感動する話(泣)
春休みの平日に私は遊園地にデートに行った。
大学生活での単位は順調に取れている。この調子なら卒業単位は楽勝だと考えている私は3年も楽勝だと考えていた。
今日は曇りか~ と言いながら彼氏の達也が待ち合わせ場所に来た。私と達也は大学の入学式に席が隣で仲良くなり、恋人同士に発展した。
達也がジェットコースターやお化け屋敷が苦手なことを私は知っていた。だけども達也は強がって「俺は怖い系余裕だぜい」と言い強がっているので私は意地悪をした。
じゃあお化け屋敷入ろうよ。私は怖いの苦手だけど達也がいるから平気だよ。と言うと達也は眉がピクッと反応したのが分かった。
こいつ知ってやがると言わんばかりの目で私を見た。だが、達也のプライドが邪魔をしているらしい。行こう行こうと達也は言った。
私は彼の癖その1 同じ言葉を繰り返す時は動揺しているを見抜いてフフフっと心で笑いならがらお化け屋敷に向かった。
お化け屋敷についた私たちは中に入る。
いつも一緒に歩くときは右に達也、左に私とお決まりの位置。彼は入ってすぐに自然と左側にいた。なぜかは私は聞かなかった。
私は達也の手を握った。達也の指は冷たいが、手のひらは少し暖かい。達也の驚き方がを見ることを想像し興奮していたので暖かい。達也が「お前の手は小さいくせにのに暖かいな」と言って笑った。
そのとき、突然携帯のアラームがなった。地震警報を知らせるアラームだ。ムード台無しだなと二人がハモった瞬間、下から突き上げるような振動に建屋内は生き物のように動き、崩れ始めた。崩れ落ちてきた瓦礫が私の頭に当たり、私は無重力を感じながら倒れた。当たった部分に違和感があるが痛みが来ない。煙の臭いがする中、意識が遠くなっていく時に私が見ていたのは達也の泣きながら私を呼び掛ける姿だった。
私は気がつくと夕方になっていて、歩道に立っていた。何だか寂しい空間、周りがボヤける。なぜここにいるのか分からない。隣には達也がいた。私は状況が分からなかった。 今日は休日?デート?なぜここにいる?どうやって来た?など沢山の疑問が頭を駆け巡るが答えも分からない。
達也が言う「今日の遊園地楽しかったね」 私はそういえば遊園地でデートしていたのを思い出した。だが遊園地の二人でハモったところまでしか思い出せない。
達也に聞いた。「ねぇ、今日のお昼って何を食べたっけ?」忘れたふりをした。達也は「おやおや認知症かな~」と煽ってくる。
達也は質問には答えず話始めた。
「今日の遊園地楽しかった。実はお化け屋敷が苦手だったんだ。」
私は知ってるよと答える。
達也は続けて「ジェットコースターも苦手なんだ、」
また私は知ってるよ。と答えた。
「お化け屋敷で左側に行ったの気づいた?左手は汗ばんでて繋げなかったと恥ずかしそうに言った。」
「何だそういうことだったか!私はお化け屋敷実は平気何だ。達也が苦手なの知ってたから意地悪したんだよ。強がってるところが可愛かったね~。また見たいな」と私は言った。
達也は恥ずかしそうに黙ってしまった。
「俺は勉強が苦手だ。単位もお前ほど余裕がない。お前は英語が得意だったよな。きっと将来役立つから英語を伸ばすと良いかもな」と突然話始めた。
「俺はお前の事が好きだ」と笑って言いうと後ろから抱きしめられた。
遠くから何か音が聞こえてくる。扉を開ける音と足音。周りが少しず暗くなっていく。
背中の感触はベッドに変わっていた。周りが真っ暗になり何も見えない。頭が痛い。私は虫食い状態だが少しずつ思い出していく。遊園地で地震があったこと。声が聞こえる。「このまま目が覚めなかったらどうしよ。」泣きながら言っているお母さんの声がする。
お母さんいるなら電気つけてよ。今何時?と聞いた。お母さんは泣きそうな声で「良かった。今は夕方の5時。まだ明るいわよと言う。」
「何も見えないよ?ふざけてないで電気つけてよ」と言うと心配したんだからふざけてないでと言い返された。
な
お母さんが呼んだのだろうがナースが来て質問された。「痛いところはありませんか?気分はどうですか?」
ナースは真っ暗のなかどようやって入って来たのだろう?と考えてしまったが検討はついていた。
ワンテンポ遅れて、頭が痛いのと、多分目が見えないと、答えた。
それを聞くとナースは医師を呼んだ。医師は目について話始めた。君の目はもう見えるようになることは無いと言った。私は実感がわかなかった。
そういえば達也は?とお母さんに聞いた。「達也君は亡くなった。」と言われた。一気に絶望が襲ってきた。
目と達也を失い、自分も死にたいと頭をよぎった。
だが、夢のような世界で会った達也は英語を伸ばせと言っていた。達也が助けてくれた命を私は大切にすると心に誓った。
半年後
私は通訳になることを目指し英語を必死に学んでいる。
あとから聞いた話だが、達也は煙を吸いすぎて亡くなった。彼が最後に話したのは、彼女に最後泣き顔を見せたままで逝きたくない。と言っていたという。
私の脳裏にずっと刻まれているのは夢で見た彼の笑顔である。