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13年後の君たちへ  作者: キサラギアキト
第一章 蕁麻疹
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蕁麻疹 その9

神楽は風呂からあがると、ロッカーに向かった。


多くの人は、ラウンジで休んでから外に出るが、彼女は男性に

近寄ると蕁麻疹ができてしまう体質なので、見ず知らずの人が

多いラウンジで休むことはできないのだった。


女性用ロッカーから廊下に出て、曲がり角を曲がろうとしたとき、

人とぶつかってしまった。


そんなに勢いよくぶつかったのではなったので、倒れはしなった。


「あっ、すみません」


ぶつかったのが男性か女性か分からなかったので、蕁麻疹ができない。


「いえっ、こちらこそ」


男性の声と分かった瞬間に彼女の体に蕁麻疹ができる。


『やだわぁ、こんな体質』


痒みはそれほどでもないが、ゼロでもないので、我慢しなくてはいけない。


そして、再び、外に出ようとしたのだが、


「……あれっ、神楽さん」


「高藤……課長代理」


「どうしてこんなところに……?」


「課長代理こそ」


一気に彼女の蕁麻疹がひどくなり、痒みが強くなり、体を掻き始める。


「まだ、男性恐怖症は治ってないのか……?」


神楽が黙っていると、高藤はため息をつく。


「悪い。

 また明日な?」


そう言って、高藤はラウンジへ消えていった。


神楽は一人になり、こう思うのだった。


『やっぱり、高藤さんの時だけ、蕁麻疹がひどいわね』


体の痒みは未だ残っており、体を掻きながら会社に戻るのだった。

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