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13年後の君たちへ  作者: キサラギアキト
第一章 蕁麻疹
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蕁麻疹 その3

君嶋商事の会社は天井が高く、フロアは広く、端から端まで歩くと、結構な距離になる。


そんな会社内には、多くの机や椅子が整然と並んでいる。


フロア内は暗く、少し不気味さを醸し出しているが、

その一部だけがデスクライトで照らされている。


そんなフロアにキーボードの叩く音が鳴り響いている。


神楽はひとり残業していた。


彼女は、不安げな表情をし、コピー機の方に行き、印刷物を手にする。


その印刷物を両手で持ち、顔の高さまで持ち上げて、印刷物を確認する。


そして、満足げな表情で、


『問題ない……わよね』


そう独り言を言った。


彼女は自席に戻り、深く椅子に座り、背もたれにもたれかかる。


その状態で周囲を見回してみると、誰もいない。


『皆、帰ったかぁ』


ふと、パソコンの時間を見てみると、深夜1時。


『やだぁ、こんな時間……

 今日中に終わらせることなかったのに……』


高藤が帰り際に声をかけてくれたのは覚えていたが、

それ以降は、仕事に没頭し、時間を確認することを忘れてしまっていた。


ポーチから鏡を取り出し自分の顔をチェックする。


『疲れが顔に出ているかなぁ~

 玉越さんにばれたらやだなぁ~』


目が腫れぼったくなり、少し黒ずんでおり、肌の状態も悪くなっていた。


彼女は、顔をマッサージしてみるが、すぐに効果が表れるはずもなく、

特に変化は見られない。


彼女は、マッサージを諦め、椅子に大きくもたれかかった。


『帰る気力ないなぁ……』


自転車で約40分。


これから、夏本番という時期で、暑さも増してきている。


いくら夜で涼しいとは言っても、自転車で帰る余裕は、彼女にはなかった。


『……とりあえず、お風呂に入っておこう』


彼女は、荷物をまとめ、会社を後にした。

毎週木曜日、投稿します。

よろしくお願いします。

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