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1. おっさん、イラッとする


 気がつくと、真っ白な空間にいた。

 そして目の前にはダークスーツに身を包んだむくつけきおじさん。

 うん、わけがわからん。ここはドコ?そしてこのおじさんはダレ?


 とりあえず目の前のおっさんを観察してみる。

 スーツの上からでもわかる盛り上がった筋肉。頭はスキンヘッドだが頭頂部から一房の髪が額に垂れている。

 ぱっと見アームス○ロング少佐みたいだが、仁王像の如き迫力でこちらを睨んでいる。完全にヤクザだ。あかん、しっこちびりそう。

 さすがに40にもなってしっこちびるのは情けないのでなんとかこらえる。

 そんなアホなことを考えていると、ヤクザがこっちに近づいてきた。


 (刺される!!)


 そう思った瞬間、ヤクザは膝を折り地面に手をつけ綺麗な土下座を披露する。


 「すいませんでした!!」


 「・・は?」


 むしろ土下座しようとしていたのはこっちなんだが。

 なぜかヤクザが土下座している。わけがわからん。

 ・・もう一度観察してみる。

 するとヤクザは目に涙を溜め、上目遣いにこちらを見つめている。やめろ!それが許されるのは美少女だけだ!

 若干イラッとしながらもそれを押し殺しヤクザに声をかける。


 「とりあえず説明してもらえますか・・?」


 ヤクザは見た目とは裏腹に、丁寧で腰の低い態度で話し始めた。


 いわく、自分はこの世界を管理している者。俺達の言う所の神みたいなものだと。

 そして俺は死んでしまったという事。そしてそれは自分の責任であり、大変申し訳なく思っているという事。

 そしてお詫びとして、自分が管理している別の世界で第2の人生を送れるよう手配するという事。


 (いわゆる異世界転生というやつか・・)


 生前この手のラノベはよく読んでいた。

 異世界で主人公がチートで無双してハーレムを築く話が好きだった。

 40にもなって何言ってんだコイツと思うなかれ。碌に休みも無い仕事に追われる日々の中で、数少ない楽しみだったのだ。現実逃避ともいう。



 ただ、ここでひとつ気になることがあった。

 「俺が死んだのはそちらの責任みたいな話があったけど、どういうこと?俺、事故で死んだんじゃ・・?」


 「それなんですが・・あの時、あなた子供をかばったじゃないですか。あれ、うちの子なんですよね・・。本来我々が地上に降りたりする事はまず無いんですが、どうしても“期間限定すぺしゃるフルーツロール”が食べたいってきかなくて・・テヘッ」


 (#^ω^)ビキビキ


 「テヘッじゃねーぞゴラ!!残り少ない髪の毛むしって不毛の大地にかえてやろうか?ああ゛ん?」


 「暴力!暴力はやめてくださいっ!争いからは何も生まれませんよっ?!・・髪の毛はマジでヤメロ!!」


 理由もそうだが、ヤクザ神の『テヘッ』に殺意をおぼえた俺が残り少ない髪の毛に手をかける。必死に抵抗するヤクザ神。その時、白い空間に可愛らしい声が響きわたる。


 「まって!おとうさんをいじめないで!!」


 声に振り返ると、そこにはフードをかぶった子供。俺があの時助けた子供がいた。子供がおもむろにフードをとる。そこには目に涙を溜めた天使のような小学校低学年くらいの美幼女がいた。


 ズキュゥゥゥウン!!


 おもむろにヤクザ神の髪の毛を放し、居住まいを正す俺。

 そしてヤクザ神の目を正面から見据えて言葉を紡ぐ。


 「お父さん、娘さんを僕にください」


 「おまわりさーん、こっちです!」



何話か続けて投稿します(`・ω・´)

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