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第四十四話 再開の再開

 もうすぐ北門に差し掛かろうとした時、最近聞きなれた声が響く。


「おーい! メテル〜!」


 向かいの方からリュトが手を振りながら、走ってきた。

 

「ふう、やっぱり、もう行っちまうのか?」


 私が気付いてからも、けっこうな距離を走ってきたのに、すぐ息を整えるリュトに、さすが冒険者と思ってしまう。


「うん……… ダレフさんもシェランさんも、早くこの街を離れた方がいいような感じだし」


「ダレフってドワーフのおっさんか! メテル、最後にそのおっさん見たのいつだ?」


 リュトは急に声を張り上げ私に聞いてきた。

 どうしたんだろう。


「えっと。宿屋で朝に見たのが最後かな、最初は私について回るみたいこと言っていたけど。なんで?」


「指名手配がかかったのさ。魔獣を街の近くまで誘導したのではないか? てね。それで探しているのさ」


(え?)


「ああそうだ、ギルマスからこれ」


 そう言って、リュトは封書を取り出す。


「通行証だよ。これでどこからでも、この街から出られるぜ」


 なんとタイミングが悪い。

 これでは北門まで戻って来た甲斐が、ないじゃないか。

 とは言え、わざわざ持ってきてくれたのだ。

 キチンとお礼を言わなければならない。


「ありがとうリュト。それとギルドマスターにお礼を伝えてね」


「お、おう」


 顔を赤くしながら応えるリュトに微笑みかけ、リュトの言ったダレフさんの事を聞いた。


「リュトはダレフさんが、そんな事をしたと思う?」


 リュトの表情が変わる、無関心というかぶっきらぼうといった態度をとって、私に答えた。


「知らねぇし、わかんねぇーよ」


 そんなリュトを私はじっと見る。


「わーったよ」


 リュトはそう言うと、バツが悪そうに言う。


「あのおっさんはシロだ、と思う。だけどこれは仕事だ。俺には関係ねぇ。それに俺はギルマスから言われてんだ」


「ロイさんが………」


 納得がいかない、宿屋でのロイさんのダレフさんへの態度は親密と言ってよかった。

 リュトやシェランさん以上に信頼していると思えるほどに。


「心配すんなよ。大丈夫だろ? 多分」


「……… うん」


 確かに私でもダレフさんが魔獣を街に呼び寄せるような事をしたとは思わない。

 じゃあなぜ………

 私はうつむき考えていたら、リュトが声をかけてきた。

 

「じゃあな、今日中に見つけときたいから行くぜ。お前も気をつけるよ」


 そう言うとリュトは西門の方へ向かって行ってしまった。

 

「はぁ〜、どうしよう」


 ダレフさんの事は気になる、だけど私は私の目的を優先させる事にした。

 ただ、このまま北門から出るのか、西門に戻るのかが悩ましいところだった。

 西門へ向かうとなると、別れたばっかりのリュトとまた鉢合わせになる。

 なんとなく気まずくなるだろう。

 北門となると西の街道に出るのに、やや遠回りだ。

 だけど西門からここまで来た事を考えると、もうほとんど距離は同じくらいだ。

 それに、なんとなくだけど精霊さんは北門から出たがってる気がする。


「よし!」


 結局、私は北門からトロンの街を出ることの決めた。

 足を北門の方へ向ける。

 そのとき、馬に乗った人が街の中心地から猛スピードで、こっちの北門に向かってきているのに気づいた。

 どんどんと近づくにつれて、その馬に乗った人が私が知っている人物だとわかる。

 ただ、その人は別れた時と比べて、非常に不満げな顔を浮かべていた。


「よう」


 それはお昼に別れたはずのシェランだった。

ちょっとサブタイトル含めて、文の変更を後日するかもしれません。

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