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無名の臣僕  作者: 夕暮
1章 編入試験編
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1話 聖学校入学?!

時は14世紀に遡る。小国ヴェルヘイムのヴィツケート・ネロ王は16歳と若くして王になった。ネロ王は、王に就くとすぐにブシュ島の4国を統一すると宣言した。国民の士気を上げるためにも栄冠令を施行し、戦で活躍した者に対し名を与え、生涯の暮らしを保証した。この物語は激動のこの時代を生き抜いた主人公 アルが名をもらうまでの話である。


ネロ王のこの宣言は瞬く間にヴェルヘイム全土を駆け巡った。今年16歳になる僕のもとにもこのニュースは飛び込んできた。

『栄冠令ついに施行!』

 僕は目を輝かせてこの伝令紙を読み込んだ。「栄冠令か、、」と知らぬ間に呟いていた。よく伝令紙で幼い頃から、この国の英雄シラフィルの活躍を見ていた。シラフィルの持つ軍は全て名を与えられた者のみで構成されていた、いわばエリート集団である。僕の夢はシラフィルのように国を守る強い戦士になることだ。栄冠令で名を与えられた者は、それの証明になる一つの目標として僕の夢への道を照らした。僕は胸の高鳴りを抑えることができず、一緒の家に住んでいる叔母に対しての挨拶も忘れ、今日も稽古に励もうと階段を勢いよく降りた。

階段を駆け下り、ドアを開けると一枚の紙が目の前に落ちてきた。僕は無意識に手を出し、紙は僕の手のひらでぴたっと止まった。

『君は選ばれし軍師である。従ってキャリヴィミック校への入学資格を有するとする。

  聖学校 キャリヴィミック校学園長 ファルセイム2世』

 聖学校は国内に四つしかない、軍師や戦士の育成機関である。その合格者は1%も満たない。また、王直属の軍や、シラフィルの軍などのほとんどはそこ出身の者ばかりである。そんな聖学校からの便りに、僕は一瞬なんのことかわからなかった。だか、すぐさま理解を追いつかせ、叔母にこのことを言いにいくために扉をまた開いた。


-----

僕は晴れて春からキャリヴィミック校に入学することになった。胸の高鳴りを抑えることができないまま、学校に到着した。

「今からクラス分けをする。クラメリック館へ集合しろ」

 と、眼鏡をかけた先生のような人が案内していた。

 クラメリック館へ行くと、そこには1000人ほどの生徒がいた。あと数十席しかない椅子に腰掛け、式を待った。

「ねぇねぇ!君!」

と、長髪で端正な顔立ちの人が話しかけてきた。

「僕はネオ。よろしくね。君の名前は?」

「僕の名前はまだないんだ。」

「そっか、。」少し気まずい空気が流れたが、すぐに学園長の話が始まった。しかし、僕はさっきのネオのことについて考えていた。ネオは名前があるってことは有名な家系なのだろうなと思った。ヴェルヘイムでは、栄冠令で名を与えられる以外にも、その地域の有力な豪族、貴族、その他上級役職の家系には名付けることの許可がなされている。従って、名前があるということはそれだけ家の地位が高いということである。

そんなこんなを考えていると、学園長の話が終わり、クラス分けが始まった。軍部配属育成はエルガルト館、内政部配属育成はケルンベルト館に集合らしい。

「君はどっちの配属なの?」とネオは言った。

「軍部希望だけど、、。僕はどっちか知らなくて、どこに書いているの?」

「え、君は黄色の紙を見ていないのかい?」

 僕はもう一度ポケットにくしゃくしゃに入れていた紙を見た。

「え、内政部配属だ。」

 少し沈黙が流れたあと、ネオがあることに気づいた。

「確か内政部配属でも、年に一度転入試験があって、それに受かれば軍部配属に転入できるよ。」

「そっか。それで勝てばいいのか」

 ネオの言葉を聞いた時から勝つことだけしか考えていなかった。軍部配属のネオとはそこで分かれ、1人でケルンベルト館へ向かった。

厳かな風紀のケルンベルト館では、生徒らのアクタルやカリスのデータを測っていた。この国では、生まれると共に星から能力を授かるという。この星からの能力は"アクタル"と呼ばれ、一人一つのアクタルを手に入れる。そのアクタルは自分の中にある“カリス"と呼ばれる器の大きさに応じて能力を使える。このアクタルは一般的に父方の家系のアクタルを引き継ぐと言われている。だからこの国では役職の世襲が多いのだろう。また、アクタルは後天的に伸ばせる者ではないと一般的に考えられているが、カリスは鍛錬や自分の身体能力により増減するため、人は鍛錬を積むのである。しかし、僕のアクタルは発現しなかった。僕はその事実を知りながらも鍛錬を積んだのだ。

「じゃあ計測するね。」

【アクタル 計測不可 カリス 45%】

「こんなの見たことない。なぜ君はこの学校に入れたんだい? まぁいいか。次。」

と計測の先生からも侮辱され、悔しい思いをした。でも本当になぜ僕はこの学校に入れたんだろう。今まで合格したことに浮かれて考えていなかったが、疑問に思い始めた。

「では、明日から訓練を始めるので、遅れないように、解散。」といって今日の訓練は終わった。

 

 

※カクヨムでも掲載しております

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