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TSなんてクソくらえ  作者: 亜ノっちゃん
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第一話【早乙女 麗矢元男性、女性に性転換しました】その1

時は2021年、歴常学園という高校があった。

歴常学園は創立47年、伝統云々を大事にしており偏差値もそれなりに高い。

だが、この学園には一つ大きな特徴があった。

それは、異常なまでにイケメンが多いことである。そんなイケメンたち目当てに入学してくる女子生徒は多く、

俺、早乙女 麗矢【サオトメ レイヤ】もそれなりに女子生徒に言い寄られることが多い、正直面倒で仕方がない。

親父は日本人で母親はイギリス人のハーフ、目は青色で髪は金髪。これまでも何度もこういうことはあったが、この学園に入ってからは異常だ。

とっとと彼女を作る連中も多いが、俺は恋愛には一ミリも興味がないため、二年になってもずっと男友達と遊んでいる。

こうなることは分かっていたが、それでもこの学園に入学したのは、幼馴染がこの学園に入りたいというからだ、授業も終わり下校時刻本当に疲れた…帰りたい。

「どうしたんだよ、そんなにぐったりして~、2年になって急に授業が難しくなったから萎えてんのか?」

「それもあるけどさ、なんつうか、女子がうるせぇ」

明るく煽るように話しかけてきたこのイケメンは俺の幼馴染の琴吹 新【コトブキ シン】

身長179㎝、赤くツンツンとした長くも短くもない髪が特徴。

勉強は俺と同じく苦手だが運動神経はよく明るい性格もあって、男女問わず友人も多いが所々ドSな面もある。

俺も運動神経はいいが身長差で負けることが多い、ちなみに俺の身長は161㎝だ決して160㎝ではない161cmだ。

「あぁ、クラスも変わったしな、一年のころみたくマスコットみてぇにまたモテるんじゃねぇの」

「それが文字通りマスコットそのものだから嫌なんだよ」

そう、俺が恋愛ができない理由…それはこの身長である。

高校二年生の平均身長は175㎝なのに対し、俺の身長は161㎝、14㎝も差があるのだ。

おまけに趣味は料理や裁縫、恋愛漫画や可愛いものが大好きという乙女気質。この性格や見た目のせいで女子からはカッコイイではなくカワイイと言われる始末。

それに対して新は。

「お前はいいよな、女子にキャーキャー言われてさ、お前体育の授業中にカッコイイじゃなくて可愛いって言われた人の気持ちわかるか?」

「どんな気持ちなんだよ?」

「すっげー惨めで恥ずかしい気持ち」

俯いて言う俺に対し新は明るい笑顔で

「何なら女装してみるか?w」

などと言う

「しばかれてぇのかお前」

などと冷たくあしらってはいるが、これが俺たちのいつもの会話。

あとはもう一人荒井 秀人【アライ シュウト】という幼馴染がいるのだがそいつは二年になる時クラスが別れてしまった。

「まぁまぁ冗談なんだからいいだろ、そういえば今日帰りに皆でカラオケ行くけどお前は来るか?」

新はこうして俺を時々遊びに誘ってくれるが俺の答えはいつも決まっている。

「いや、俺はいいよ、楽しんで来い」

「お前…、たまには羽伸ばしたらどうなんだ」

「珍しく真剣に言うじゃないか、大丈夫だよ、家事は好きだしそんな心配すんなって」

家の親は昔から海外出張が多く、大学生の姉と双子の妹と弟の四人で暮らしている。不自由はないが、まだ七歳の妹と弟のために家の家事はすべて俺が担当している、姉も手伝ってはくれるが、大学で疲れている姉に家事を手伝ってもらうのは気が引けるから、いつも姉が帰ってくる前に大体のことはおわらせなくちゃいけない。

「んじゃ、俺さき帰るよ。秀人は今日部活だろ」

「あぁ、まぁいいか、なんか困ったことあったらいつでも言えよ」

「わかってるよ、いつも悪いな」

こうして俺を気にかけてくれて本当にうれしいから、いつも断っているのが申し訳なくなる。

「いいさ、子持ちの主婦って大変だろうしな」

前言撤回明日殴る

「はぁ、じゃあな」

「あぁ、また明日」

本当に今日は疲れた、さっさと家に帰るか。


学校から駅まで十分歩いた後二十分程電車に揺られそのまま駅を降り十五分ほど歩いたところに家はある。

扉を開け玄関に入ると靴が三つ並んでいた、姉さん帰ってきてたのか。

「ただいm」

『おかえりー-』

言い切る前に妹と弟が俺の腹に突っ込んできた、その反動でおもいきり尻餅をついてしまった。

「ただいまぁ」

「お兄ちゃんお兄ちゃん今日のばんごはん何?」

元気に今日の夕飯の献立を聞いてきたのが弟の早乙女 響夜【サオトメ キョウヤ】親父に似た響夜は黒髪黒目、根っからの日本人だ。

「今夜はコロッケだよ」

「やったー!」

「お兄ちゃんあのねあのね、お姉ちゃんが今洗濯物たたんでるの」

姉が洗濯物を畳んでいると教えてくれたのは妹の早乙女 椎奈【サオトメ シイナ】。椎奈は俺と同じ母さん似で金色の髪を頭の左上でくくっている、サイドポニーテールと言うらしい。

二人とも今年小学一年生になった元気で可愛い俺の弟妹だ。

「そうか、教えてくれてありが・・・椎奈今なんて?」

「お姉ちゃんが今洗濯物たたんでるの」

「いつから?」

「一時間くらい前からだよ」

答えてくれたのは響夜だった。

嘘だろ、姉さんが一時間も前から洗濯物を畳みだしているというのか?。早く行かなくては、弟妹達の相手も大事だが今はそれどころではない。

すぐさまリビングにいったがもう遅かった。

「れいやぁ~、助けてぇ~」

そこにあったのは服とハンガーに絡まり身動きがとれなくなり半泣き状態の姉、早乙女 美波【サオトメ ミナミ】の姿だった。姉さんは親父似で黒いストレートの髪もきれいに絡まっている。いったい何をどうすればこんな姿になってしまうのか、俺には…いや誰にもわからないだろう。

「姉さん、どうしてこうなったのか教えてくれないか?」

「いや違うの、今日は早めに帰ってこれたから洗濯物たたむくらいは手伝おうと思ってそれで…」

必死に弁明しようと早口で喋るが途切れてしまった。

「それで?何?」

少し威圧的に聞いてみる。

「絡まりましたごめんなさい」

「はぁ」

その回答に対して深いため息をしてしまう。

そう、早乙女家長女早乙女 美波はなぜか家事に対してのみ天災といってよいほどにへたくそなのである。

「姉さん言ったよね?一人で家事はしないって」

「うん、だから響夜と椎名の三人でやったんだよ」

言い訳をしながら姉さんは目をそらしている。

すると椎名が俺の服の袖をつかんで引っ張っているのに気づく。

「椎名どうしたんだ?」

「お姉ちゃん嘘ついてる、お姉ちゃん一人でやってお兄ちゃん脅かそうとしてた」

「姉さん?」

姉さんのほうをもう一度見てみる。脱力しきった状態で俯いている、どうやら言い訳は諦めたみたいだ。

「ちょっとは私もできるってところ見せて安心させったかったんだけど。またこうなちゃって、本当にごめんね」

今までの慌てた表情とは違い申し訳なさそうな顔で姉さんがこっちを見てくる、そんな優しい姉に強く怒れない俺はそっとからまった服やハンガーを解いていった。

「別に怒ってないよ、今日は新にも心配されちゃってさ。俺は大丈夫だって何度も言ってんだけどね」

家事が絶望的に苦手な姉さん、まだ幼い弟妹、海外で仕事をしていて年に数回しか帰ってこれない両親にかわってこの家の家事をすべて負担している俺はよくこうやって周りの人たちに心配されてしまっている。

「はい解けた、洗濯物後にしてこれから夕飯作るから、姉さんは休んでなよ大学疲れただろ」

「うん、いつもありがとね麗矢」

申し訳なさそうな顔でお礼を言う姉さんを背に早足でキッチンへ向かい晩御飯の支度を始めた


晩御飯を終えお風呂に入ってからはまっすぐ自室のベットに仰向けで倒れこんだ。

「はぁ」

一息ついたら大きなあくびが出てきてしまった

正直なことを言うと疲れないわけではないが俺自身が好きでやっていることだし、何よりもそれで家族が健康で元気でいられるのならそれ以上に嬉しいことはない。

最近疲れが取れていない気がするけど顔にでも出てたのかな、これ以上心配かけないようにしないと。

いろいろ考えていたらものすごい睡魔が襲ってきた。

「やべ、あしたの…じゅん…び」


見たことがないくらい真っ暗な空間、ぼんやりとした意識が目を覚ます目の前には光の球体のようなものが浮かんでいる。夢だな

最近疲れていたせいで変な夢を見てるのか意識はぼんやりとしているのに体は少し自由に動く。

ゆっくりと光の球体に手を伸ばしてみる、すると光は瞬く間に大きくなり真っ暗だった空間をまぶしい光で包み込んでいった。


「んぁ」

カーテンの隙間から入ってきた朝日で目が覚めた、部屋に行ったとこまでは覚えてるけどそのまま寝てしまったのか……待て今は何時だ?

時計の短針は6時をさし長針はピッタリ12時を指している、そうつまりは現在の時刻は午前6時である。

「やらかした!!」

高速で階段を駆け下りリビングへ向かう、普段は4人分の朝食を準備し姉さんと自分用の弁当を作って洗濯物をすべて干すために5時に起きていたのだが思い切り寝坊をしてしっまたようですさぁどうしよう?

俺の弁当を抜けば間に合いそうだな。

いつもより1時間多く寝たにもかかわらずまだ体が重い、主に肩がすごく重い。

とりあえず朝食の準備をするためにキッチンの上にある棚から鍋を取り出す、みそ汁を作るために鍋に水を入れようと上から鍋を下すと同時に自然に顔を下に向ける。するとそこには鍋ではなくそれなりのサイズのボールが2二つあった、どうやら俺の服の下にそのボールはあるらしい……は?まってどゆこと?

脳が処理しきれていない状態でゆっくりと自分の服の襟元を引っ張りそのボールの正体を確かめた。

そうこれは、ボールなどではない!おっ〇いである!!…………?

「ちょっと、ん?まって」

全速力で洗面台まで走り鏡をにらみつける、そこには見たことのない女の子がうつっていた。

腰ぐらいまである長い金色に輝く髪とサファイアのように輝く蒼白い瞳、いやマジで誰やねん。

いや今この洗面所にいるのは俺だけだから間違いなく俺なんだろうけどは?コレオレ?

「はぁぁぁぁぁぁ!?」

朝っぱらから我が早乙女家に聞いたことのない女性の叫び声が響いた。



第一話【早乙女 麗矢元男性、女性に性転換しました】

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