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転移したら鳳凰だった⁉︎  作者: にしやち
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性格クズ寄り社畜27歳男性が異世界に転移したら鳳凰だったって話

 「おはよう、おはようって‥‥起きてよ。」

うん、また朝が来てしまったか‥‥

なんでこいつはまた家を出る2時間前にわざわざ起こしてくるんだ。

本当憂鬱だわぁ。

「ちょっと、聞いてるの⁉︎」

「あ、ふみちゃん。はいはいおはようございます。」

「うん、おはよう、おはようのキスはぁ?けんさん。」

はぁ、こいつはよく毎日飽きないなぁ‥‥

-ちゅっ

「うん、おはようございます、今日も大好きだよぉ!」

「おう、おはよう、起こしてくれてありがとう」

本当はもっと寝かせろって感じだけどな、言えねぇよな

ガチャガチャ

「ジャーン、朝ごはんお待たせしました。どーぞ。」

-白米、目玉焼き、納豆、レトルトの味噌汁が食卓に現れた‥‥

こんなに早く起こす必要あるかぁ?毎日同じメニューの朝ごはん。

正直もう飽きたよ。

お前は専業主婦だろ、ご飯くらいしっかりしてくれよ。

なんてな、こんなこと思ってたら世の中の主婦たちに殺されそうだわ。

さっさと食って皿洗いだな、これしていかないとすっかり機嫌が悪くなる妻。

ふみちゃんと結婚して3年目、世の中では新婚っていうのかな。

実際結婚してみれば生活が光り輝くと思ってたのに、何も変わらない。

むしろ、嫁への想いは無になっていく。

出会った頃は好きだったんだけどな、一緒に生活すると嫌な所ばかり目立つ。

最初から、嫁と俺はなぁなぁで付き合って、なぁなぁで結婚した。

嫌いなわけじゃない、愛してるけどなんかな。

「あー、もうまた自分の世界に入ってる!もうちゃんと話聞いてよ」

「お、はいはいごめんごめん。何だっけ。あ、そういえば今日も残業になるかも。」

「えー、今日も寂しいよぉ。」

「ごめんな、仕方ないんだよ。ご馳走さん。」

「はい、お粗末様です。」

- 洗い物まで済ませて、家を出る。

これが俺の大体のモーニングルーティーンだ。

モーニングルーティーンなんておしゃれぶるもんじゃないけどな。

家を出て、通勤開始だ。次は駅まで15分徒歩。

これが中々面倒くさい。

そして電車に揺られ20分、駅から職場まで10分弱。

計45分は通勤に時間が取られているわけだ。

こりゃ疲れるぜ。

「おはようございます。」

「「おはようございます。」」

またみんな出社してやがる、これでも仕事始まる30分前だぞ。

この社畜どもが、お前らみたいなのがいるから経営陣はまた調子に乗るんだぞ。

そうは思いつつ、俺もいつもみんなに合わせて30〜50分前くらいには出社してる。

これだから日本人は嫌だぜ。という俺も生粋の日本人。

おっと始業時間が始まるな。

ちな俺は、プログラマーだぜ。でももぐりだよ、毎日出来ないことばかりで鬱になりそう。

これでも入社5年目のもうすぐ中堅と言われるポジションにもつかないといけない。

まぁ何か技術について質問されても答えられないけどな。

-カチカチカチカチ

-カチカチカチカチ

「おい!!!まだこんなんも終わってないのか!いい加減にしろよ!女だからって甘えてんじゃねぇ。」

シーーン‥‥

あー、また始まったよ。お堅い上司山本さんのお説教。

「はぃ、すみません‥‥」

そして怒られるのは新人の楢崎さん。

この子も声が小さいしはっきりしないし、分からない事があれば聞けば良いのに中々聞けないそんな子だ。

恰好の標的だけど、前田さんは毎日怒鳴る。

聞いてるこっちがイライラしてくる。

でも、楢崎さんも楢崎さんで、質問しないがために失敗したり周りに迷惑をかけてるのも事実だ。

はぁ、仕事辞めてぇ。

-カチカチ

-カチカチ

でも基本この職場は良い意味でも悪い意味でもとてもドライだ。

プライベートの集まりとかもない分、怒られてる人を励ましたり飲みに行ったりとかもない。

そのためいつもカチカチとパソコンのタイピングの音だけが響いてる。

そしてたまに前田さんの怒鳴り声と、楢崎さんのすすり泣く声だ。

本当に狭い世界。

俺も仕事が分からないから、残業してるし、進んでないから悪口言われてるんじゃないかって不安になる。

5年目のくせにって絶対思われてるよ。はぁ、鬱だ。

-カチカチ

-カチカチ

おっと、12時だぜ、やった!

休憩だ、ずっと待ってた、休憩だぁ。

社食へ行って食事をしてると、なんだかんだいつも食べる場所は決まってて、休憩はなんだかんだ集まって同期3人で食ってる。

-ガヤガヤガヤガヤ

「Aセット1つお願いします!」

今日のお昼はトンカツだ、旨そう。

「けん!お疲れ、今日も会えて嬉しいよ!」

「お、おう!お疲れ」

席に着きお箸を持つと後ろから話かけられた。

こいつは、同期の爽やかイケメン原だ、何人こいつに気がある女子を見てきたか分からない。

ただの生簀かないイケメンなら許すが、こいつは性格も爽やか。王道イケメンだ。

男として一生叶う気がしない‥‥。

そんなこと言ったら、からかわれるだけだから絶対言わないけどな。

いつも通り原は俺の前の席に座る。

お、こいつはB定食か、カルボナーラ俺は迷ったけどトンカツにしたが、こいつがカルボナーラ食ってると食べたくなるなぁ、ぐぬぬ。

まぁ、トンカツも旨い!

「お疲れさまです。隣良いですか?失礼します。」

2人で食べていると、また後ろから声がした。

こいつもいつもご飯一緒に食べてるメンバーの小山だ。

いつも誰にでも敬語。敬語がもうくせなのかな、こいつが俺らにもタメ口使うことは滅多にない。

1回飲みに行ってベロベロに酔わせた時くらい。

「けんさんもトンカツなんですね、同じです。」

「うん、トンカツ美味しいよな、カルボナーラなんかより美味しいと思うぞ!小山、お揃いだな!」

「はい!そうですね、美味しいです!」

「おいおい、俺だけ仲間ハズレかよぉ、けんちゃん、小山ちゃんよぉ」

「「あははははは」」

毎日こんなくだらない話ばかりしてるけど、俺がこの仕事続けていけるのもこいつらのこの時間のおかげかもな‥‥

なんてな。こんなこと口が裂けても言えない言葉パート2だ。




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