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071.5:戦う者たちの詳細

 コロセウム闘技場。

 今この場所にはソウタが現実世界で造ったキャラクターが三人いる。


 一人目は圧倒的な実力を誇るロイヤルナイツにしてNo.1の実力者ルミエル。

 その実力は語るまでもない。

 ロイヤルナイツNo.1という肩書き。

 これはこのクレアール大陸において右に並ぶもがいないという証だ。


 加えてルミエルの能力、【絶対勝利の瞳】

 これは自分より強い存在に対して効力を発揮する能力だ。

 今の自分の力と、その瞳に映る相手の力。

 相手の力が今の自分の力より強ければ、その人物はルミエルの瞳からは自分より強い証として闘気が溢れて映るようになっている。


 そして絶対勝利の瞳の能力はここからだ。

 自分より強い相手を"本気の戦い"で打ち負かせば、ルミエルはその人物の強さに加え、絶対勝利の瞳の能力で【勝利数】が蓄積されていく。


 この勝利数は単純に蓄積された分だけルミエルの強さが上がるという単純極まりない効果だが、シンプルに強力な能力となっている。


 だからルミエルは闘気が見える相手と戦い、それを上からねじ伏せ力をつける。

 この繰り返しで自然と力が付いたルミエルはロイヤルナイツNo.1へと登り詰めたのだ。


 そしてルミエルの瞳に闘気が映らなくなったその時が、ルミエルがこの世界で最も強い存在になったという証明になる。


 ただそれはルミエルにとって苦痛極まりない事であり、退屈だった。

 だからルミエルは常日頃、強者を求め続けている。


 そんな絶対的な力を持ったルミエルの見た目だが、まだローブを着用しており完全に姿を見る事は出来ないがその内側はソウタには見えている。


 綺麗なホワイトブロンドの髪色をした女性だ。

 全体的にサラりとした髪質で、おでこを軽く見せる程度に前髪が分かれている。

 俗にいうM字バングと言う奴だ。

 前髪は肩より少し長めで、後ろ髪はふわりと広がっている。

 軽いエアリー感を出してボリュームを出しているのが特徴だ。

 顔はどちらかというと可愛いよりというかは中性的な顔立ちである。

 上品さを感じる瞳はどこか力強くもあり、見たものを一瞬で虜にする。

 女性からの人気も高いというコンセプトで作ったキャラクターだ。


 二人目は武器などに頼らず、己の鍛え上げた肉体と拳で戦うモンクのロヴァート。

 彼はある人物の弟子だ。

 その人は魔物が苦手だが対人間においては最強格。

 なので自分の弱点である魔物に対しても強く戦える弟子を育て上げた。

 それがロヴァートだ。


 ほぼ坊主に近い髪型をしているが、実際はかなり短めの髪を生やしている。

 結構な長さのあるもみあげを束ねて垂らしているのが特徴だ。


 威圧感を与える力強くて鋭い目つきとその恵まれた体格で、瞬時にこいつは間違いなく強者だと感じさせることが出来る程にはイカつい見た目をしている。


 戦闘スタイルも見た目通りで、己の肉体をフルに活用した馬鹿力を用いて戦う。

 ただし脳筋ではない。


 戦闘センスが抜群なため、常に戦況を見極めその場面に適した攻撃方法や状況判断など、一般的なモンクとは比べ物にならないくらいに戦いが上手い。


 唯一の弱点として魔法などはからっきし使えないが、それを補えるレベルで自分の体の中にあるマナを練る技術には長けており、その技術で繰り出されるマナの放出は魔法の威力をも上回る。


 それらに加えて、モンクには【呼吸】と呼ばれる技法を使う事により、更に身体能力を高める事が出来るうえに呼吸を使う事で使える技も存在する。


 ロヴァートクラスのモンクはこの世界には指で数える程しかいないため、その戦い方や技の数々は未知数だ。ただソウタはその強さを一番よく知っている。


 そして最後に変幻自在に武器を操り、神器であるバリアブルスを用いてトリッキーかつ豪快な戦いが得意なフランシスカ。

 ただし今のフランシスカはそのバリアブルスや普段装備している重装がないため普段の実力の半分も発揮できている状態ではない。


 だがフランシスカはそれ抜きにしてもあのルミエルの妹だ。

 潜在的な能力はかなり秘めている。


 フランシスカが具現化した真紅の片翼はその翼を使い空を飛ぶ事が出来る。

 そして翼から放たれる超高熱のマナを用いた攻撃は空から無数に降り注ぐ火の雨と化し避けることが不可能なほどの弾幕を打ち続ける事が出来る。


 それに加えて、片翼をムチのようにしならせて広範囲を一気に攻撃することが可能なうえに翼で体を包み込んで防御手段としても使う事が出来るため、攻防一体の具現化だ。


 ただし忘れてはならないのは背中に生えている真紅の翼がまだ片翼であるという事と、フランシスカ自体が今の状態は完全武装ではないため実力の全てを出しきれていないという事だ。


 本来フランシスカの具現化はバリアブルスを用いて初めて真価を発揮する事が出来る。

 それなのにも関わらず、真紅の片翼を具現化させたフランシスカがルミエルの絶対勝利の瞳に、わずかながらも闘気が溢れて見えたという事実。


 これはフランシスカの潜在的な力を表していた。

 

 こんな実力を持った三人が偶然にも同じ場所に集まり、更にはフランシスカとルミエルという姉妹を実際にこの目で見られた事にソウタはかなり興奮している。


(まさかシラユキと【クロベニ】よりも先にお目にかかれるとは……。

 まあ完全に姿を見れているわけじゃあないけどさ)


 ルミエルとフランシスカはどちらもマジックローブを着用して素性を知られないようにしていたが、ソウタからしてみれば扱う技、そして喋り方や性格などを見れば顔を見ずとも一瞬で人物を特定する事など容易だった。


 中でも特に見分けがつきにくいのがフランシスカだった。

 理由はフランシスカの能力である【変幻自在】にあるが……。


 今はもうそんな事を考えるのはどうでもよかった。

 それよりも今の自分の力とあの姉妹。

 そしてロヴァートとの戦闘でどれだけ強くなったのかを知れるチャンスだ。


 クレアールの力もまだ完全に把握できていない。

 いずれはどこかで使う場面が出てくるこの創造の力。

 この創造の力の扱いに慣れるためにも、この三人との戦いは良い練習になる。


 そしてどの程度の力加減で扱えばいいのかも知ることが出来る。


(異界で強くなったのが実感できた丁度良いタイミングでの実践だ!

 今の自分の力、試させてもらうぜっ!)


 こうしてソウタはクレアールを具現化させ、戦いに挑むのだった。


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