↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
58/132

第五十八話 採掘場での話

「ギルマスのイタズラさ」


 シェランさんはそういった。


「イタズラ………」


 リュトの口から小さく漏れる。


「そんな、なまやさしいモンじゃなかろう」


 ダレフさんは憮然と声を上げた。

 私とリュトはなんの話かわからないでいると、シェランさんがリュトに話しかけた。


「リュト、アンタの身は売られていたんだ。アンタの知らないところでね。もちろんギルマスも知らなかった」


「えっ!?」


「領主が勝手にそう言ったのさ、『親のいない者は保護する』とかもっともらしい理由をつけて、アンタは引き抜かれそうになってたんだ」


 それを聞いたリュトは、愕然とした表情のまま固まってしまった。

 そしてシェランさんは私の方を向く。


「嬢ちゃん、嬢ちゃんは気づいているだろ? あの街の不自然なところを」


 いきなりシェランさんは私に話を振ってきた。

 不自然、不自然……… 私は気づいているって言うけど、なんの事だろう? あの街はお墓が多かったけど大きい街だし、あれくらいは普通なんじゃないかな?

あと気になることと言えば………

 私は街の情景を思い出す。

 あっ! そういえば!


「あの街は老人ばかりでした!」


 私の答えにシェランさんは黙ってうなずく。


「ここの鉱山の働き手が足らないのさ、領主は新しい労働力を探している。冒険者ギルドに対しても話が上がっている」


「いや、待てよ姐御。親がいないからって、だからってなんで俺が売られなきゃならないんだ? そんな話ギルマスからも聞てないぜ」


 リュトは納得がいかないのだろう、どこか少しパニックになっているように見られる。


「そりゃあロイが「そんな話は聞けない」と突っ張ってたからな。聞かない以上、お前には言えないことだったのさ」


 シェランさんの言葉づかいは変わらないが、言葉にどこか柔らかく、優しさを含ませている。

 私にはリュトをなだめているように感じた。


「けどよ、他からもきてるんだろ。領主さまは奴隷を解放するを条件に他領にも声をかけて、この前も増えたじゃないか」


「えっ? それじゃあ北門を過ぎたところで会った人たちは………」


 思わず声をあげてしまった。

 シェランさんは私を見る。

 私が疑問に思っていることを感じ取ったようだ。

 私の疑問、それはあの人たちは奴隷ではなかったということだ。

 奴隷を解放するということ、奴隷ではないなら、いつでもそこを離れることが出来るはずだ。

 離れようと思えば、いつでも離れられる。

 だけど彼らは離れるどころか逃げ出すことも出来そうでなかった。

 事実、少なくとも彼らのうち一人は火ダルマにされたのだ。


「ここの領主のそいつらへの扱いは、法においては奴隷じゃない。ギリギリだがな。それで皆は騙されるのさ」


「騙されるって………」


 話がまるで見えない、領主は何を騙し、民は何を騙されているのだろう。


「まず、この鉱山の仕事以外はまともな報酬は貰えない。農民になろうが店を開こうが、税を搾り取られるだけだ。若干マトモなのはナガレの商人くらいなものか? ここで働く連中の税もけっして安くはないんだが、鉱山で働く分は他より優遇されている、そのぶん重く感じないんだ。そして一度でも鉱山の仕事を辞めたら、二度といい状況での仕事は貰えない。報酬も激減するから、皆辞めようとしないんだ」


 シェランさんは「それに」と話を続ける。


「働く連中の中にも、倒れるまで徹夜で働くことを自慢したり、実際にひと財産築いたヤツがいるモンだから、分からなくなっちまってるのさ。鉱山で働けば奴隷から市民へ格上げだ。そのエサに釣られた連中なんかは、領主のことを救世主か何かだと思っている奴らもいる」


「けどよー、それで働き手がいないっていうのがわからねぇよ」


 リュトの質問にシェランさんはダレフさんの顔を見る。

 そしてダレフさんは小さくコクンと頷いた。


「そう普通ならば働き手が足らないことなんか、ないはずなんだ普通ならな。だから普通じゃないことが起こっているんだよ」


「はぁ?」


「領主は今ならドワーフたちが戻ってきても、働き手が足らないと言うだろうさ。さて」


 そこまで話をすると、シェランさんはダレフさんの方に近づいて、ダレフさんが集めていた光苔に手を向ける。

 それから、魔力を光苔に当てながら言った。


「ここから先の話は、歩いてからにしよう」

文章と言うか、話の辻褄が合わないところがあって、書き換えた箇所があります。変に感じるところや変な文章が実際にあるかもしれません。

気づいたら教えてね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。