、誘ったんだろうな」


テーマパークの入り口に立ちながら、ふと考える。

俺は高校生、彼女はテニス部のOGで大学生。

部活では何度か話したことはあるけれど、どこか苦手だった。


でも、なんとなく遊びに誘ってしまった。


「待った?」

「あんま待ってないっすよ」


そう言いながら、俺は目を逸らした。


最初はぎこちなかった。

でも、アトラクションを一緒に楽しんでいくうちに、彼女の笑顔が自然と目に焼きついた。


「ねえ、あれ乗ろう!」

「え、まじすか」


無邪気にはしゃぐ彼女に引っ張られるまま、俺はつられるように笑った。

気づけば、最初の違和感は消えていた。


第二章: 気持ちの変化


テーマパークのあと、自然とご飯に行くようになった。

二人で過ごす時間が増えていく中で、俺は彼女に対する印象を変えていった。


そして、焼肉に行った日の夜。


布団に横になりながらスマホを開くと、彼女からのLINEが届いていた。


「〇〇って、ほんとすごいよね」

「尊敬するところ、たくさんある」


じんわりと胸が熱くなる。


(なんだよ、それ)


嬉しくて、でもそれ以上に心臓が落ち着かなくて。

この感情が何なのか、俺は気づいてしまった。


(俺、この人のこと、好きになったんだ)


第三章: 告白と迷い


俺は彼女に告白した。


「好きです。付き合ってください」


でも、彼女は困ったように笑って言った。


「ごめん。好きになれなかったら嫌だから」


振られた。


俺は、彼女の隣を歩ける資格すらないんだろうか。


でも、1日が経ち、俺は再び彼女に言った。


「好きにならなくてもいいから、付き合ってほしい」


少しの沈黙のあと、彼女は小さく息を吐いた。


「……いいよ」


その声は、少しだけ震えていた。


第四章: 幸せな日々と不安


付き合ってから、俺たちはたくさんの時間を一緒に過ごした。

カラオケに行ったり、俺の家で映画を見たり。


俺の腕にもたれかかる彼女の体温が、心地よかった。


でも、ある日、彼女はふと呟いた。


「元カレに浮気されてたんだ」

「それでも別れられなくて、依存してた」


胸が苦しくなった。


(俺は、彼女にとって何になれるんだろう)


彼女の過去に傷つくつもりなんてなかった。

でも、考えずにはいられなかった。


元カレが彼女の"初めて"の相手だったこと。

俺は、あの頃の彼女より愛されているんだろうか。


不安は拭えないままだった。


第五章: 1ヶ月記念のデート


付き合って1ヶ月が経った。

彼女は大学生で、俺は高校生。

生活リズムも違うし、会える時間も限られていた。


「1ヶ月記念、どこか行きたいところある?」

そう聞くと、彼女は少し考えてから答えた。

「川越かな。でも、それだけじゃなくて、どこか新しい場所にも行きたい」


結局、俺たちは彼女の思い出の地・川越と、彼女が行ったことのない足利フラワーパークに行くことにした。


川越 - 思い出の場所


「ここ、前に元カレと来たんだよね」

川越の町並みを歩きながら、彼女はそう言った。


俺は黙って聞いていた。

正直、元カレの話なんて聞きたくなかったけど、それを言うのは違う気がした。


「でも、今日の川越は全然違う」

彼女が俺の手を握る。


「〇〇(俺)と一緒にいると、過去を気にしないでいられる気がする」


その言葉が、嬉しかった。


つくね棒を食べたり、きゅうりの一本漬けをかじったり、駄菓子屋を巡ったり。

写真もたくさん撮った。彼女が楽しそうに笑っている姿を、俺はずっとカメラに収めた。


足利フラワーパーク - 初めての景色


次に向かったのは足利フラワーパーク。


「すごい……!」

彼女は目をキラキラさせながら、満開の花を見つめていた。


「写真撮ろう!」

彼女が俺の腕を引っ張る。


スマホのカメラに映る彼女の横顔は、本当に幸せそうだった。

その笑顔を見て、俺は思った。


(ずっとこうしていたい)


俺は、彼女を幸せにできているんだろうか。

そう思う一方で、不安が消えない自分もいた。




第六章: 壊れた歯車


1ヶ月記念のデートを終えた1週間後。

通話をしていた時、彼女がぽつりと聞いた。


「〇〇は本当に私のこと好き?」

「付き合ってて楽しい?」


「好きだよ。楽しいに決まってる」


そう答えたのに、彼女は少し寂しそうに笑った。


「……好きって感情が、分からなくなってきたかも」


胸が締めつけられた。


「じゃあ、これから好きになろう?」


そう言ったけれど、それが"終わりの始まり"だった。


第七章: 最後のデート


3月2日(日)。

俺たちは最後のデートをした。


「変わらなければダメだね」

そう話して、俺たちは表参道で待ち合わせた。


ドーナツ専門店でドーナツを食べて、映画を見て。

彼女はいつも通りで、むしろ甘えてきたくらいだった。


「〇〇、手出して」

「?」


そう言って、俺の指にそっと自分の指を絡める。


(やっぱり、大丈夫だよな、俺はこの人が好きだ)


そう思った。


でも、3月5日。


「やっぱり、友達感が強すぎる」

「別れよう」


俺は最後に、こう言った。


「これ以上、負担をかけられない」


そして、俺たちは終わった。


最終章: それでも前に進む


「ずっと続くと思ってた」


彼女の笑顔も、仕草も、声も。

全部、俺の中に染みついている。


でも、もう彼女は隣にいない。

彼女が2人目の運命の人だったら一緒にいられたのか、

それでも、前へ進もう。

そう決めた。


けれど、SNSで見てしまった。


「消防士と付き合いたい」


彼女がそう言っているのを。


俺の夢は、消防士になることだと話したはずなのに。


でも、もう関係ない。

彼女の未来に、俺はもういないのだから。


この2ヶ月は、俺にとってかけがえのない時間だった。


だから、前へ進む。


END

読んでくれてありがとう、次は自分を愛してくれる人と付き合います、でも、もう少し元カノを追わせてください

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