表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

おでかけ

作者: 夜朝

 空に掲げられたプラスチック光沢のあるカードは半透明の緑色。噂ではドラゴンの鱗で出来ているらしい。左上には正面無帽の顔写真。幻獣騎乗の免許証だ。


「わぁ、すごい! タイプBだ!」


 子どもが一人、両手で掲げたカードを見つめながら瞳を輝かせた。写真の青年がすぐ隣に座っている。そちらへ向けて、ずいっとその子が詰め寄った。


「行こう! どっか! せっかくタイプBだもん。どこがいいかな〜」


 タイプBの免許証(カード)

 タイプAの幻獣はサイズがそれほど大きくなく、基本は一人乗りなのだ。それとは異なり、タイプBはそこそこの大きさがあるため、二人で楽に乗れる。

 わくわくモードの子どもはガイドブックを探しながら挙手した。


「ぼくね、滝が見たいな〜。やっぱ滝の前で仁王立ちだよ」


 ぐ。と小さい手で握りこぶしを作って何かに想いを馳せる。その子はちょっと堂々とした感じのBGMを脳内で流していたが、やがてこぶしはそのままに、くりっと青年の方を見やった。


「どこ行きたい? あ、複数回るなら、どこに泊まるかも大事だよね……お宿は何か考えてる?」

 楽しみだなぁ。

 言って、丸い頬がふにーと持ち上がる。

 ごそごそと本を探す音さえ楽しげに部屋に響いた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ