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はぐれ鳥

作者: 絵の具箱




はぐれ鳥

群れを探している

だから

独りがすごく寂しい



はぐれ鳥

群れを探している

だけど

いつから独りなのかわからない



群れは確かにそこにあったのに


群れは確かに温かかったのに



ふと

鳥は思う



もしかしたら


群れを見つけたいのではないかもしれない


記憶を改ざんしているだけかもしれない



鳥は怖くなった




どうしようか、群れがこのまま見つからなかったら




保証なんてないのも、確かだった




寂しくて泣いた


暗闇は果てしない気がした

時間も果てしない気がした



空を見上げた


真夜中にきらめく星というものだって

鳥目では

見つけることができなかった




はぐれ鳥

飛ぶのをやめた

地上を見下ろし

たまに歩いてみた



探しものは

見つからない



随分長い間

飛ぶのをやめたから

羽は機能を果たさなくなった


そして

それは抜け落ちた



はぐれ鳥

丸裸になって横たえた




群れの夢をみた




母は笑っていた

父は頼もしかった


恋人もいた

幸せだった


友人もいた

数は少ないけれど





とても遠い記憶


あぁ、確かに

群れはあった


私はそこにいた




もう寂しくはなかった

だけど

とても悲しかった



さよならさえ言えない



どうか


思い出して


思い出して



はぐれた情けない一羽の鳥を



そうしたら

忘れたって構わないから

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