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プロローグ

(ここはどこだろう…)


目を覚ますと、そこはうす暗い路地だった。

遠くから大勢の人の足音や人声が聞こえる。

首を持ち上げて、路地の先を見やる。

路地の向こうは市場通りなのか、屋台の様な建物や行き交う人々の足が見える。


(お腹空いたな…)



しばらく食べてなかったのか、空腹感や倦怠感がある。どうやら空腹のあまり、気を失っていたようだ。



(うん確かに空腹でベッドに突っ伏して寝てしまった記憶があるよね…)


意識がなくなる前のことを思い出そうと考える。


(あっ…私…死んだんだっけ…)


急にこれまであった色々なことが頭に浮かんできた。


(そうだよ死んじゃったんだ…)


私の名前は、吉岡かおりと言った。

人生色々あったけど、当時は小さな会社で経営者をしていた。そんな中で他国から流行り出した感染症が日本国内でも蔓延。日本の死者数も1万人を超え、私もなんと感染症にかかってしまったのだ。

いつの間にかかったのかも分からない中で、空腹も続き、挙句の果てには急速に熱が上がり身体も動けなくなり、意識を無くしてしまった。

一人暮らしだったため誰にも気づかれずにそのままになってしまったようだ。


(あーこれで人生終わっちゃうのか…呆気なかったな。それで、神様に会うことになったんだっけ…)


かおりは、思い出してみる。


◆◆◆


そこは白一面で埋め尽くされた場所だった。


(ん?死んだはずなのに、なんでこんなところにいるんだろ?)


たしかに、自宅のベッドで動けなくなったはずなのに、なんでこんな白い空間にいるの?かおりは混乱していた。


「こんにちわ!」


突然隣から声がかかった。


「えっ、あ、はい。こんにちわ?」


とっさのことでかおりは返事が疑問系になった。

「あれ、魂の輪廻の輪からはぐれてちゃったのかな?」


そこには、金髪碧眼の小さな男の子が笑顔で立っていた。


「急に死んじゃって大変だったね〜。こっちも色々死者が増えて大忙しさ!なんでさっさと進めていくね。」


「えっどういうことですか?私どうなったんでしょうか?あとあなたはどなたですか?」


「えっとぼくは、神様って言うのかな。手短に言うと、君は死んでこれから違う世界に魂が転生するんだよ。」


「神様!はい、そうなんですか。」


「あら、聞き分けいいね。説明が省けて楽だけど、自分の置かれてる状況わかるかな?大丈夫?」


「いや、全然分かんないですけど、もう死んじゃってるのは確かそうだし。聞くしかないかなって。」


「なるほど…だよね!理解が早くて助かる!」


神様の説明によると、世界は何個かあって、そこに住む生き物の魂を巡回させてバランスを保っているらしい。今回かおりの住んでいた世界の人間が大量に死んだことによる、魂の巡回作業で大忙しらしい。


「普通魂は、ここに来ないで目覚めた時には、次の世界で新たな肉体を持って生まれ変わるはずなんだけど…現世を離れた魂が多すぎちゃって、こうやってはぐれてちゃう子が出るんだよね。」


大量生産で機械化された工場のような言い様である。


「そうなんですか。」


かおりは話を折らぬよう相槌を打つことにした。


「かおりちゃんて言うんだっけ?せっかく来たんだから、ちょっとお茶でもしてってよ。僕も休憩にするー。さぁ座って座って!」


神様は、空中からテーブルと椅子、お茶セットを出現させた。かおりは、そんな姿を見て始めて、ほんとに神様なんだと、やっと信じた。


向かいに座る神様は、サラサラヘアーが可愛いお人形さんみたいな男の子である。

なんだかすでに異世界に来た感満載だと感じる。2人は、お菓子を食べながら話すことになった。


「かおりちゃんが行く次の世界なんだけど、ちょっと大変な所で、お願いがあるんだよねー」


「そうなんですか、日本でも今ウイルスが蔓延してて大変でしたけど。」


「あーたしかに。まぁあれは…あれも関わってるとも言えるね。」


「今度の世界は、魂の循環が何故か起こりにくいんだよね。魂を送り込むんだけど、極端に出てくる魂が少ない。僕としては、魂の循環をさせないとバランスが壊れて、この世界を無くさないといけなくなっちゃうんだ。それ面倒だし。」


おいおい、生と死を面倒で片付けるなよ神様ぁと、かおりはおもう。ちゃんと働いてください、とは声に出しては言わない。


「分かりました。どうすればいいか分かりませんが、原因を探ればいいのですね。」


「うん、中の世界にいる方が色々わかると思うし。僕は、あんまり長くここを離れられないしね。助かるよ。」


「君の転生する身体も、ちょっと関わりがありそうなところにするから。」


「えっと、とりあえず人間なんですかね?」


一応聞いてみる。


「えっ、…あっうん、そうだね。人間?かな。」


なんか神様歯切れが悪い印象だ。


「人間、人間!大丈夫だってー」


青色の目があらぬ方を向きながら、神様は答える。すごい目が泳いでる気がする。


「あっそうだ!次は魔法の国だからきっと楽しいよ?」


「身体の持ち主がね〜ちょっと変わっているけども。まぁ、人生楽しもうよ!」


「ええっ!?そんな投げやりな!大丈夫なんですか?何もわからないところですぐ死んじゃったら元も子もないですよ?」


「…まぁそうかー。じゃあ、かおりちゃんを助けてくれそうな助け人を上手く見つけておくね!そう簡単に野垂れ死にしないで守ってくれる人を選んでおくから。」


「ありがとうございます。」


神様はしばらく腕を組み考えていたようだが、ふと思い出した!という感じで告げた。


「あっあと、僕の守護もつけるよ!あっちは魔法がある世界だから少しは役に立つはず。あと…そうだなノミとか防虫効果もいるかなー」


「えっ、なにそれ?なんか汚そうな世界ですけど、こわい…」


「まぁ気にしないで!どこの世界でも清潔でいることは大事だよね?、」


急に防虫効果が加わったが、たしかに清潔でいれることは大事だ、とかおりは思った。


(新しい世界、野宿もあるかも知れないから言ってくれたのかな?)


最終的には特に気にせず、かおりは魔法世界の新しい人生に転生していった。

( 'ω'):皆様初めまして!作者です。これからよろしくお願いいたします。

(ฅ'ω'ฅ):ステイホームで、猫を飼いたい読者が、小説に手を出しました。

( 'ω'):現実では飼えないので…自粛の間に、少しでも楽しめる時間を共有したいと思います。

(ฅ'ω'ฅ):良かったら、ブックマーク追加お願いしますにゃ。

( 'ω'):猫語尾!ひぃぃぃ

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