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3話 特殊能力の発現日

「……っ!?」


 静真は、牙刀の右手目がけて蹴りを炸裂させた。

 右手は潰され、左腕で防御体勢。

 牙刀の顔は刹那、驚いた表情をしたがすぐに笑みを貼り付ける。

 

「あまいな」


 蹴りは易々と受け止められて、右足をがっしりと鷲掴みされた。


銀天三昧(シルドサイド)


 いつの間にか静真の肌は無数の血線がつけられていた。

 高速で動いた、なんてレベルではない。

 これは俺が素人目だから分からないのだろうか?

 牙刀のナイフははっきりと俺の右頬に傷をつけた。

 その後の攻撃はなかったはず……


「これが”特殊能力”だよ」


 牙刀はナイフの刃を長い舌で舐め回し、軽蔑の目を向けた。


 


『”特殊能力”とは不可能を可能に変えるモノ』


 教師は皆んなそう言う。


 ”特殊能力”がなければ不可能なモノは不可能なままなのか?

 

 それではあまりにも不公等だ。

 ”特殊能力”がないという理由だけで虐められ、劣等感に満ちた人生が決定する。

 そんな状況には、誰でも嫌悪感を抱く。

 

《だったら、奪えばいいじゃん》


 またか……

 幻聴なのか、本当に囁かれているのか分からないが、憎悪に満ちた声がする。


 体から憎悪の念が溢れ出すような感覚だ。

 止まらない、まるで自動操縦されているようである。 

 

「まだ歯向かうのかい?」


 そんな目で俺を見るな……

 

「まぁ、いい。殺すか」


 牙刀は強く地面を踏み込み、宙へ飛ぶ。

 すらっと伸びた長い足で旋回し、静真の左側頭部に攻撃が展開する。


 食後のデザートを待ち侘びている人のように、牙刀の瞳は好奇心に燃えているようだ。


「ぐっ……」


 牙刀はあまりの力に眉を顰める。

 牙刀の足は静真の片手によってしっかりとキャッチされていた。



(とんでもない、パワーだ……。こいつ本当に……)


 静真はそれだけでは終わらない。

 足を勢いよく自分に引き寄せ、バランスを崩したところ、左足で牙刀のナイフを蹴り上げる。


「あっ、しまっ……」


 手首付近に攻撃があたり、不意にもナイフから手を離してしまう。

 静真はその瞬間を見逃さない。


 ナイフを左手で掴み取り、素早く喉元に突きつける。


「ま、ま、待て……!!」


《殺れ》


 その言葉通り、実行した。


 喉元に当てたナイフの刃先にグッと力を込めて、喉を掻っ切る。

 

 静間の顔は返り血を浴び、紅に染まっていた。


「……」


《気に止むことはない。それよりもアレをやるぞ》


 静真の体はプログラムされたかのように自然と動きく。


 静真は牙刀の心臓部に手を当てて「盗品(デッド・スティール)」と唱えると静間の頭は朦朧とし、意識を失った。


 この時はまさか、あんなことになるなんて思いもしなかった。



 


 


 

 

 

 



 

 

 

 

 


 






 

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