何ヶ月に1回、別人にへーんしん!
___私の名前は、『ティファール・グランディー」』
23歳、探偵事務所で働いているわ。
私には、他の人たちに出来ない能力があるのよ。
それが! 何ヶ月に1回、別人になれる事!
___朝起きるとね?
洗面所で鏡に映った私の顔を私自身が見て驚くことが多々あるわ!
【ギャーーーーーーーー!!! アンタ誰よ! 何処から入ったの?】
・・・えぇ!? ひょっとして? 私なの?
___これって?
毎回、同じ事が起きるのにまったく! 慣れないものよね?
だから! びっくりして私は叫ぶのよ!
【ギャーーーーーーーー!!!】
___だって!
鏡に映っている私の顔は、一度も会ったことも見たこともない
顔なのよ! そりゃ~びっくりするわよね!
毎回、私は! 心臓が止まるんじゃないかと思っているわ!
▽
___でもね?
私の仕事は、私自身! 【天職】なんじゃないかと思うほど。
私に合っている仕事だと思うわ!
___しかも?
顔が変わると? 性格も変わるらしく!
浮気調査やお色気調査、探し人もするのよ。
___どうやらね?
仕事の依頼に応じて顔が変わるみたいなのよ。
・・・例えば?
【旦那と別れたい奥さんが、別の女性と浮気をしてほしい】
とういう依頼があれば? 豊満なボディーの小悪魔的な女性に変身し
て旦那を私が誘惑するのよ! 凄いでしょ!
___そういう時は?
性格も、男性に注目されたい女の子に変わるわ。
私は誰よりも綺麗で可愛い女性なのよ。
___自信満々な女性に私は変身よ!
▼
___じゃあ! 早速、本番!
旦那さんの職場で仕事が終わるのを待ってから、後ろをついて行き
隠れ路地のオシャレなBARに一人で入っていく旦那さんの後を少し
遅れて私1人で入っていったわ!
___予め、調べていたBARだったわ!
旦那さんは、仕事帰りに1杯お酒をココで飲んでから家に帰るらしいの。
___旦那さんを? 詳しく調べてみるとね!
タバコもギャンブルもしないし! 華やかな女性が
いるようなお店にもいかない人。
___趣味も、犬の散歩や仕事が休みの日は、子供と一緒に
遊んでくれるようなステキなパパなの。
奥さんは? 旦那さんのどこが嫌で別れたいのかしら?
不思議だけど? 夫婦の事は、私たちには関係なしね!
・・・いえいえ、ひょっとしたら?
奥さんに、好きな男性でもできたのかしら?
これは! 推測でしかないし! プライバシーを侵害する
問題だから、私たちが勝手な判断で踏み込んでいい話では
ない事だわ!
___あらあら? ごめんなさい。
・・・話を戻すとね?
私は旦那さんの横に座っていいか聞いてから座ったのよ。
『___スミマセン、横に座ってもいいですか?』
『・・・えぇ!?』
『___今日は、人恋しくて。』
『・・・あぁ、ははい、』
『___ありがとうございます。』
『___何かあったんですか?』
『・・・えぇ!?』
『___疲れたお顔をされているように見えたので。』
『えぇ!? 分かりますか? 実は、つい最近まで、、、家庭を持った
男性と付き合っていたんです。でも、彼に会いたくてもなかなか
会えませんし! どうしても、家庭が大事だからと言われて、、、。』
『___“その男とは、別れたんですか?” 』
『___あぁ、はい! 昨日、別れました。』
『___そんな男! やめた方がいいですよ! 奥さんも子供もいる男と
付き合っても! 貴女が幸せになりませんよ!』
『・・・それは! よく分かってるんです! でも、彼が好きだったから
奥さんがいても別れられなかったんです。』
『___可哀そうに、その男に! いいように使われていただけですよ。』
『・・・そかもしれませんね。』
『僕でよければ、お話をお聞きしますよ。』
『___ありがとうございます。』
*
___こうして! 私と旦那さんは、このBARで二人きりで話すことが増えたわ!
3ヶ月が過ぎたころ。 旦那さんが私にこんな事を言い出したの。
『___僕は、何時でも君の味方だよ! 僕はいつの間にか? 君の事を好きに
なってしまったんだ! 妻の事を愛しているけど、、、それ以上に君の事を好き
になってしまったんだよ! どうか、今日は僕と一緒に居てくれないか?』
『・・・えぇ! でも、奥さんに悪いわ』
『いいんだよ! 妻には黙っていれば分からないから。』
『・・・ううん。』
___この日は、旦那さんを別に仕事用で借りているマンションの部屋に連れて
行き、私と旦那さんは一線を越えてしまったわ!
___これで! 浮気は完了よ!
後は? 奥さんに報告するだけ、、、。
▽
浮気をして数日後、奥様に連絡して会うことになったわ。
『___これが! 旦那さんの浮気の証拠です!』
『・・・・・・ありがとうございました。』
『一応! 浮気調査はこれで終了です! 何かありましたら?
またご連絡して頂ければお話をお聞きしますので。 では!』
『・・・あの人! 本当に、浮気したんですか?』
『・・・えぇ!?』
『私という妻が居るのに、本当に他の女性と浮気したんですか?』
『・・・ははい!』
『___そうですか、分かりました。』
『___いえ、』
___今、思うと?
奥さんは、旦那さんを“信頼”していたのかもしれないわね!
この人は! 絶対に“浮気”なんかしないと、、、!
奥さんは、心のどこかで自信があったのかもしれない!
___だから?
それを! 確かめたくなっただけなのかも、、、。
わたし以外の女性と関係を結ばないとね。
・・・まあ、取り合えず仕事は終わったわ!
早く! 元の私の顔に戻りたい!
最後までお読みいただきありがとうございます。