表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

61/67

最強を上回る超理不尽

「マジかよ、これは幾らなんでも……」

「お、おい! 一体どうしたというんだ!?」

「サン、四天王はみなバグに冒されていたのです。その四天王を取り込んだ魔王は、その身をバグに捧げることに」


 これって、この能力値って、いったいどうしたらいいっていうんだ。


『『ラ力*+39R=??『』

】防${{90!>>>>

『%早##:7YQP<BH『

『『『『魔魔0』P=~7」

HPPPPPP&%2-・Ω


 全ての能力がバグってる。ボス耐性が残っているのなら、即死も通用するか分からない。というより、その身に触れてしまうことすら危険なような気がする。


 一体いつ、四天王はバグに冒されてしまったんだ。後ろから迫るバグに呑み込まれたのか。しかしエスヴァプはバグの影響が見れたものの、マップの移行不良が主であり人体への影響は見られなかった。そしてアンジュエラを帰した後、絨毯を買いに立ち寄ったハイネの町。そちらも未だ無事であり、つまりラシーニアやベゲット山からの方角の影響ではないはず。だとしたら何故、しかも全員。


 恐らくきっと、四天王の内の誰か一人がバグにやられてしまったのだ。そしてその者と接触したが為に、他の三人もバグに吞まれた。では果たして最初の一人目は――


 俺自身への異変、透過のバグの影響を確認したのは、ルイに会う直前だった。しかし実際バグに感染したのは、きっとそれより前のはず。であれば俺はいつ何処で、バグに感染したのだろう。


 思い返すと、俺がバグに触れたのは始まりの部屋の中だった。しかしその時は何も見られず、その後も透過は起きていない。次にバグに触れたのは、サンを救った湿地帯でのこと。サンの胸の空洞に、俺は手を通したのだ。そしてその後に発症し、ルイと出会ったという流れ。もし仮に、サンのバグが発端だというのなら、それに触れてしまった者は――


「エ、エウレタン……奴はサンの胸に腕を通してしまっている」


 それだ、それしかない。そこから四天王は感染したんだ。ネイロンとアリルはエウレタンの話を聞いてる以上、少なくとも片一方は戦いの後に接触している。エステルも俺と戦う以前の段階で、ネイロンかアリルと接触している。だから三人の戦い方も知っていて、地の利の有用性と共にそれを俺に話していた。


 サンは悪くない。むしろサンがいなければ、この旅は既に行き詰まっていたくらいだ。ならば今起こってしまったこの事態、それをどうするかが重要だ。


 蠢くバグの塊は俺を俺と認識し、こちらにじりじりと迫ってくる。これほど悪化したバグならば、触れれば即座に感染し発症にまで至るだろう。それは床を通じて、バグに冒される城内が物語っている。


「ど、どうするのよ!? このまま攻撃を加えて行く訳?」

「そのつもりだ。だけど怯ませることはできても、それで倒すことはできないと思う。こいつは恐らく、このままの姿では倒すことは不可能だ。ルイの力が必要で、ダメージを通すには実体に戻す必要がある」

「私は、私にできることは何もないのか?」

「そんなことはないよ、ルイが触れるまではサンしか実体を見ることはできない。俺とルイにはあいつがどこに向いてるのか、何をしようとしているのか、そういった挙動を確認できない。だけど気を付けろよ、床を通じてバグの浸食は進んでる。後ろに引きながら、それでこいつと戦おう」


 後ろには四天王の部屋が四つ、そしてホールを抜ければその後ろは無限の谷底だ。それが俺たちのデッドライン、そこに至るまでに、こいつをなんとか倒し切らねばならないということ。


「行くぞ! サン、ルイ! これが最後の戦いだ!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ